105分の遠洋航海【東京湾納涼船】

戦利品

結局、我々が陣取ったのはCデッキ船尾の「手すり」だった。

手すり、といっても、船のへりではなくちょっと奥まったところにある手すりだ。

船尾の施設

こんな装備が船尾にはついているので、客用の手すりは随分奥まっている。

折角のクルージングなのだから、船から身を乗り出すようにしながら「ウワア!見て!レインボーブリッジが迫ってきたよ!」なんてやりたいものだ。しかし集中豪雨とも呼べるようなものすごい雨のため、とてもじゃないけどそんなマネはできなかった。ひさしの下、かなり奥まったところまで退却していないと雨が吹き込んでしまう。

遮るものが何一つない海の上なので、しかたがないことだ。

というわけで、メカ好きにはたまらない光景を愛でつつ、納涼船っぽくはないけどひとまず乾杯。

フードチケットで買ってきた食べ物を手すりの上に器用にのせつつ、食べる。なんとも食べにくい。5人がずらっと横に並んでいるので、料理を取るにしても不自由さは否めない。その結果、食費があまりかからなくて済んだとも言えるのだけど。

やはり、箸で食べる料理というのは食べにくかった。手でつまめる揚げ物が最強だ。

「箸で『あーん』してもらえばいいじゃない」だって?バカいえ、そんな仲間と違う。職場の課長様とか課長代理様たちと今日は一緒なんだから。若い女性もいたけど、そんなことをお願いした時点でセクハラ認定されてしまう。

排水溝じゃばじゃば
霧のレインボーブリッジ

とにかく雨がすごい。竹芝に到着した時点では雨がほとんど降っていなかったのに、乗船と同時にとんでもないことになってきた。デッキ端の通路には排水溝があるのだけど、まるで水道管のバルブをひねったかのように大量の水が吐き出されていた。

竹芝桟橋からレインボーブリッジは目と鼻の先なのに、すっかり霧で煙ってしまて遠くに見える。

勝ちどき方面

ちなみにこうやって身を乗り出して撮影して、後で後悔した。あっという間にずぶ濡れだ。

竹芝の対岸、勝ちどき方面を眺めたところ。ここ最近、晴海や勝ちどき界隈にはタワーマンションが林立し、しかもそれが非常に高い値段で売買されている。晴海なんて昔は陸の孤島だったし、今でもさほど状況が変わっているようには思えないのだけど、時代は変わる。僕だったらあのエリアに1億円とか払って住みたいとは思わない。・・・あ、それ以前にそんな資金力がないか。

屋形船

船は定刻どおり出航。さてここから1時間45分のクルージングだ。クルージングといっても、これだけ強い雨で霧煙る状況では景色を眺められる余裕なんてほとんどない。船のへりにいることだけでも、雨に晒されるのだから。

あと、巨大な客船だし、波が穏やかな湾内ということもあって、揺れはほとんどない。「おお、揺れるねえハハハ」「単に酔っ払ってるだけじゃないですか?」みたいな会話は、この納涼船においてはあり得ない。

そんな納涼船の傍ら、屋形船が隅田川を勇ましく下ってきてそのまま追い抜いていった。恐らく、浅草や蔵前あたりから出発して、お台場界隈で停泊するのだろう。

屋形船は大人が直立不動になって立つと屋根に頭がつかえるくらいの低い船だ。一方こちらはかなりの巨大船。うっかり存在を見落として衝突したら大惨事なので、お互い気をつけないといけない。

竹芝

船はそろりそろりと岸から離れていく。

こちらは竹芝桟橋側。クルーズ客船の「ヴァンテアン」が係留されている。

僕は最初、「納涼船」の話を聞いたとき、てっきりこの船のことだとおもっていた。えー、ヴァンテアンってかなりお高いはずだぞ、ディナークルーズだと9,000円するぞ、と。しかしふたを開けてみたら、さるびあ丸で2,100円なんだからびっくりですよもう。

でも、何かのお祝いなんぞでこのヴァンテアンでレストランクルーズ、っていうのもいいかもしれない。途中入場/途中退席は許されない密室空間。

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