ついに菌類にまで【もりのしいたけ農園】

2018年11月19日(月) 8日目

8日目

本来、日々の成長を待ちわび、我が事のように喜ぶべきしいたけ飼育。しかし、予想を上回るハイペースでの成長・・・というか、「増殖」という言葉の方がふさわしい・・・を目の当たりにして、唖然とするしかない。

見ろ、菌というのは人間の常識を遙かに凌駕している生命体なのだ!

そりゃあ、風の谷のナウシカで、腐海が人類の居住地域を押しやっているわけだ。

いずれこの白い磁器の皿の上に、王蟲がうごめいていても不思議はない。それくらい、常識外れの状態だった。

8日目になると、いよいよしいたけ同士がおしくらまんじゅうを始めだした。傘の形が、歪んでいる。

そろそろ間引きをしないといけないらしい。

えっ?ということは、もう収穫?

ちょっと待ってよ、まだ8日目だよ。まだ心の準備ってぇものが。

9日目

透明なふたを被せていると、ふたのてっぺん部分がくもるようになってきた。

こ、こいつッ・・・!水を蒸発してやがるッ・・・!!

これまでになかった特徴だ。

しいたけの、開いたかさの部分から大量の湿気を吐き出しているのかもしれない。しかも、水滴が付く、ということは、この中は・・・さては発熱してるな!?

やべえ、菌類マジやべえ。

小さな人間は、ただただ恐れをなしてガタガタ震えるしか、なかった。

2018年11月20日(火) 9日目

9日目

9日目、さすがにもうダメだ、菌床の上あたりは収穫しないと。すっかりかさが開いてしまっている。

かさが開いたままのしいたけを放置していたら、その後どうなるのか、そういえば考えたことすらなかった。枯れるんだろうな、たぶん。

9日目

あーあーあーあー。ずいぶん押しつぶされているしいたけもある。早くなんとかしなくちゃ。

それにしても愛着がわかないなあ。オール茶色、というのも冴えないし、何度も繰り返すけど成長が早すぎだ。

これ、夏休みの自由研究にちょうど良いかもしれない。なにせ、成長が早い。絵日記の書き甲斐があるってぇもんだ。最近の子供はこらえ性がないだろうから、これくらいちゃっちゃと成長してくれたほうが飽きがこないと思う。

ただし、しいたけだって生き物だ。適温、というものがあって、20度を超えるか超えないか、くらいの温度がちょうど良いらしい。室温で30度超えなんていう環境だと、しいたけ生育には向かないようだ。なので、夏休みの自由研究としてはちょっと時期が悪い。

9日目

とりあえず、4つ収穫してみた。

なにか色が薄い気がするけど、菌床きのこってこんな感じだったっけ。

結構場所をとるので、最初の2日ほどは玄関先に置いていた。しかし、日に当てないと白っぽいきのこになってしまう、ということを説明書で知ったので、慌てて窓際に場所を移したという経緯がある。その影響もあるのかもしれない。

9日目

収穫したきのこを裏返しにしたところ。

ひだひだが見える。これくらいの段階での収穫で良かったのかどうか、よくわからないけどオッケーということにしよう。

収穫したものの、すぐに食べる予定がなかったため、一旦はジップロックに詰めて冷凍保存することにした。

一旦冷凍して、その後解凍するとしいたけの繊維が壊れ、うまみがでやすくなるのだそうだ。

2018年11月21日(火) 10日目

10日目

10日目。透明のふたを開けてみて、「うわっ」と思わず声が出た。

しいたけ菌床を置いている黒い台が、何やら白くなっている。最初、朝日が差し込んでいるから目の錯覚かな?と思ったが、どうやらそうではないようだ。

(写真を撮るときはブラインドを閉めているけど、朝起きたらブラインドは開けるようにしている)

10日目

台を指でなぞってみて、もう一度「うわっ」と声を上げてしまった。

やっぱり!これ、しいたけのひだから放出された、しいたけ菌だぞ!

しまった、ということはひだが開ききってしまったということか。早く収穫しないと。

10日目

出勤前の時間だから慌ただしいのだけど、この猛烈な生育ペースだと、今晩会社から戻ってくるまでの猶予はなさそうだ。これ以上菌を家の中にばらまかれたらたまらない。台所の隅っこあたりから、予期せぬしいたけがコンニチハされても困る。

というわけで、一挙収穫。えらいこっちゃ、とんでもない数がとれてしまった。

10日目

あらかた収穫した後の菌床。

菌床はおがくずを固めただけのものなので、雑に扱っていたら一部が崩れてしまった。

それにしても驚くべきはしいたけの生命力よ。この何の変哲もないおがくずから、あれだけのしいたけがニョキニョキと生えて、あっという間に収穫されてしまったのだから。手品を見ているようなものだ。

これだけ見ていると、人類の食糧問題は解決するのではないか、と思ってしまう。

でも無理だ、しいたけを食べる文化があるのは東アジア地域だけだし、そもそもしいたけはカロリーが低い。

11日目

菌床をひっくり返し、しいたけのかさの開き具合を下から確認しつつ、全部収穫。あっという間だった。

こっちの食卓事情のことなんて、構ってくれやしない。いかんなあ、ここ最近、自炊する機会がなかなかないんだ。収穫するそばから全部、冷凍庫行きになった。

しいたけの菌床はこのあと2週間程度休ませ、休ませたのちにまた水分を含ませると第二陣の収穫ができるらしい。なんという生命力。

あっという間の成長記録で、唖然としながらその様子を見るしかなかったけど、まあ楽しい体験だった。さて、次の栽培を開始するまえに、この大量のしいたけを食べきらないと。いい加減持て余したら、残り全部一気にバターソテーにでもしてやるぜ。

(この項おわり)

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