僕が家から持参した、冷凍品二品。
羊肉の水餃子と、骨付き羊肉のぶつ切り。
両方とも、中国人が経営する中国食材店で買ったものだ。
「中国製の食料品なんて、信用できない!絶対に食べない!」という人がいるけど、それはそれで良いと思う。
でも僕なんかは、いっつも中国製というのはさすがに抵抗感があるけれど、たまには中国製でもいいよね、という考えだ。
というのも、中国食材のお店に行くと、見慣れない・怪しい(良い意味でも、悪い意味でも)食材がたくさん売られているからだ。そういうのを買って食べるのは楽しい。
この二品も、そう。
ちなみに羊肉の水餃子は、「これは珍しい!」と思って買ったのだが、食べてみてびっくりした。「うわ!段ボールが入っているんじゃないか?」と。
餃子の具に段ボールが入っていた、という事件が中国であったのは記憶に新しいけど、それを彷彿とさせる食感だった。さすがの僕も完全にびびった。慌てて水餃子の断面を見てみたけど、そもそも具の量がとても少なく、中身がよくわからなかった。だいたい、羊肉がちゃんと使われているのかどうかさえ、怪しい代物。わずかに羊臭さは感じられるのだけど・・・。
そういういわくつきの食材を、あえて持ち込んでみた。
まずいものをわざわざ持ってきて振る舞うなんて!ひどい!と思うかもしれないけど、これを楽しんでくれるのが野外炊事部のメンバーだ。
もちろん、「たらふく食え!肉を食う前にこの水餃子を平らげてからだ!」と強要ならひどい話だけど、この変な料理を、味見程度に楽しんでみてくださいね、というスタンスだ。
今回は、直前まで雨の予報があったためにバーベキューが中止寸前に追い込まれていた。そのために、「とっておき食材」の調整を事前にできなかったので、「各自が良いと思うものを勝手に持ち込んでください」ということにしてあった。
今回のメンツを見渡す限り、極端にお金持ちや極端に貧乏人はいないようなので、「いや・・・その食材は高すぎるのでやめてほしかったなあ」なんて揉め事にはならないだろう。
そんなけで、みんなで持ち寄った食材の披露会。
これは・・・グルメたれ、と書いてある。焼肉のたれに使えるものだ。
あれっ、パッケージの下で、腕を組んでドヤ顔をしているのは、ジョエル・ロブションだ。びっくりだ、アンタこんなものも監修していたのか。
ちょうど前日夜、僕は知り合いからいただいたジョエル・ロブションの焼き菓子を食べていたので、ますます驚いた。
これは・・・韓国語が書いてあるけど、ポッキーだな。巨大ポッキー。
いきなり唐突な、と思ったら、
「11月11日はポッキーの日ですから」
だって。なるほど!そうだったか。そういうところに思いを馳せるとはすばらしい。全く僕は思いもつかなかった。
ちなみにこのポッキーを持参してくださったのっちょさんは、今朝は朝イチで御徒町の「吉池」(有名な鮮魚店)に行き、活カニを仕入れてくれた。開店と同時にカニを買おうとしたのだkど、開店時点ではまだ魚介が陳列されておらず、やきもきしながら待機する羽目に。カニをゲットしてから舎人公園にやってきたので、若干の遅刻となった。
「カニ待ち遅刻」という珍しいパターン。
全員で、バーベキュー場の事務所兼売店を見に行く。
中に入って驚愕だ、なんだこりゃあ。
外部委託(僕が勝手にそう決めつけているけで、証拠はない)すると、こうもイケてるお店になるのか!!
コーヒーやサンドイッチなど、うまそうなものが売られているぞ!しかも、ソフトクリームまで!えっ、クラフトビールもあるんですか?しかも4種類のクラフトビール、飲み比べも可能?そりゃあすごい。
公園ってこうあるべきだよな、と思う。
昔のピクニックのように、レジャーシートを持参して、家でお弁当をこしらえてお出かけ、というのもいいけど、21世紀の今ならこうやって「お金を使って、快適にピクニック」もいい。
公園って、まだまだ「神聖な場所」というか、生真面目な空気感があるけど、もっとカネの匂いがしてもいいと思うんだ。商売至上主義という意味ではなく、快適に過ごすためにお金を使えるようにうる、というのはありだと思う。
お酒を飲みながらのんびりと公園で過ごす一日、なんて最高じゃないか。
飲み物食べ物だけじゃない。
バーベキュー場併設の売店だけあって、お皿やコップといったバーベキューグッズの売り物がやたらと豊富だ。使い捨てタイプのものから、繰り返し使えるものまで。
もちろん値段はかなり高い。「かなり」という形容表現を付けても良いくらい、高い。しかし、場所が場所だけにそれは許容しなくちゃ。手ぶらでやるぞ!少々お金はかかってもいい!と割り切れるなら、ここで一切合切仕入れるというのは楽ちんだ。
なにせ、スモーカーなんて売ってるんだぜ。
「うっかり忘れた!でも、売店で売っててよかった!」というときに使うものじゃないぞ、これ。
誰か、
「おっ!スモーカーあるじゃん!スモークやろうぜスモーク!」
って衝動買いをするのかな?
肉も豊富に売られている。
肉が足りない!ということがあれば、ここに行けばいい。
歩いて15分弱のところにスーパーがあるけれど、バーベキューの最中に往復40分くらいかけて買い出し・・・というのはかなりかったるい。少々高くても、ここで済ませることができるならそれに越したことはない。
パンまで売ってるとは。
袋づめされた、パン工場で大量生産されたものが売っているんじゃないぞ?バスケットに入った形で売られているぞ。もう、呆れるしかないな、ここまでくると。
ずらりと並ぶ商品。これなら、本当に、お金さえ払えば完璧な「手ぶらでバーベキュー」ができる。
一方の僕らといえば、事前に入念に分担し、各自があれこれ荷物を持ち込んでいる。プラカップやらお皿やらアルミホイルやら、その数はかなり多い。「なんだ、手ぶらでバーベキューになってないじゃん」と言われるが、まさにそのとおりだ。
それは、現地調達がなかなか難しいだろう、というのもあるし、現地で買えたとしても高いから、という理由がある。でも、でもっ!これだけ豊富に売ってるなら、次回は楽しちゃってもいいかなあ、カネのちからで解決しちゃってもいいかなあ、というどす黒い欲望がちろっと姿を見せてくる。
ここではクラフトビールが4種類売られていて、すっげえ驚かされたのだが、しかもそれが生ビールというのにも仰天だ。確かに、カウンター奥に、「タップ」と呼ばれる生ビールを注ぐ口が見える。やるなあ、舎人公園。
一つの生ビールサーバーに4つのタップがついているタイプのものだ。あ、これは以前「ワールドビジネスサテライト」(テレビ東京で放送している、経済ニュース番組)で見たことがあるぞ。ビール業界大手のキリンが、傘下のマイクロブルワリーのビールを売るために飲食店に積極導入していっているやつだ。狭いスペースでも、いくつものビールを注ぐことが可能な仕組みになっているとか。
クラフトビールは、それぞれが大衆ビールとくらべて癖があるし、値段も高い。だから、少量ずつを味比べする、という飲み方が一番楽しい。なので、こういう生ビールサーバーの存在はお店にとっても客にとってもありがたいことだ。
でも、樽を保管するスペースがかなり必要だろうに・・・と思っていたら、ちょうど目の前でビールが在庫切れになり、詰替えが行われていた。
えぇつ!びっくり。
店員さんは、二酸化炭素の配線を外し、タップをぐいっと引っこぬく。すると、ビールサーバーからボンベ型のペットボトルのようなものが出てきた。そこに、ビールが入っていたというわけだ。
つまり、樽なんてものは存在しない。単純に言うと、ビールが入った巨大ペットボトルに、注ぎ口を取り付け、二酸化炭素のチューブを取り付け、セットしただけ、ということだ。生ビールサーバーそのものは、ペットボトルビールを収納し、冷やすためだけにある。すげー。これは便利だ。
「いいなあ、うちにも欲しいなあ」
酒を一切飲まない僕でさえ、ちょっと憧れるメカだ。えーと、僕んちだったらどうしようか。麦茶とほうじ茶とウーロン茶と炭酸水でも入れておくか。
そんなわけで、朝からビールを入手したおやびん。見よこの満面の笑顔。
これから全員でスーパーに買い出しい行くのだけど、その間BBQサイトでお留守番をするという。待っている間、このビールで楽しんでいるのだそうだ。
4種類のクラフトビールは、木のトレイに載せられ、丁寧な解説用紙付きだ。
こういうところも、いちいち洗練されている。
左から、「コープランド」「オンザクラウド」「アフターダーク」「よなよなエール」。
あ、やっぱり全部キリン系列だ。
ここ最近のキリンは、マイクロブルワリーに力を注いでいる。「よなよなエール」のような地方のブルワリーとも出資関係を結んだりしている。王者・アサヒビールが「大手がそういうことをやる必要はない」と明言し、クラフトビールとは一線を画しているのとは違ったアプローチだ。
ちなみに左3つのビールは、それぞれ横浜の生麦にあるキリンの工場内、「スプリング・バレー・ブルワリー」というビアレストランで醸造されているものだ。
「じゃあ、買い物に行ってきます」
とおやびんを残して、我々は旅立った。
いっぽうおやびんはというと、骨酒を作るんだ、ということで持ち込んだヤマメをハサミで切り刻んでいた。今日はヤマメからダシをとった燗酒を一献やるらしい。いいね、それ。
11月なので、燗酒を飲むなりなんなりして、暖をとる準備を各自がしておかないと。日が照っているうちはまだいいけど、屋外で何時間もじっとしているのでだんだん寒くなってくる。
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