麻辣民俗に、なろう。老四川を舐め尽くせ

鳥の甘・辛・香等の和え物

コース料理のセオリーを完全に無視した順番でお皿は次々とやってくる。前菜は「箸休め」のようなものだ。

次に出てきたのは「怪味鶏(辛口)」。和名は「鳥の甘・辛・香等の和え物」。要するにバンバンジーの事だ。・・・いや、正確には違うのかもしれないが、少なくとも二卵性双生児くらいの関係にはあるに違いない。

料理を見ると、一般的に見かけるバンバンジー(割いた鶏肉と、細切りにしたキュウリ)とは違う。鶏肉は太めだし、キュウリはスライスされている。なるほど、たしかにバンバンジー(棒々鶏)とは違うかもしれない。

それにしても怪しい味の鶏、というのは一体どういうネーミングか。「甘・辛・香『等』」と和名表記されているところからして、複雑怪奇な味わいになっているから「怪味鶏」なんだろう。「等」がつくところがポイント。

味はなるほど、甘い・酸っぱい・辛いで、怪しくはなかったと思う。

イカとブロッコリーの唐納豆炒め

藍花尤魚。イカとブロッコリーの唐納豆炒め。

四川は山奥に位置する。日本で言う山奥なんかとは桁違いの山奥だ。そんなところの料理なのにイカが出てくるのだから不思議。エビチリも不思議だけど。冷蔵技術が発達してから誕生した新・四川料理なのだろうか。それとも、これは単なる「中華料理」なのだろうか。

そもそも、ブロッコリーは地中海原産の野菜。四川にもたらされたのは随分近年になってからだと思うのだが、どうか。

ああもう、そういう事を考え出したら何が四川料理なんだかわからなくなってきた。もうどうでもいいや。

日本人だって、「カレーとラーメンは国民食」なんて言ってるくらいだからな、「○○料理」なんてのは解釈が幅広くてもおかしくない。

唐納豆とはまた微妙に怪しい納豆だが、恐らく豆鼓(トウチ)の事だと思う。唐納豆は別名大徳寺納豆。さすがに「イカとブロッコリーの大徳寺納豆炒め」というネーミングだったら四川料理っぽくないな。ヌーベル京懐石って感じ。

マーボ春雨

麻婆粉絲(辛口)。おなじみマーボ春雨だ。「麻婆」とネーミングがつくとああ四川だな、と大変に分かりやすい。

しかし、マーボ春雨で連想してしまうのはどうしてもCMの影響で和田アキ子。インパクトありすぎ。

私生活を思い起こせば、マーボ春雨なんかを食べるのは決まって自宅で、しかも「永谷園のマーボ春雨」と相場が決まっていた。追加の具材が不要で、フライパンと水だけでできるお手頃さ。逆に、永谷園の味以外、知らない。そういう日本人って多いんじゃなかろうか。

永谷園以外のマーボ春雨との邂逅。いや、美味かったです。やっぱりインスタントものとちゃんとしたお店のものとは違うな、当然だけど。

牛肉・豆腐・玉子の白身スープ

西湖牛肉羹。牛肉・豆腐・玉子の白身スープ、という和名がついている。羊羹(ようかん)の「羹(かん)」の字が使われているので、煮こごり状のものが・・・いや、それはスープとはいわん。どうやら、とろみがついている状態を「羹」と形容しているようだ。

別にこれは四川料理ではなく、一般的な中国料理だと思う。広東料理店でも見たことがあるぞ。「西湖」といっても、富士五湖の西湖じゃないぞ。

僕が以前別の店で見たことがある同名の料理は、「溶き玉子スープ」然ではなく、緑色だった。香草どっちゃり。香草スキーにはたまらんスープだ。しかし、このお店の料理は香草はゼロ。かわりに彩り程度のニラ。まあ、日本において「みそ汁」という料理に入れる具は家庭の数だけ違いがあるのと同じで、同名の料理だからといって同じものがでてくるわけではないのだろう。あと、多分日本人のかなりの人が香草を苦手としているので、敢えて料理に入れないようにしたのかもしれない。

スープを取り分ける

中国料理における「スープ」だから、当然大きな器で出てくる。各人の小椀に取り分けることを前提とした量だ。

「自分で注文したものを自分で食べる」という当初ルール通りで運用せず、「来た料理は皆で仲良く取り分ける」になっちゃって良かったと思った瞬間。このスープ一皿飲んだだけでおなかいっぱいになるに違いない。塩分摂りすぎだし。

エビと唐辛子・山椒の炒め

スープを飲んで一息ついているところに、今度は土鍋がやってきた。中を見たらちゃんこがぐつぐつと・・・となっていたら度肝を抜かれるが、さすがにそんなことはない。それどころか汁物でもなかった。

干鍋蝦(辛口)。エビと唐辛子・山椒の炒め。

なぜ鍋に入れて出す必然性があるのか全くわからないのだが、メニューの中国名を見ると「鍋」の文字があるのね。ということは、この料理は鍋に入れて供されるのが当然、ということなのだろう。

鍋=汁物、といのが定番だけど、この料理は汁っ気ないですよーということで「干した」鍋、ということなんだろうな。

細切りしたジャガイモ、ピーマン、えび、そして大量の唐辛子。おっとわすれてはいけない、花椒が粒でちりばめられているぞ。ビール飲みにはたまらない一品だと思う。ただし、全体の容積の半分近くを唐辛子が占めているので、普通の人は唐辛子を避けつつ慎重に食べないと耐えられないと思うが。

桂花陳酒と杏露酒

ドリンクが切れたので追加注文。誰が頼んだか忘れちゃったのだが、桂花陳酒と杏露酒がやってきた。

なぜグラスに「ヘネシー」(コニャックの銘柄)と書かれているのか、謎。四川料理店にコニャックって似合わないなあ。恐らく、開店時に食器類をそろえる際、「家に余った景品のグラスがあるからそれも使おう」って持ってきたんだろうな。

桂花陳酒、杏露酒共にショット、ロック、ソーダ割り、キープという派生形がメニューにはある。しかし、前述のとおり「何か一つを選択すれば、そのドリンクは制覇したことと見なす」と定義されているので、ここは妥当にロックで。

さすがにこれは料理のように「みんなでシェア」などはしなかった。回し飲みするまでもない。

トマトと卵の炒め

次にやってきたのは細長いお皿。藩茄炒鶏蛋(トマトと卵の炒め)だ。細長いお皿に盛られてきたのは、特に深い意味はなさそうだ。次回同じ料理を頼んだら、他の料理と同じ丸皿で出てくるかもしれない。

こうやってメニューの日本語名と中国語名を並べると、中国語の勉強になりますな。はい、藩茄、とはトマトの事だということを今日一つ知識として身につけましたね。ここテストには出ないけど家帰って復習しておくこと。

見た目はなんだか西洋料理っぽい。緑の彩りを添えている薬味も青ネギで、香草を使っているわけではない。これが中華?という印象を受ける。

しかし、案外中国ではトマトも使われているようだ。町中にあるごく普通のとっつあんがやってる中華料理店ではトマト料理はまずお目にかからないが、厨房から中国語が聞こえてくるようなお店だと案外トマトを使ったメニューがあったりする。この料理もそうだし、あとスープにしたりもする。牛肉麺の中に入っていることもある。

参加者の中には辛いモノは不得手、という人もいたのだが、さすがにこれなら安心。お子様でも食べられる。間違って子連れでこのお店に来た場合、子供にはこの料理を食べさせておけばまず間違いはあるまい。

おぼろ豆腐と牛肉の激辛煮

豆花牛肉(辛口)。この中国名だけ見ると穏やかな料理のように感じられるのだが、日本名は「おぼろ豆腐と牛肉の激辛煮」ときたもんだ。「ピリ辛」ではなく「激辛」と宣言している。要注意。

・・・要注意、っていっても中国名だけでオーダーを決める日本人なんているわけないので、うっかり間違って注文、ということはないと思うが。

紛らわしいのは、台湾で人気のスイーツで「豆花(トウファ)」というものがあるからだ。杏仁豆腐みたいなもので、乱暴な言い方をすれば豆乳を寒天で固めて甘くしたものだ(実際はもっと複雑なんだろうが)。この豆花に季節のフルーツを混ぜていただくととてもおいしいそうで。

そういう予備知識があってこの料理名を見ると、「フルーツの代わりに牛肉がトッピングされたデザート?」となってしまう。とんでもない。スイーツどころかベリーホットだ。

料理自体は麻婆豆腐の遠い親戚、といったところか。

えのきとキュウリの和え物

激辛パンチを一同にくらわせているそのそばから、今更感漂う前菜が登場。金針菇拌黄瓜。えのきとキュウリの和え物、だ。

えのきもキュウリも日本ではなじみ深い料理だが、こうやって和え物にするという発想は無かった。ちょっと新鮮。えのきって、鍋に出てくる名脇役の印象が強い。

ただその名脇役のえのきだが、中国語名で「金針」という非常にありがたいネーミングがされている。大げさだなあ。針といっても、先が丸くて刺さらない針だな。

もやしの方がもっと「金針」っぽいんじゃないかと思って、後日「エキサイト翻訳」のサイトで「もやし」を中国語変換してみた。すると、「燃●(機種依存文字につき表示できない)」だって。違う違う、燃えちゃダメだ。

結局、調べた結果「もやし」は中国語で「豆芽」ということが判明。なんだ、つまらん。普通すぎる。「金の針」は大げさとしても、「白い針」くらいの名前はあげてもいいのにね。まあ、「豆の芽」がもやしなんだから当然なネーミングで、今更僕があれこれ言う立場じゃないですけど。

きっと、「えのき」が中国にもたらされた時、それを見た人はネーミングに苦慮したんだろうな。なんじゃこの不健康そうなキノコは!?と。で、せっかくだから縁起の良い名前にしちゃおうということで「金針」という名を授けたんだろう。

フカヒレ玉子焼き

また黄色い料理が来たよ、と思ったら魚翅蛋餅。フカヒレ玉子焼きだ。全般的に赤茶色な料理が多いので、鮮やかな黄色は一服の清涼剤だ。さすがに辛いモノ好きのおかでんであっても、玉子を見るとついついほほえんでしまう。これはなぜだろう。

多分、玉子は生命の源となる栄養素が全て含まれている食品だから、本能的に欲してしまうんだろう。ハンバーグに目玉焼きが載っていたら、「おお、すげぇ!」と思わずうれしくなってしまう人は全人口の90%くらいを占めているんじゃなかろうか。

以前、「どっちの料理ショー」というTV番組があった。

関口宏と三宅裕司との2班に分かれ、毎回、似通っているがゆえに選択に迷う料理を贅をつくした素材で用意する。どちらの料理にするかをパネリストに選択させるのであるが、選択した人数が多い側のみが食べることができるため、双方の班、パネリストの駆け引きも見られる。

(wikipedia「どっちの料理ショー」より引用)

この番組で理不尽だなあ、と思ったのは、料理の仕上げという一番パネリストにプレゼン効果があるところで、頻繁に「この料理の上に半熟玉子を載せます」とか「目玉焼きを載せます」という手法を使っていたこと。いや、それ自体は理不尽でもなんでもないのだが、玉子が出てきた瞬間のパネリストの大喜びっぷりといったらなかった。玉子の有無でジャッジメントがひっくり返った回も結構あるんじゃないか。

要するに、それくらい人間は(日本人は?)玉子が好きだ、ということだ。

それはともかく、フカヒレ玉子焼き。フカヒレを使うというぜいたくな料理ではある。しかし、フカヒレってそれそのものには味はない。フカヒレスープは上湯スープの善し悪しで決まるものであって、フカヒレは「ワオ、ぜいたく」と驚き感動するツールにしかすぎない。そんなフカヒレが玉子焼きに入ってしまうと、あんまりにもインパクトが無くて泣けた。

ネリヤカナヤ

飲み物を追加注文しよう、ということになってメニューを見ていて大変な事に気がついた。

焼酎がなぜか豊富にラインナップされていたので、では焼酎に着手しようではないか、ということになった。しかし、よく見るとボトル売りになっていたので仰天した。ハウスワインよろしく、無銘柄の焼酎はロックや水割りといったグラス売りがある。しかし、銘柄がはっきりしている焼酎、全9種類は全部ボトル売りなのだった。

そうかあ、ボトルかぁ。

まあ、イタリア料理店とかフランス料理店に行ってワイン頼む時も、ボトルだったりするもんな。中華料理店で焼酎をボトルでもおかしくないよな・・・って、ホントにそうか?

ここにきてさすがに焦った。料理のメニュー制覇は順調にこなせそうだが、焼酎のボトルが高いハードルになりそうな予感。酔っ払ってへろへろになるぞ。

多分、この「全メニュー制覇」企画で最後まで残るのは焼酎になるんだろうな、という確信がここで芽生えた。お酒がラスボスかぁ。これは想像していなかったな。

とりあえず躊躇していてもはじまらない。1本頼むことにした。名前が面白かったので「ネリヤカナヤ」という焼酎を。飲んでみたら黒糖焼酎だった。奄美大島産。奄美大島の方言で、「海の彼方の楽園」という意味らしい。ああ、沖縄でいうところの「ニライカナイ」と同じだ。なるほど。

まさか黒糖焼酎で四川料理を食べることになるとは思わなかった。それにしても度数25度なので、なかなか残量が減らないぞこれは。

辛いチャーハン

このお店には裏メニューがあるかもしれない。何しろ、中華料理の技法は複雑で、一つの食材であらゆるバリエーションの料理を作ることができる。1,000種類は余裕で作れる、と豪語するシェフもいるくらいだ。

店員さんに聞いてみたところ、「辛いチャーハンがある」ということだった。なるほど、メニューには「チャーハン」と「四川風高菜チャーハン」は存在するが、「辛いチャーハン」は存在していない。有り難くそいつもオーダーする。

「メニュー記載の料理を全て食べ尽くす」のが企画主旨なので、裏メニューを食べてもプラスにはならない。でも、せっかくなので厨房にあるもの洗いざらい全部出して貰おう、ということだ。

出てきたチャーハンは、確かに色が普通のチャーハンと違っていた。赤っぽい、というか茶色っぽい。粉末の唐辛子を入れて鍋をあおったものと思われる。うん、美味なり。

ピリ辛スープ

またスープがやってきた。チャーハン食べている時なのでちょうど最適。酸辣湯(辛口)。「ピリ辛スープ」と和訳されているが、日本でもある程度市民権を得ている料理なので「サンラータン」とそのまま書いても良いと思う。

・・・あれ?でも、「サンラータン」と呼んでいたり、「スーラータン」と呼んでいたり、読み方に統一性がないぞ、この料理。ということはまだ市民権を得ていないのかもしれない。

本場ではどっちの読み方が正しいんだろう。

二鍋頭

ネリヤカナヤと並行して、もう一つオーダーしていたお酒が到着。「二鍋頭」。そんなお酒、しらん。日本の地酒なのか、それとも中国の酒なのかすらわからない。読み方さえわからない。

メニューには「キープ」の記載(要するにボトル売りであるという意)と料金しか記されていなかったが、店員さんによるとショットでの提供もできるとのこと。有り難くショットでオーダーさせてもらった。

出てきたグラスは、ごく小さなものだった。そこに透明な液体が入っている。おっと、これは・・・白酒(バイジュウ)だな。ショットで良かった。白酒、度数が50度を超えるキツい蒸留酒なのでボトルなんかでオーダーしたら全員へろへろだ。しかも飲みきれずボトルキープになって、次回開催時もまた同様にへろへろにされる。

二鍋頭のグラスを二人で持って

二鍋頭のグラスを二人で持って、同時に飲んでいるようなポーズを取るしぶちょおとクレイジーピエロ氏。ニライカナイのボトルのせいでいい感じで酔っ払ってきたようだ。ただししぶちょおは一滴も酒を飲んでないが。

ただでさえ体格が良い二人に加えて小さなグラスだ。写真にはこれっぽっちもグラスが写ってはいない。その結果、「場違いなお店で手を繋いでいる公然猥褻カップル」の図式に。

赤裸々

・・・で、その光景を冷静に写真撮影しているみづいさん。どんな気持ちでアングルを決めてシャッターを押したのだろうか。

ちなみにこの二鍋頭、調べてみました。北京を中心に良く飲まれるお酒で、度数は56度。紅コーリャンを蒸留して作ったものらしい。チョコレートボンボンで気分を悪くするしぶちょおなので、こんなお酒間違って手が滑って一口でも飲んだら、丸一日ぶったおれているだろうな。

白酒の脅威はよく分かっているので、おかでんは一口味見程度に留めておきあとはクレイジーピエロ氏に任せた。なぜか?

以前、おかでんの所属する会社では、御用納めの日には必ず部署ごとに会議室などで宴会を開いていたものだ。その日だけは16時半から一席設ける事が全社的に公認されていた。で、宴会をやっていると本部長だとか労働組合の分会長なんかが「どーも今年もお疲れでした」とあいさつ回りにやってきたりする。

会議室での宴席なので、当然酒及び肴は近隣から調達したり家から持ち込んだりする。新潟に実家がある人は、毎年越乃寒梅と八海山を持ってきてくれて大変感謝されたものだ。そんな中、なぜか毎年「茅台酒(マオタイ酒)」というお酒が卓上に登って人々を恐れさせた。このお酒も中国の白酒で、原材料はコーリャン。二鍋頭と一緒。ただ、その度数は65度で、しゃれにならんくらいキツい。氷なんぞ気の利いたものは会議室にないので、紙コップに入れたストレートを飲むしかなかった。これ、当然若手の役割。毎年、御用納めの日は「途中で行方不明になった」「気がついたら翌日の朝、応接室のソファで目が覚めた」「トイレにこもったまま○○君が出てこなくなりました」なんて事件が続出し、なんとも締まらない一年の締めくくりとなるのが年末行事だったものだ。

話脱線ついでに補足すると、65度のアルコールを紙コップに入れると、コップが溶ける。はっ水させるためのコーティングがアルコールでダメになってしまうようだ。恐るべき度数だ。

・・・という過去の経緯があるので、二鍋頭には乗り気でなかった次第。それにしても北京の人はよくこんなきついお酒を飲むなあ。驚く。「日本人は欧米人と比べてアルコール分解酵素生成能力が少ない遺伝子を持っている」と聞くが、北京界隈の民族(漢民族?)は違うのだろうか。

白菜のピリ辛炒め・酢風味

次にやってきた料理は酢辣白菜(辛口)。白菜のピリ辛炒め・酢風味という和名。「酢風味」というネーミングがなんかちょっと馴染みのない表現で不思議。

辣白菜(ラーバーツァイ)という料理は知っていたし好きだ。でも、この辣白菜はもともと酢が入っている料理。料理名にさらに「酢」がつくということはスゲー酸っぱいぞ、という宣戦布告かと思ったが、別にそういうわけではなかった。

おかでんが知っていた辣白菜は酸っぱい白菜の漬け物、といった風情だが、こちらは炒め物。ピーマンやニンジンといった彩り野菜も入った辣白菜とは別物の一品だった。

酸辣小麺

酸辣小麺(辛口)。ここで初めて麺料理が出てきた。

このお店は香草を一切使わない主義らしく、上に載っている薬味はネギだった。

あ、今気付いたが、ここまでの3品、連続で料理名に「酢辣」がついている!

酸っぱいモノでも食べて箸休めしんさい、ということだろうか。「酸辣」というジャンルでまとめて料理を作った方が効率がよろしかった・・・というわけではないと思うが。同じ「酢辣」と名が付く料理でも、調理方法も食材も全然違う。

藩茄蛋湯

またスープがやってきた。藩茄蛋湯。さあさっきのお勉強の復習ですね、「藩茄」はトマトの意味。

さきほど出てきた藩茄炒鶏蛋をそのまんまスープにしました、という料理だ。

だったら藩茄炒鶏蛋とこの料理、同時に作って供すれば楽なのに、と思う。しかしそれだとあまりに芸が無いと厨房側では考えたのだろう。数品、間をあけてからスープを出すという憎い演出。

バナナーの揚げ物

次に出てきたのはなにやら丸いもの。遠目では胡麻団子かと思ったが、これはバナナだった。バナナーの揚げ物、香炸香蕉球(甘口)。

デザートきちゃったよオイ、と思ったが、メニューのジャンルとしてはデザートに属さず、「玉子・豆腐・野菜」に属していた。バナナも野菜扱いらしい。

1 2 3

コメント

コメントする

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください