マグロォの頭を焼き始めたと同時に、隣の網ではカマも調理開始。
「本鮪カマ 天然 538g」と書いてある袋を開けてみたら、中にはゴロンゴロンと4個のブロックが出てきた。これがカマなのか!
さすが大きな魚だけあって、えらのあたりをごっそりひと塊というわけにはいかないらしい。豚の角煮サイズのものが出てくるとは意外だった。
身は赤黒く、そして白い。そして皮は黒い。霜がおりているので今は白いが。
迫力があるかといわれると、そうではない。「今年のバーベキューはマグロのカマがメインだ!うひょう!」なんて決めなくてよかった。これがメインだと、さすがにちょっと物足りない。結論。おマグロ様はインパクトに勝る頭に限る。
マグロのバーベキューセットには、「カマ」「テール」「ホホ」の3種類が組み合わせになっている。ホホはとりあえず後まわしにして、テールというのも焼いてみようと思う。こちらも本鮪だけど、養殖だそうだ。
テール、というのは尾っぽのあたりの肉のことだが、食べたことはない。魚は尻尾をフリフリすることで推進力を得るイキモノなのだから、尻尾、というか尾びれ近辺の肉は随分と鍛えられていそうだ。筋張っていてマズいかもしれんし、栄養がいきわたっていて美味いかもしれん。
「ありゃっ!?」
包みを開けてみて、誰しもが驚きの声をあげた。想像していた肉とは大違いで、目の前にある肉はトロのように脂が乗った身だったからだ。こりゃもう、見ただけで美味いに決まってる。
というわけで、マグロォのカマとテールを並べてみる。テールは2枚で444g。
驚いたなぁ、こんな肉があるなんて。それにしても、コイツもカマ同様細かく分割されている。皮目の部分のカーブを見ると、一体「テール」全体でどれだけの太さがあるんだ?と思う。かなりでかいことが想像つく。魚の王様だな、マグロって。
マグロォを焼き始めたら、なにやら気配を察知したらしく、カラスが何匹も集まってきた。さすがに我々のテーブルまであいさつにはこないが、すぐ頭上の木の上でソワソワ。
「おい!カラスがマグロ狙ってるぞ!」
さすがに日々、焼肉ばっかり食べていたら飽きてきたのだろうか。たまには魚を食べたいのかもしれない。DHAで賢くなりたいだろうし。
みんなで手分けをして準備を進める。
特に誰かが指示を出さなくても、勝手に動くし、勝手に段取りは進む。
2つの炭火コンロを挟む形で、手前のテーブルが調理場兼食材置場。奥のテーブルがダイニングテーブルとして機能した。
アルミホイルでふたをして、鉄板で加熱していたおマグロ様。
途中経過を見ようとアルミホイルをめくってみたけど、加熱されている気配がまったくない。さすがデカいだけあって、びくともしねぇぜ。こりゃ本当に夕方までに食べられるのか、心配になってきた。
鉄板の上におマグロ様は乗っているが、接地面積はごくわずかだ。ここからちゃんと熱が伝わるだろうか?
一方、網焼きにしていたテールは早々に火が通った。カマはまだまだだけど、ひとまずテールから食べてみよう。
テールはとても柔らかく、うっかりすると崩れてしまいそう。なので、慎重にトングでつまみ上げ、包丁ではなくキッチンバサミで切り刻むことにした。
マグロテール。火が通ると、先ほどまでとは打って変わる。
マグロの赤身に火を通すと、「なんだ、ツナじゃん」と現実にわれに返ることがある。マグロカツなんてお店のメニューにあって、「ほう?珍しいな、頼んでみよう」と注文してみて食べると、「なんだツナじゃん」と。
一方このテールは、火が通ったからといってツナ感は全然ない。もちろんツナ缶でもない。こりゃ、異次元のウマさが期待できそうだ。
それにしてもおマグロ様の皮の分厚いことよ。なんだこりゃ。紙やすりみたいだ。これでわさびをすりおろすことができるんじゃないか、というくらい硬い。
で、本鮪テールの出来上がり。中はまだ赤身を残しており、ミディアムレアな火のとおりがすばらしい。
さっそく食べてみたが、これがめっぽう美味いんでやんの。なんじゃこりゃー。
味としてはあぶりトロを想像すれば遠くない。しかし、寿司ネタとしてちょびっと食べるのではなく、こうやってどんどん食べられる豪快さよ。やあ、こりゃ頼んでよかった。大満足だ。塩をちょっとパラパラ振るだけで十分にうまい。
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