ついに珈琲豆の自家焙煎に手を染める

焙煎が進んできた

焙煎開始から15分経過。

屋外でカセットコンロを使う、というのは作戦失敗だな。ちょっと風が吹いただけで、すぐに火力が弱くなってしまう。豆に適切なカロリーが供給できているのかどうか、ずいぶん怪しい。ずっと不安定だ。

記録を残していなかったので、何分経過時点で「1ハゼ」と呼ばれる音が豆から鳴り始めたかは忘れた。

でも、なるほど確かに「ハゼ」は来た。

「パチパチ」と大きな音がする、ということを聞いていたのだけど、実際その通りで、それ以上の形容のしようがない音だった。

わかりやすく言うと、たき火がはぜる音。まさにあの音が珈琲豆からする。へええ。知らなかった。

札幌の菊地珈琲で、実際に焙煎機を動作させているのを間近で見せてもらったことがある。しかし、一度に30キロを焙煎できる超巨大焙煎機なので、動作音も大きく、ハゼとかなんとか、全然わけがわからなかった。

あわせて読みたい
屯田兵になった【北海道ハタケ仕事2】 「カフエ マメヒコ」が北海道・千歳市に構える有機栽培畑のお手伝いシリーズ第二回。 第一回目は5月に行われ、種まきや手竹のセッティングなどが行われた。 https://awa...
あわせて読みたい
屯田兵になろう【北海道ハタケ仕事1】 2013年、僕が39歳のとき、あれほどまでに愛したお酒をきっぱりやめてしまったため、生活ががらりと変わってしまった。性格さえも、変わったくらいだ。 40歳の節目が目前...

今回ようやく、「ハゼ」について理解できた。

加減がわからない

20分経過。

正直、焦りがある。長時間焙煎していたら、豆の風味が飛ぶという話を聞いていたから。そろそろ終わりにしたい。

だいたい、この間ひたすら金網をガサガサ振っていたので、腕が痛い。12月の屋外で寒いし、勘弁してほしい。火力不足だ、きっと。

ただし、カセットコンロ周辺は確かにチャフが飛び散っている。これがキッチンのガスコンロまわりに飛散していると思うと、片付けが面倒くさいのは間違いない。

バルコニーだと、ほうきでざざざっと掃いたり、バケツに汲んだ水でわーっと流しちゃうことで対応できるので、ラクなのは間違いない。

ドライヤーで冷やす

しびれを切らして、もう焙煎終了。

本当は、盛大にパチパチと音を立てる「1ハゼ」が数分続き、そこから2-3分間を空けて「ピチピチ」と細かい音がする「2ハゼ」がくるのだという。その2ハゼの最中に焙煎を止めるくらいがちょうど良い・・・筈なんだけど、さあ。

1ハゼが一度にバーンと発生するんじゃなくて、ダラダラと、バラバラと起きていた。たぶん、豆に火力ムラが出来ていたからだ。そのせいで、「おっしゃー!ここから2ハゼやでー!」という実感がまったくなかった。

いいのか、こんなので。

いや、よくないけど、これ以上焙煎するのはちょっと嫌だ。

カセットコンロの火を止め、ドライヤーの冷風モードで粗熱を取る。一気に冷やさないと、余熱で焙煎が進んでしまうからだ。

あんまり冷やされている実感はないけれど、ウチワが嫌ならドライヤーくらいしか、冷ます方法が思いつかない。豆を冷凍庫に入れてもすぐには冷えないだろうし。

100グラムが85グラムになった

というわけで、人生初の珈琲豆自家焙煎、完了。

100グラムだった生豆が、焙煎によって85グラムになった。たぶん、悪くない数値だと思うのだけど・・・。

それにしても色むらが随分あるな。市販の珈琲豆でこんなに豆ごとに色が違うのは、見たことがない。

むらなく焙煎する。それこそがプロの技なのだろう。

ハンドピック豆

さらにここからハンドピック二回戦。

改めて、色づきが悪いものとか、欠けた豆とか、基準がよくわからないなりにはじき出し、6グラムの豆を除外した。

結局、110グラムくらいの生豆から100グラムを焙煎し、85グラムになって、6グラム除外して79グラム。歩留率は71パーセントくらいだった。自家焙煎をやると、案外ロスが大きい。

仕上がり

で、残された79グラムの豆をトレイに広げて鑑賞会。

「自分で焙煎した豆を眺めながらの酒は最高。至福のひととき。」

とでもいいたいけど・・・なんだこりゃ。色のむらがありすぎる。いろんなチョコレートが入っているアソートパックのお菓子じゃないんだぞ。黒っぽいものから、白っぽいものまであるじゃないか。

さすがにこれはちょっと、どうよ。

暗くなったバルコニーでの焙煎だとよくわからなかったけど、電球の下で見るとはっきりわかる我が身の未熟さよ。

黒焦げ豆

ここでやめておけばよかったのだけど、「白っぽい豆から珈琲をドリップするのはさすがに嫌だ」という気持ちになってきた。

じゃあ、ということでキッチンのガスコンロで「追い焙煎」をしてみることにした。一応、「ダブル焙煎」ということで。

本来、札幌の菊地珈琲が行っているダブル焙煎は、浅煎りの珈琲豆でもしっかりと熱が通るようにするための技術。深煎り豆の技術ではない。

二度目の加熱、しかもカセットコンロよりもはるかに火力があるガスコンロでやったらどうなるか。

想像すればすぐにわかることだけど、真っ黒になってしまったー。あー。

フレンチローストかイタリアンローストになってしまった(カフェオレ用やエスプレッソ用の、真っ黒になるまで強めに焙煎するやり方)。

しかも、当たり前だけど、元々焙煎が浅かったムラのある豆は、ムラがあるままだ。全体的に黒さが増しただけ。

でも、何か満足感があった。大成功して美味い珈琲が飲める、なんて最初っから想像していない。失敗して苦笑する体験、そういうのがむしろ人生のリアルだ。「そこそこ美味いもの」をそこそこ食べて生きていくよりも、失敗した!という体験を適度に自分の人生に織り込みたい。

まさにこれがそうだよ!

・・・そう思うことにした。うん。

飛び散るチャフ

大まかな焙煎は外でやったので、もうチャフは飛ばないだろうと思っていた。

しかし、ダメ押し焙煎でもチャフは出てきた。あー、掃除が面倒くさいなー。

黒い

返す刀で、二度目の焙煎をガスコンロでやる。

とにかく、数を重ねていくことでうまくなるに違いない。どうせ半年もすれば自家焙煎には飽きてしまうに決まってる。それまでに、経験値を積む覚悟。

二度目の焙煎も100グラム。さすがガスコンロ、安定した火力が桁違いだぜ。

・・・その割には、やっぱり焼きムラがひどい。何をやってるんだ、おい。

豆アップ

また「アソートパック」になっちゃったよ。

(つづく)

1 2 3 4 5 6

コメント

コメントする

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください