麻辣民俗に、なろう。老四川を舐め尽くせ

りんごの揚げ物

バナナで強制クールダウンとなったその次には、なにやらイカリングフライのようなものが。香炸苹果環(甘口)、要するにりんごの揚げ物だ。当然甘い。メニュー上では「野菜」のジャンルに入れられているが、これはデザートだ。

厨房では、大量に入ってきたオーダーにびっくり仰天しつつも、ちゃんと料理を出す順番を考えてくれていたようだ。デザートに相当するものを終盤畳み込んできた。気が利いたお店だ。

しかし、せっかくのお店のご厚意ではあったのだが、既にわれわれはニライカナイと二鍋頭他のお酒でいい感じ以上(即ちニアリーイコール悪い感じ)に仕上がりつつあった。調子にのって追加オーダーだ。「飲み会の後のラーメンはうまい」というのと同じで、これまでが一次会だとすればそのまま引き続いて同じ店で二次会開催、といった流れになってしまった。でも、「ラーメンでも食うか」ではなく、相変わらず四川料理を頼み続けているのだが。

しばしタイムラグができ、テーブルの上から料理が無くなったので歓談タイム。とはいっても酔っぱらいの記念撮影大会だった。

写真下はゴルファー氏。途中で駆けつけてくださったので、一番最初に全員に配布されたオーダー表は与えられなかった。なぜなら、中途オーダーはもうぐちゃぐちゃになっており、「誰が頼んだか」というのは関係なくなっているからだ。

こうなると、割り勘勝ちする人と割り勘負けする人が出てきてしまう。食べ物はほぼ均等に全員に配分されたとして不公平感はないが、お酒を飲んだ量の多寡で相当のギャップが出る。その点おかでんとクレイジーピエロ氏は有利だった。当然最後のお支払いでは傾斜配分をつけたが、次回はより一層公平に負担配分しないといけないだろう。

今更ながらサワー

記念撮影なんぞしまくってわあわあやっていたところに店員さんが次の品を運んできた。

さあ料理だ・・・と思ったら、サワーの入ったグラス。既に酔っている人間に火に油を注ぐ形になってしまった。

左からチューハイレモンサワー、チューハイライムサワー、ウーロンハイ。誰だ、3種類も頼んだやつは。

豚タン・ヤサキ・牛のはちのす・四川風味ソース掛け

食べるものが無い状態で燃料投下し続けるとさすがにやばいのだが、しばらくして追加オーダーした次の一皿がやってきた。

夫妻肺片(辛口)。豚タン・ヤサキ・牛のはちのす・四川風味ソース掛け。

四川ではポピュラーな前菜らしい。食肉加工場で捨てられていた内臓肉を夫婦が拾い、それを料理にして売り出したら大当たりしたという逸話がある料理。だから最初は「夫妻廃片」というニックネームだったらしいのだが、さすがに「廃」は良い印象が無いので「肺」に置き換えたとか。でも実際には肺は料理内に入っていない。

ヤサキ、というのは聞き慣れないネーミングだ。食べてみたが・・・分からなかった。

後でネットで調べてみたら、心臓の事だった。ハツ、ココロと呼ばれている部位だ。ああ、焼き鳥でおなじみですね。「ヤサキ」というキーワードでgoogle検索をかけてみると、広島に関連したサイトが比較的多くヒットした。ひょっとしたら広島界隈の方言なのかもしれない。広島といえば、「砂肝」の事を「砂ずり」と呼ぶし、内臓肉は案外地方性のあるネーミングをとる。

というわけで、「前菜」を食べて第二ラウンド仕切り直し。さあ食べるぞぉ。

・・・もういい加減やめとこうや。

鶏肉と唐辛子・山椒の炒め

とはいっても次にやってきたのがこれだもんなあ、辣仔鶏(辛口)。鶏肉と唐辛子・山椒の炒め。おかでんにとっては一番好きと言っても良い四川料理だ。

その名の通り、サイコロ大に小さくした鶏肉を揚げたものと、唐辛子と、花椒を炒めたもの。このお店の場合、「辛さ緩衝材」としてなのだろう、スナックのようなものも一緒に炒められていた。これを食べればしばし口腔内のホットさが和らぐ。

盛りつけられた料理のうち、容積の3/5は唐辛子で占められている。ぱっと見たら、単なる唐辛子炒めだ。よく見ると、唐辛子の隙間にちらりと鶏肉が見える。

一般的には、唐辛子を避けつつ、唐辛子風味がついた鶏肉だけを食べるようだ。本場の食べ方はどうなのか知らないが、日本ではそうやって食べている人がほとんどだと思う。しかし、辛いモノ好き、しかもビール好きにとってはこの炒められてぱりぱりになった唐辛子がうまいんだなもう。過去何度も酔った勢いで唐辛子ばかりを食べ過ぎてしまい、翌日おなかを壊しているのだが相変わらずやめられない。辛いモノは依存性があるな。止めよう、と思っても止められない。しかも酔っている状態だし。

ひととおり各自が「鶏肉だけ」をつまんだところで、なんだか「辛いもの我慢選手権」みたいなのが始まってしまった。おかでんとクレイジーピエロ氏が、残された唐辛子の山をばりばり食べていく。

その時の様子を動画で撮影してある。動画そのものを公開しても良いのだが、あんまり見て楽しいものでもないので、語録を抜粋すると

「うーん・・・。香ばしい」
「オウ、ジュテームって感じだね」
「アムールの国へようこそ」
「(あまりの辛さにぴたりと食べ進める動きが止まった時に)ダメですよ?これ動画ですからね?ベストショットなんて無いですからね、動画である限りは録り続けますからね」「脳内麻薬出ている感じで?」
「ホントそう、ホントそう。これ、エクスタシーだと思うなあ。ああ、いいなあ、いいなあ!」

何がなんだか。

でも重要なのは、バツゲーム的に唐辛子を強制的に食べさせられているという状況ではなく、好んで最後まで食べ尽くしたということだ。食べた本人は大満足なのだった。普通の食生活を送っている人だったら、確実にバツゲーム扱いだ。

麻婆丼

追加料理オーダーもこれで最後の一品。締めにふさわしい麻婆丼がやってきた。

メニューには麻婆豆腐が「(辛口)」と記されているのに対し、この麻婆丼には何も記されていない。ひょっとして丼ものと単品では辛味に差を付けているのだろうか・・・

そんなわけはなかった。普通の麻婆豆腐がご飯に載っている状態だった。

多分ご飯と一緒に食べる事で辛さは和らぐデショ、ということで「辛口」扱いを解除にしたんだと思う。

ご飯ものはオレに任せろ

ご飯ものはオレに任せろ、ということでしぶちょおががっつりと食べる。

酒飲みたちは麦のお酒、米、もち米のお酒、黒糖のお酒、コーリャンのお酒などで炭水化物を摂取してきたが(中には蒸留しているものもあるが)、酒が飲めないしぶちょおは炭水化物摂取量が極端に少ない。ここで一気に挽回だ。

10年陳酒の紹興酒

でも酒飲み軍団も後追い。

もうテーブル上には何も料理がないのに、10年陳酒の紹興酒をオーダーしちまった。

10年になるとボトルではなく甕に入って出てくるのね。

せっかくだから飲み干したら記念にこの甕を持って帰ろう・・・という気にはならんなあ。横川の「峠の釜飯」はあの一合釜を持ち帰る人が多い。何かに使えるんじゃないかと思うからだ。実際は何にも使えず捨てられる運命だが。しかし、この紹興酒の甕の場合、何かに使える気さえしない。一輪挿しにでもするか?いやー、やっぱりいらんわ。

今日何度目になるかわからない乾杯

今日何度目になるかわからない乾杯を、さんざん料理を食べた後にもかかわらず行う。しかも紹興酒、これで3年陳、5年陳、10年陳と3種類全制覇だ。

酔っ払って味覚が狂ってくるに従って年次の高い、高級紹興酒に手を染めていくんだからもったいない話だ。こうなるんだったら、まだしらふである最初に一番いい紹興酒を飲んでおくべきだった。

ちなみにこの10年陳、お値段は3,150円。会がそろそろ締めのムードになってきている時に頼むものじゃあないな。

ネリヤカナヤの代表杜氏

そんなわれわれの様子を、黒糖焼酎ネリヤカナヤの代表杜氏「渡悦美」さんがじーっと見ていた。何かモノ言いたそうな顔をして。

オーダー表

単なる飲み会になり下がりかかっていたが、最後は我に返って、全員の「オーダー表」を回収して総合集計。おお、結構イイ感じに攻略はすすんでおるぞ諸君。

公式メニュー外である「辛いチャーハン」も入れると、たった1回で41品(飲み物含む)も胃袋に納めた計算になる。さい先いいぜ。

でも、こりゃあ値段が相当行ってるぞ・・・。なにしろ、焼酎とか紹興酒をボトルであけてるし、単価が決して安いわけではない料理をばんばん頼んでいるわけだから。

伝票

気になる伝票。

真っ白な部分が多い伝票なので「あれ、書き漏れ?」と一瞬思ったのだが、二枚重ねになっていた。下の1枚にはオーダーがびっしり。そりゃそうだ、ちゃんとわれわれのテーブルに料理が運ばれ、そして胃袋の中に収まっちゃったんだから伝票漏れということはあるまい。

お値段は、しめて35,720円なり。

41品という品数を考えれば、思ったより安く済んだなという印象。

お店の前で記念撮影

最後、お店の前で記念撮影でお開きとなった。

第一回目はとりあえず幸先良く切り出せたんじゃないだろうか。第二回もこのペースで進めていきたいところだ。なあに、あっという間に全品食べ尽くしだ。・・・ただし、お酒は難関だけど。

この企画も、ますゐ全メニュー制覇の時と同じく「盆と年末」の開催となる見通し。なぜならおかでんやしぶちょおといったアワレみ隊メンバーが広島にいるのはその時期くらいしかないから。さて、次回はいつになるかな。

「辛いモノが食いてぇぜ」となったら、第二回開催だ。

以上126品(含む公式メニュー外1品)中 41品制覇

しめしめ、結構食べているぜ・・・と思ってメニュー一覧をスクロールさせていると、ある事実に気がついた。「あ、コース料理がある!」ということに。コース料理を制覇しようとすると、1コースにつき一回ずつ足止めを食らってしまう。せいぜい数品+お酒を追加できるくらいだろう。

これは奥が深いぞ。一気に終わらせよう、なんて甘い甘い。数年がかりの長期戦にもつれ込むこと、早くも確定。参ったねこりゃ。

ますゐの時は、コース料理は「公式メニュー」ではあったものの店内のお品書きにはコースの記載がなかった。だから「全メニュー制覇」の対象外とされていた。その延長線上で今回の企画を発案し実行したわけだが、もくろみは甘かったというわけだ。そりゃそうだよな、中華といえばコース料理だよなあ。

今後どうなることやら。

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