ケーキをうんざりするまで食べたい?よかろう、不二家に行くがよい

舎人公園の桜

2020年の春分の日三連休、東京は桜が大いに咲き誇った。

場所によってはまだぐずっている木もあるけれど、いったんテンションが上っちゃった桜は我も我もと咲き始め、気が早いところはもう満開になっていた。

そんな桜に急き立てられ、いしと二人で舎人公園に行ってきた。

舎人公園は、これまで「アワレみ隊OnTheWeb」の喰い地獄会場としてその名を何度も唱えてきた。東京23区内でバーベキューができる数少ない公園だからだ。ここで芋煮をやったり、肉を焼いたり、マグロの頭をどかんとあぶってみたり、いろいろなことをやってきたものだ。

最近はすっかりご無沙汰している。というのも、バーベキュー場の予約が絶望的に取れなくなってしまったからだ。予約開始日の朝9時に予約サイトに行っても全然繋がらず、20分後くらいにようやく繋がったと思ったら土日祝日がすべて埋まっている有様。そういうのを何度か繰り返すと、「もういいや」という気持ちになってしまった。今じゃ、バーベキューの企画自体立てていない。

いずれまたやりたいけれど、場所はもう少し考え直したい。

ちなみにこの日、舎人公園の桜はかなり咲いていてお花見散歩としては素晴らしかった。でも、あてが外れたのはバーベキュー場がクローズしていたことだ。新型コロナウィルスの関係で公共施設は軒並み休園・休館していたからだ。都営のバーベキュー場もしかり。

別に赤の他人様がキャッハウフフとバーベキューをやっているのを観察したかったわけじゃない。バーベキュー場併設の売店で、ちょっとした飲食をしたかったんだ。しかし売店も営業をしておらず、さてどうしたものか、ということになった。

そこで思いついたのが、ケーキバイキング。何をいきなり、って?いや、あるんスよそういう概念が世の中には。お昼ごはんを食べ残ったので、そこで一発かましとくか。

5年ほど前、2015年に僕は「レストラン不二家」にてケーキバイキングと初遭遇した。ケーキ食べ放題60分で1,380円。ドリンクバー付き。

https://awaremi-tai.com/jigoku0434.html

この当時はJR総武線錦糸町駅前の商業ビルで食べた。不二家のレストランというのはどこにでもあるわけではないので、ちょっとした探索が必要だ。ガストやバーミヤンのように気軽に見つかる存在ではない。

ケーキを売っているだけのお店なら比較的あるのだけれど、ファミレス形態の不二家というのは、あまりお目にかからない。特に都心部ならなおさら。

不二家レストラン

そんな貴重な不二家のレストランだけど、そのレストランでさえどこでもケーキバイキングをやっているわけではないようだ。不二家のサイトで確認してみたら、実施店舗は限られているっぽかった。

そんな中見つけたのが、東京のお隣・埼玉県川口市。ここでは、2店舗がバイキングをやっていることがわかった。地図を見ると、舎人公園からはギリ歩いていけそうだ。だいたい30分程度、とGoogleMapは教えてくれた。猛烈なカロリー摂取を前に、少しでも体を動かすことは良いことだ。

そうしてたどり着いたのがこちら。川口領家店。

最寄り駅から歩いていく、という発想にはなりづらい、かなりテキサスヒットな場所にある。我ながらよく歩いたと思う。帰りはさすがにうんざりして、バスに乗ったけど。

ショーウィンドー

「これで、実はバイキングをやっていませんでした・・・ってなってたら途方にくれるな。適当にスパゲティでも食べて帰ることになるのかな」

などと話しながらお店の中に入る。

外観はレストランだけど、店頭はすっかりケーキ屋さんになっている。テイクアウトだってできるし、お店で食べることだってできる。そしてこの皆様が、バイキングの対象となるわけだ(ホールケーキなどは除く)。

スイーツバイキング

客席は普通のファミレスと同じ。

さてここでバイキングのメニューがあるかないか、と若干不安になりつつテーブルを探してみたら、あった。

スイーツバイキング。

あれっ、パフェ食べ放題も対象になっているのか。錦糸町のときは、こんな制度はなかった。ケーキだけだった。

調べてみると、たしかにそうだ。不二家レストランは、「ケーキバイキング」をやっているお店と、「スイーツバイキング」をやっているお店の2通りあって、錦糸町はその「ケーキだけ」の方のバイキングなのだった。ちなみにお値段は一緒。

値段はというと、1,800円+税。やっぱり、一昔前と比べると値上がりしている。おかしいな、僕の給料はそんなに上がってないのに、物価ばかりが上がっていってるよ。消費税も。

不二家ケーキバイキング

それはともかく、さあ二人がかりで食べ始めましたよケーキを。

いしもこういう時遠慮を全くしない。カロリーが、とか体重が、なんて弱音を全く吐かないのが素晴らしい。大人になってくると、どうしても「リミッター解除!今日だけ特別!」と無邪気に後先考えない人が減る。だからこそ「大人」なんだろうけど、時には羽目を外したいものだ。

いつも「いいんじゃないですか、どんどん食べれば」と背中を押しっぱなしなのは困る。それだと本当に体が壊れる。普段は常識的に抑制しつつも、「やるときは、やる。」という姿勢。そういうのができる相方というのは本当に心強いものだ。いしがまさにそう。ただ、いしは甘いものに目がないので、基本的に甘いお菓子ならあっけなくリミッター解除になりそうだけど。

そんな二人で、まずはケーキを4品。うわあ、さっそくすごいことになってきた。

不二家のバイキングは、オーダー後にお皿がテーブルに一人一枚支給される。そのお皿を持って、レジカウンター脇のショーウィンドーに行き、お好みのケーキを選択する。一回につき、2品まで。

1度に2品、というのは「取りすぎて食べ残されないように」というお店の意図もあるだろうけど、現実問題お皿にこれ以上は乗っからない。不二家のケーキは、もともとサイズが大きくて食べ応えがあるからだ。サイズを測ったことはないけれど、コージーコーナーよりも大きいんじゃないか?という印象がある。

つまり、本来なら「一人1品食べるだけでも、それなりに満足できる」というわけだ。それをバイキングであれこれ食べようだなんて、罰当たりもいいところだ。

一巡目で取ってきたのは、左奥から順に

  • ホワイトチョコ生ケーキ
  • チョコとナッツのザクザクミルキークリームロール
  • アッサムティーのミルクレープ
  • プレミアムショートケーキ

の4品。

不二家ケーキバイキング

1巡目なんて、あっという間だ。

とにかく、柔らかい食べ物なのでするすると食べられる。

珈琲のお供に1品だけケーキを頼む、というシチュエーションなら、そのケーキをちびちび食べていると思う。お店に滞在する予定の時間と、珈琲の残量と、ケーキの食べるペース。これらをいい塩梅でブレンドして、ケーキの消費量というのは決まってくる。必然的に、一口が少量になる。

しかしケーキバイキングともなると、時間制限があるし、食べ放題だし、対象となるケーキが多いしで一口が大きくなる。あっという間に食べ物を食べるときの擬音として「ぺろり」という言葉がある。しかし僕らの場合、「するり」というほうがあっている気がする。

二巡目。

  • シフォン主義。(バニラ)
  • 贅沢モンブラン
  • ペコちゃんのほっぺ(カスタード)
  • プレミアム濃厚ベイクドチーズケーキ

ずらーっとショーケースに並び、まばゆいばかりの光を放つケーキたち。でも、よく観察してみると、同じケーキのバリエーションが結構多いことに気が付いた。たとえば、モンブランは4種類あるし、チーズケーキは3種類ある。

折角だから、モンブラン食べ比べ!なんてことはしないで、モンブランを1品食べたらもう次からモンブランは頼まない、というやり方でやっていきたい。そうなると、おのずと「あと、まだ食べていないケーキ」というのは絞られてくる。

不二家ケーキバイキング

最初はキャッキャと言いながらケーキを取ってきて、お互いの皿のケーキを食べあってあーだこーだ言っていた僕ら。
しかし、3巡目あたりでずいぶんと大人しくなってきた。

さすがケーキだ、血糖値の上がりっぷりが体にガツンとくる。それが体感できる。

満腹感はない。なにせ柔らかいものだ。でも、満足感というか、そろそろこの程度で止めてもいいかな、という気持ちがちらっと出てきはじめた。

満足感じゃないな、どちらかというと「硬いものを噛みたい」という気分と、「塩っ辛いものを食べたい」という気持ちの二つだ。それさえ箸休めならぬフォーク休めでできれば、一気に立ち直れる気がする。

いしのかばんの中には、一口大のサイコロ状ツナが金と銀のアルミ風包装紙にくるまれ、飴みたいになっている「おやじ向けのおつまみ」が入っている。あれを食べられればいいのに。

さすがに飲食店で、それはできない。ああ、塩っ辛いものが欲しい。

  • 丸久小山園厳選 濃い抹茶のケーキ
  • 国産りんごのアップルパイ
  • 窯焼きダブルシュークリーム

いしは、もう「一度に二品」を取るのをストップし、1品だけに切り替えた。

不二家ケーキバイキング

彩りフルーツのミルキーソフトクリームパフェ。

折角だから、パフェも頼んでみる。ケーキだけだと飽きるので、一旦逃避行だ。

パフェ系統は全部で9種類(子供専用のものを合わせると10種類)。これはテーブルに店員さんを呼んで、オーダーすることになる。

様々なケーキを食べてきて、味はそれぞれ違うのだけど基本は「小麦粉と、生クリーム」で成り立っている。延々と生クリームが続くので、だんだんと口がまったりとしてきた。生クリームの油脂成分で口の中がコーティングされてしまったのだろうか、どれも同じ味に感じられる。

そこでパフェですよ。ソフトクリームやアイスクリームが入っているし。

しかし、生クリーム三昧のあとにこれを食べても、対して味覚チェンジにはならないということを悟った。やっぱり同じような味に感じられるものなのだな。

不二家ケーキバイキング

四巡目。これで最後にしようと思う。

  • 桜香るにぎやかフルーツロール
  • コロコロくまさん
  • プレミアムカスタードプリン
  • 米粉のミルキークリームロール

時間はだいたいここまでで1時間。
最初の一皿目のお皿をショーケース前で受け取った際、1時間後の時刻が書き込まれた札を渡される。おかわりの都度、お皿と、その札を持参することになる。

この「1時間」だけど、実際は10分程度はゆるめに設定してくれている。ショーケース前に列ができていて、時間をロスしたじゃないの!とか、さっさとケーキを出してよ、遅いよ!というクレームを未然に防ぐために、そういうのも最初から想定の上で、60分+αの時間設定にしていますよ、というわけだ。とても良心的だ。

ここまでで16品。二人で8品ずつ。お互いシェアしあったので、結局16種類の味をわずか1時間で食べたことになる。これで僕らは不二家通だ!と思いたいけど、食べ進めるうちに頭がぼんやりしてきて、あんまり味が記憶に残っていない。

1,800円+税(=2020年3月時点では1,980円)。不二家のケーキはだいたい300~400円台なので、やらしい話「元が取れるかどうか」というと確実に取れる。原価以上に食べる、というのはもちろん無理だけど。とはいえ、お得だからといって何度もこのバイキングを楽しみたいか?と問われると、いやそれはちょっと、と思う。

僕は、「せいぜい年に1回くらいでいいかな」と言う。いしは、「一生に一度でいいかな」とまで言う。それくらいのものだ。

このバイキングは、あれこれケーキを心行くまで食べさせて、お気に入りの一品を見つけてもらう「試食」的な意味合いもありそうだ。一口サイズじゃよくわからないので、フルサイズでしっかりと食べてもらう。で、次からはそのお気に入りを、店内でもテイクアウトでも定価で買ってくれればいい。そんな思惑なのだと思う。

今日は一発、甘いのをガツンといきてぇなあ、という時には最適。しかし、晴れ晴れとした気持ちでお店を後にできるわけではなく、結構神妙な顔つきになってしまうのはあらかじめ了解しておく必要がある。満腹になるわけじゃない。まずく感じるわけでもない。とにかく、「神妙な顔になる」のだ。

ものは試しで、一度このデザートバイキングを楽しんでみることをお勧めします。自分の体調やメンタルなど、様々な気づきが得られると思うので。

(2020.03.21)

コメント

コメント一覧 (2件)

  • なかなかハードなバイキングですね。
    モーツァルトでもケーキバイキングがあって、昔友人と一度行きました。
    ケーキの他にサンドイッチやパスタ、カレーなどのしょっぱいものもあったのと「たくさんの種類を食べてね」とすべてのケーキが通常の一切れ分がさらに細切れに(爆)
    食べ残し対策でもあったと思います。

    厚さが2センチないので皿の上に立たないし、取る前も見栄えは悪いけれど、とにかくいろいろなケーキが味見(その感覚の量)できたので楽しかったです。

  • バッケンモーツァルトでもバイキングがあるんですか。カレーがあると随分味覚と気分がリフレッシュできそうで良いですね。でも、すぐにお腹いっぱいになりそうな気がします。
    パスタ、サンドイッチ、どれも満腹一直線だ!

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