うわあ・・・。
靴を脱いで、会場内に入る。靴は渡されたビニール袋に入れて持参する。そこに広がる景色は、まさにお花見一等地のそれだった。
すごいぞ、これ。
桜の枝が豊かに伸びている。まるで屋根のように、ぐいっと幹からせり出している。そしてその下に設けられたお花見席。もちろん座席指定されているので、場所取りの心配なんていらない。
「くっそう、この場所ならあのお金を払ってもやむなし、か」
と早くも白旗を揚げる。「お一人様5,500円」というのは、幹事の立場としては大変に心苦しいものだった。でも、この景色を見せられたら、文句のつけようがないだろうこの野郎どうだどうだ。
お花見宴会プラン会場の案内図。これだけの席が用意されている。オール土足禁止。
このなかで、「特別席」というのが6席あるのだが、そこだけは値段がさらに高い。より桜の木の下、という「お花見超一等地」が与えられるというわけだ。お花見の善し悪しも金次第ってこった。
指定された席に座る。ビニールのテーブルクロスが敷かれた長机と、座布団。おおよそお花見宴会とは思えない会場だ。そして机の上には、炭が赤々とおこっている炭と、カセットコンロに据え付けられた土鍋。土鍋?寒いでしょうから、鍋でもどうぞ、ということだろうか?焼肉と鍋、同時に食べるのって地味に絵経験がない。
テーブルクロスが机の側面に垂れ下がっている。それをめくってみたら・・・おお!本当にこたつだった!これがまだまだ寒い春先のお花見必勝兵器だ。これさえあれば、僕らは勝てる。毎年のように寒い思いをしなくて済む。これでようやく、今年は本来の趣旨である「花を愛でる」ことに集中できそうだ。
みんな、子供のように「うわぁぃ」と叫びながら、嬉しそうに足をこたつに突っ込んだ。
テーブル上にセットされていた料理。
使い捨てのプラ製トレイに盛りつけられた肉と野菜。質はさほど高くないけど、お花見なんだし料理にクオリティなんて求めていない。どうせ、焼きすぎて肉が焦げるとか、品質以前の問題が調理で発生するんだし。
鍋は、シメとしてのラーメンのようだ。野菜がいろいろ入っていて、これはこれで美味しそうではあった。後半、この鍋には酔っ払いどもの手によってバンバン生肉が追加投入され、肉のだし(+油分)がこってり溶け出した、くどいラーメンになった。
コメント