羊肉の会#04 アラジンと魔法の羊

アラジンメニュー

せっかくだからあれこれ食べたい一同、メニュー最後に「プレートコンビネーション」と書かれたページを見つけて大喜び。

一皿にいろいろ盛られた料理を、さらに組み合わせるという。こいつァいい、まずはここでベーシックな料理はあらかた絨毯爆撃できる。

ただ、一同首を捻ったのが、この組み合わせだ。

1+2、1+3、1+4

の3パターンしかメニューにない。

「1+2と、3+4っていうのがあればいいのにな」
「お店としては、『まずは1を食べて欲しい』ということなのかな」
「食べて欲しい、というか、食べろ、というか」

でも、たしかに1は魅力的だ。いや、魅力的というか、なんだかわけがわからねぇ。

キッペ、サンブーサク、ラカカットチーズ、ファタヤ・スピナッチ、ファラフェル

の盛り合わせ。「チーズ」という単語と、ファラフェルしかわからない。

ファラフェルだって結構マニアックな料理なので、知らない人は多いだろう。僕は以前ファラフェル食べ歩きをやったことがあるので知っている程度だ。そういえばあれ以来食べていないなぁ。

あわせて読みたい
ファラフェルという名の未知数 【短期集中食べ歩きマニアックス(その6)】 ファラフェル、という料理の名前を知ったのは、ある女性との会話だった。当時僕のお気に入りだったその女性は、毎朝早く起き...

1を二皿というのもいまいちなので、セットではなく単品でこのピレートがないかどうかほかを探したけど見つからない。この「2皿頼むと2,500円」メニュー用の独自の組み合わせらしい。

「じゃあ、この料理をバラバラに頼んでみたら?」

ということでページを繰ってみるが、頭が混乱してしまい全員途中でわけがわからなくなってしまった。

「サンブーサク、ってどれだ?」とか、「えっと、なんだっけさっきのメニュー名は」とか。なにしろ、名前が頭に全然入ってこない。なので、ページをめくっているうちに肝心の探している料理名を忘れてしまうのだった。

結局、面倒くさいから1+3を1つ、1+4を1つ頼むことにした。1が2皿になるけど、まあいいや。

意を決して店員さんを呼び、注文を告げる。まるで漫画の世界から出てきたような、胴回りが太いひげのアニキは、やたらと美声なバリトンボイスで「コレがダブルになる」という。うん、それはわかってる。「それよりもこれとコレ頼むとオーケー」とか言うので、僕らも適当に「オーケーオーケー」と言ってオーダーを通しちゃった。

「・・・で、結局どういうことだ?」
「さあ?」

あとになってみんなで意識合わせをしたけど、やっぱり誰もよくわかっていなかった。

「1が重複しちゃうので、重複しないようにしてやるぜ」
という意味のようにも聞こえたし、
「1はスゲーうまいから、二皿食べる価値はあるぜ」
という意味のようにも聞こえた。いや、
「1の皿に盛られている料理を、それぞれ僕らの人数(4人)にあわせて盛ってやるぜ」
と言ってたのかもしれん。なんだ、結局全然何もオーケーじゃなかった。

「というか、英語喋ったなあの人」
「驚いた。何人だよ」

後で聞いたら、イラン人だという。マジか。イランっぽくないぞ。
しかも、料理人はスリランカ人だかなんだか、中等料理とは違う出身国なのだそうだ(どこの国だったか、正確には忘れたけど)。もう、何がなんだかわからねぇ。

でも、だからたのしい。おっさん心理をくすぐるぜ、こういう不思議空間。
よくわからないものを、よくわからないまま頼む楽しさは飽食の時代となった21世紀ならではだ。

羊肉料理

で、届けられた「1」。

2~4がちゃんと料理名を授かっているのに、1には名前がない。

「あれ?3個ずつしかないぞ」

これは意外だった。メニュー写真だと2個ずつで料理が構成されているのに、3個ずつだったからだ。4個ずつなら、「ああ、2皿分を1皿に盛ったんだな」と納得だけど、えーと、これはまた一番中途半端な展開だな。そもそも僕ら、4人なのに。

しかも、メニューには5種類の料理が盛られているのに、これには3種類しかない。えっと、ややこしいな。

アラジン料理

なんか理由があってこういう構成になったわけで、そのときは納得したはずだ。でも、後日こうやって文章に書いている時は、すでにその理由というか事情を覚えていない。何でこうなったんだっけ。

ナンがテーブルにある。これを単品で頼んだわけじゃないから、ピレートのセットだったっけ。

アラジン料理

ライスも届いた。えーと、なんの料理との組み合わせだっけ。

料理

バーンとやってきた羊肉の盛り合わせ。

おそらく、手前がラムチョップに相当する「シシリック」で、奥が「ミケスカバブ」だったと思う。記憶曖昧。

付け合せの黄色いやつがまるでたくあんみたいなんだけど、食べてみたら確かにたくあんの味がした、とかトリッキーなことがいっぱい。もう、味がうまかったとか全然記憶に残っていない。とにかく驚きと発見の繰り返しで、スゲーたのしい。

ケバブ・カバブと呼ばれる料理は、おそらく「串焼き」という意味だと思う。で、このお店の場合バレカバブ、ジュジェカバブ、ガフガジカバブ・・・と何種類もある。なんのことだか、さっぱりわからない。

ワイン

イスラム教徒が多く住むエリアの料理だからお酒は扱っていない、というわけではない。それはそれ、これはこれ。我々の乾杯は生ビールだったし、ワインだって置いてある。

ワインはレバノン産だった。

レバノンは比較的お酒に関して寛容らしい。調べてみたら、レバノンは半分がイスラム教徒で、4割がキリスト教徒なんだそうだ。なるほど、だったらお酒があってもおかしくない。

お酒

透明な蒸留酒だけど、水を加えると白く濁るお酒。名前は忘れた。

もうね、完全に我々は浮足立っちゃって、料理とか覚えてないんよ。歳が近い男4人だったからか、わあわあきゃあきゃあ、料理を前にはしゃいでしまって、料理の味も名前も忘れた。

でも、それくらい楽しかったということだ。大のオトナをワクワクさせてやまない、そんなお店がアラジン。

バリトンボイスのアニキが、サービス、と言ってパンナコッタとコーヒーを持ってきてくれた。いろいろサプライズが有るお店だ。

レシート

お会計は4名で18,700円。一人5,000円いかない程度。お酒を飲んでこれなら安いと思う。デザートをサービスしてもらったし。

しかし、レシートには料理名が全くかかれておらず、結局僕らは何を食べたのか、後から思い出そうとしても思い出せない状態となった。

なんだか煙に巻かれたような感じのひとときだった。でも羊肉をたくさん食べたし、最高レベルにたのしいひとときだった。

(2019.11.18)

1 2

コメント

コメント一覧 (1件)

  • 全員が1個ずつ食べたはずですよね…。
    私も楽しかったという思い出しかなく、料理の記憶がありません。

コメントする

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください