14時10分頃、また最初の鳥房に戻る。まだ、並んでいる客はゼロだった。15時開店まであと50分、さすがにまだ余裕はあったか。とはいえ、これから先はキルゾーン。余裕をかましてこれ以上そのあたりをぶらつくのは危険なので、おとなしく店の前で並んで待つことにした。
何の変哲もない入口のお店。唯一、「なんか違うぞ?」と思わせるのは、入口の脇に煙突が出ているということ。あ、飲食店なんだな、ということがわかる。あと、入口の引き戸に、「酔った方の入店はお断り申し上げます 店主」という張り紙がある。
さすがにこの頃になると、ぞろぞろとお客さんがやってきた。人気店の証、開店前の行列がここに。
そっけないお店なのに、お店が開く前から行列ができるというのだ。味に期待せずにはおれない。ただし、このお店のことを知っているたっぴぃさんによると、「店員のおばちゃんがぐいぐい料理をおすすめしてくるので、いらないものまでついつい頼んでしまわないように注意」なのだそうだ。この後ハシゴしようとしているわけだし、一軒目から食べすぎてはダメよ、というわけだ。
そんな鳥房だが、予定を15分前倒しして14時45分に開店した。もちろん我々は先頭でお店に入る。
お店は、たたきにあるカウンター席と、小上がりのお座敷席となっている。
狭い狭いとは聞いていたが、言うほど狭いようには感じない。机がいくつか、お座敷にある。確かに机同士の間隔は狭いようだが。
・・・と思ったら、狭い狭い!4人で座る机と思っていたところに、6名が座らなくてはいけなかった。いやもう、人一人が座布団1枚分のスペースすらないのですが。手ぶらで訪れているならともかく、かばんを持参しているのでその置き場に難儀する。あぐらをかいたその上に抱きかかえようかと思ったが、ひざを広げてのあぐらも難しい。
譲り合いの精神、を学ぶことができるお店。
このお店で、長っ尻して酔っ払うまで過ごすのはたぶん無理だ。落ち着かないったらありゃしない。ここはちゃっと飲んでとっとと帰る、というのが正解のようだ。酒を飲まないのなら、なおさら。
お店の壁に、位牌のようなお品書きの札を発見。黒地なんだからもっと明るい色で字を書けばいいのに。いや、もともと真っ白な字だったのが、長年の油やほこりで薄暗くなったのか?
メニューは卓上にはなく、この壁にあるものだけだ。つまり、シンプルなメニュー構成。
「若鳥唐揚」を筆頭に、鳥ぬた、鳥サラダ、鳥わさ、ぽんずさし、鳥からし味、鳥南蛮漬、お新香がメニューの全てとなる。
で、このお店の看板メニューである「若鳥唐揚」なのだが、札には「時価」と書かれていた。寿司などの海産物で時価表示は珍しくないが、鶏肉で時価というのは初めて見た。日によって仕入れ状況が大きく変わるのだろうか。
この店を知るたっぴぃさんとおやびんが、注文時に警戒する。「お店のおばちゃん、どんどん薦めてくるけど、それに乗ったらダメですからね?」と。
その警告を念頭に置きつつ、まずは若鳥唐揚を一人一つ注文。
値段だけど、600円-700円くらいだったような気がする。サイズによって何通りかあったと記憶しているが、正確な数字は覚えていない。
さて、ここはあくまでも飲み屋だ。ご飯モノはない。なので当然乾杯となる。まだ15時だろ、って?知ったことか。
写真はウーロン茶。200円。
こんな瓶の商品って存在するんだな。知らなかった。
昔、子供の頃、法事とか旅館に宿泊したとき、親がお酒を飲むときは子供にジュースがあてがわれたものだ。きまって、うっすい味の、瓶のオレンジジュースだった。子供たちにジュースをあてがうことで、大人は自分がお酒を飲むことを正当化していたのかもしれない。その当時は、ウーロン茶なんて世の中にあまり出回っていなかったっけ。
そんな子供時代のことを思い出した。
これ、お酒を頼んだ人用のお通し、だったと思う。
鳥皮と生姜を煮込んだもの。
こういう料理って、ご飯にもお酒にも合うよな。これだけでもお持ち帰りしたいくらいだ。
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