
うどんをよいしょ、よいしょ、と食べていて忘れかかっていたけど、最後にボスキャラがいたんだった。
パイナップル。
何か実験的な試みを、と画策していて思いついたものだ。
シュラスコ料理のレストランに行くと、数多くの串焼き肉とともに「焼きパイナップル」が出てくる。ちょいとシナモンをかけたりなんかして食べると、なかなか乙なものだ。加熱されることで酸味が飛び、甘みがより一層強く感じられる。
これをパイナップル丸ごと一個でやったらどうなるだろう?・・・と考えたわけだ。
もちろん、パイナップルの皮は、恐竜の皮膚のように硬くてゴツゴツしている。なので、炭火の上に載せても、皮が燃えたり中身が崩れてしまうことはないはずだ。むしろ、中の果汁が閉じ込められ、旨みが凝縮するのではないか?というのが僕のひらめきだ。
高級食材で試す気はさすがにないけれど、パイナップルは1個まるごとでも400円程度。これなら、大丈夫。きっと。失敗しても大後悔はしないはずだ。
あと、所詮「パイナップルを加熱する」のだから、まずくなりようがない。・・・はずだ。

見ろ、我が軍は圧倒的じゃないか。
まだ大量に炭が残っている。さすが、3kgの炭を自宅から担ぎ込んできただけある。
火力あってこその実験・・・いや違った、調理なので、炭の多さに安ど感を覚える。この実験・・・じゃなかった、料理は必ずや成功するだろう。

まんべんなく火を通さないといけない。
時折パイナップルをぐるぐる回したりしつつ、パイナップルの上に炭をのっけたりもする。
さすがパイナップル、かなり丈夫だ。皮は黒く焦げるけど、燃えたりはしない。っして、葉っぱも頑丈で、こっちは焦げさえしない。

もう一つ忘れられていた存在があった。ああ、スーパーでの「かごの中に入れたもん勝ちグランプリ」で、ひっそりと投げ込まれていたもの。よもぎ団子。
これも炭火で炙る。

餅が熱でゆるくなってしまい、網に絡みつくというアクシデントがあったけど、なんとか救出できた。
食べてみたけど、とても甘かった。熱を加えたら、甘さが際立った。

ではこっちの加熱調理はどうだ。
一体、どれくらい加熱すればOKなのかがさっぱりわからない。誰も体験したことがないからだ。
パイナップルの皮の隙間から、プシプシと汁が吹き出る。中が煮えたぎっている証拠だ。そろそろ・・・だろうか?

このパイナップル、Doleの「スウィーティオ」という名前なのだな。

なんか見極めがつかないでグダグダと放置していたけど、さすがにやり過ぎな気がしてきた。
そろそろサルベージ。
まな板の上に載せられたのは、黒焦げのパイナップル。まんべんなく、真っ黒。

焼きパイナップルを割ってみたところ。
うーん?

みんなでシェアできるように、細かく包丁を入れる。
これで食べてみることにしたけど、すぐにみんな渋い顔をした。
「芯ですね、これは」
ああそうか、この切り方だと、パイナップルで普段は食べない芯の部分にかじりついてしまうことになるのか。
パインアメが何故ドーナツ型なのか。パイナップル缶詰がなぜドーナツ型なのか。それは、中の芯が食べられない場所だからだ。今我々は、嬉々としてとしてその芯の部分にかじりついてしまった、というわけだ。

これはいかん、ということで黒焦げの皮を、りんごの皮をむくようにむいて身の部分だけにする。
もうこうなるとまな板は焦げでドロドロだ。何がなんだかわけがわからなくなってしまった。
みんな、手を汚しつつも食べる。
確かに、甘みは強くなった気がする。しかし、せっかくの果汁が随分と蒸発してしまったようだ。「濃縮された」と言うにはちょっと無理があるくらい、何やら「パイナップルの繊維質を食べている感」がする。時計を見てみると、なんやかやで30分近く、ずっと炭火にくべていたことになる。明らかにやり過ぎた。
教訓。
「丸ごとパイナップル」は簡単だし、見た目が面白いのでイベントとしてやる価値はある。しかしその際に、
- パイナップルは生でも食べられるものなのだから、加熱はやりすぎないように。
- メロンを食べるときみたいに、芯はちゃんと取り除いてから提供しよう。
ということを忘れないように。

その後、みんなで後片付け。
最後、記念撮影をした時間は15時52分だった。いつもは公園終了時間に追い立てられながらの片付けなのに、今回は「夕焼け小焼け」のBGMが流れ始める前に撤収ができた。過去を知る人たちは、「信じられない」と驚いていた。
だって、この記念撮影の後ろに別のグループが写りこんでいるけど、この人たち、まだ焼きそばを食べているし。
「この時間に焼きそばか!すごいな、むしろ大食いだな」
とびっくりする。もちろん、のんびりと食事をとっていたのだろうけど、時間の経過とともに満腹中枢が刺激されてしまい、「もういいや・・・」という気分になってしまう。にもかかわらず、16時頃になって焼きそばをしこたま焼いているのだから、ナイス食欲としかいいようがない。
僕ら?僕らはもうおなかいっぱいっすわ。そりゃそうだ。

腹ごなしに、舎人公園を見て回る。
ちょうど舎人公園は桜が満開。いやー、この一週間後に「さくらまつり」があるというのに、その頃は完全に葉桜だろう。
舎人公園駅から離れたエリアは、のんびりとした空間になっていた。既に撤収した人も多いのだろうけど、隣同士を気にすることなく、ゆったりとピクニックを楽しんでいた。テントを広げている人もいる。
火気は使えないけれど、こういうところで弁当持参でのんびりするのも楽しいだろうな。

旧バーベキュー場にも行ってみた。昨年秋まで、この地にバーベキュー場があった。
跡地利用が何かされているかと思ったけど、何もなし。ただの木々が生えている空間だった。

バーベキュー場の受付と売店があった場所は、更地に戻されていた。
わざわざ更地にしなくても、と思うが、新バーベキュー場整備とセットで、原状回復の予算がついたのかもしれない。
なぜバーベキュー場が移転したのかはわからないけれど、僕らは「食べかすを狙ったカラスが大勢集まり、公園すぐ近くの住民から苦情が来たため」と推測している。本当かどうかはわからないけれど。で、今やそのカラスは行き場を失って雲散霧消だと思っていたのだが・・・めざとく、新バーベキュー場上空に飛来していた。カラスだって、しぶとい。
さて、そんなわけで春の風物詩・芋煮大会は終了。
次回は10月頃に野外炊事部(秋)、今度はバーベキュー編ということで開催します。何を焼くのか、今のうちから考えておかなくては。次はメロンでも焼こうか?
(この項おわり)
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