90センチの恵方巻

遠近法

遠近法が十分に通じる世界。

「キャプテン翼」で、ゴールポストが地平線の先にあって見えない・・・という絵に衝撃を受けた世代としては、シンパシーを感じる。巻き寿司が地平線の先まで続くような錯覚を覚える。

刺身のつまを並べる

「食べているうちに味が単調で飽きるかもしれない」

と思い立ち、はまちに添えられていた大根のツマも載せてみた。

しかしよく考えて欲しい、その大根のツマを薄く長く敷き詰めたら、やっぱり味が単調だ。食べても食べても同じ味。あんまり意味がないことをしてしまった。

とはいえ、そうでもしないとどうにもならない状況だった。・・・こりゃ、巻けないぞ、と。

案の定巻けない

案の定、巻けない。

「うお、これはホットドッグのような料理になってきたな」

海苔が巻けたのは下半分だけ。明らかに上半分はむき出しで、具がコンニチハしている。

まあ、これはこれで美味しいのではないか。具を眺めつつ食べる巻き寿司、というのも悪くない話だ。闇鍋よろしく、何が入っているかわからないまま丸かぶりするよりもいい。

「でもそれだと、巻き寿司ではないですよ」

カツが指摘をする。あ、なるほど、確かに「巻いて」はいないな。2月3日は恵方巻きを食べる日。なんだかわからない、海苔じゅうたんの上にご飯と具が乗っかった「謎の料理」を食べるというのはちょっと趣旨が違う。

ご飯増量

「海苔を追加しましょう」

とカツは言い、でもその前に、とご飯を追加した。今の状態で海苔を足しても、微妙にスカスカしてしまうからだ。

「うお、この期に及んで増量なのか」

海苔だけではおわらず、ご飯が増えるとは。こりゃあ随分食べ応えがありそうだ。

海苔を足す

結局、ご飯を増量したのち海苔を巻いたら、きっちり海苔の量が倍必要だった。当たり前だけど。トータル海苔枚数は10枚。

新聞で巻く

最後、新聞紙を使ってごろんと海苔巻きを回し、筒状に整形する。

しっかりと固めないと、手にした瞬間にべりっ、ずどんと巻き寿司が崩壊する可能性がある。「海苔はパリッとしていると美味いよねえ」なんて言ってられない。エイエイとかけ声をかけながら、「これでもか」と押しつぶす。そう、「巻く」なんて悠長なことは言ってらんねぇ。もう、押しつぶす、としか言いようがない。

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