長崎の過去と今-07

朽ちていく建物、護られる建物(その7)

生ビール半額だって

13:06
手続きを早々に済ませたので、昼飯を食べることにする。長崎ならではの食を!なんて贅沢にお店選びができるほど時間はない。この界隈でお店を探さないと。

「暑いねー」

ばばろあがつぶやく。なんだ藪から棒に。

広告

「ちょうどこの真向かいに、『生ビール半額』って書かれているお店があるんよ」
「おう、そういうことか」
「既に結構歩いとるからね?」
「いいね、飲んじゃえよ」
「でも残念、さっきの誓約書に『酒を飲んだ人はダメ』って書いてあったんよ」
「ああ・・・」

でももっと残念なお知らせが。ビールはともかくメシだけでも、とお店に突撃したら、お店の営業は夜だけだと。ありゃ。別のお店を探さないと。

ウェディングドレスのお店

13:08
「あそこに立て看板が見えるぞ!あれは飲食店に違いない」

はるか遠くに、飲食店のメニューボードとしてよく使われる立て看板を発見した。遠いなあ、と思いつつも歩いて行ってみた。あんまりここで昼飯を悩んでいたら、時間が足りない。

「あれ」
「おう」

てくてく歩いて辿り着いたそのお店は、ウエディングドレスのお店だった。

「全く僕らに縁が無いお店じゃないか!」

諦めて次のお店へ。

味わい深い路地

13:09
途中見かけた、路地。海沿いから一本入った道。

びっしりと並ぶ小さな中層階ビル。そして空を覆うような電柱と電線。とても印象的な光景。

東京界隈では、こういう光景はちょっと記憶にない。

山や

13:12
ようやく見つけた、ラーメン屋でお昼ご飯を。むしろ、ラーメンの方がさっと料理がでてきてさっと食べられて、ちょうど良かったと思う。

日替わり定食700円

13:28
ラーメン屋さんなのに「日替わり定食」なるものがあったので頼んでみた。700円。

出てきたのは「生姜焼き定食」だった。お味噌汁のかわりにラーメンがまるごと一杯付いてくるというガッツリっぷり。いやー、これで700円は安いぞ?というか、なんでラーメン屋で生姜焼きがあるんだ?という嬉しい大誤算。

ラーメンは当たり前のように豚骨スープ、というのが「ああ九州に来たなあ」という気にさせられる。

ブラックダイヤモンド号

13:48
食後、指定された船着き場へ向かう。

岸壁には、「軍艦島上陸クルーズ」と書かれた、黒と赤の船が停泊していた。

「あちゃあー!もう人が一杯だ!」
「嘘だろ、まだ15分近く前だぞ?」

見晴らしが良さそうなデッキ席は既に人が鈴なりだ。遠目でも、これ以上人が乗れないのは明白だった。

「折角、さっき『船のどっち側に座れば景色が良いんだろう?』って議論してたのに~」

道理で、13時の受け付け開始時点で人がわんさかいたわけだ。僕らはその後優雅にランチを喫食していたけど、他の人たちは早々に船着き場に行き、いい席を確保しようと行列していたに違いない。

ブラックダイヤモンド号側面

「おい、わしら乗れるんか?」

デッキ席のみならず、船内の席も人また人。座れる気配が全然しねぇ。

まさかつり革につかまって立ち席、というわけではなさそうだが、バラバラに座ることになるっぽい。それは残念だ。もっと早く着いておけばよかった。

ちなみに「ブラックダイヤモンド」とは、「炭」の別名だ。これから炭鉱の島に向かうので、そういう船の名前にしたのだろう。

軍艦島上陸チケット

軍艦島のリーフレット。受付時にもらったもの。軍艦島の歴史などが簡単にまとめてある。

出向を待つ

12:53
結局我々はほぼ最後の乗船となり、操縦席と客席の間の通路にかろうじて座る場所を確保できた。

進行方向とは逆に向いている&タラップがあるため、ご覧の通り視界は非常に悪い。

昔の軍艦島

在りし日の軍艦島の写真。

端島、通称軍艦島は元々岩礁に過ぎなかった。しかしその周辺に良質な鉱脈があるということで開発が進み、岩礁周辺を埋め立てつつ発展していった「炭鉱のための人工の島」だ。

1910年当時の写真は、その岩礁がまだしっかり見えているが、右側の1959年頃の写真では、ほとんど岩礁が見えなくなっている。これは別に岩礁が壊されたからではなく、周囲に建物が建ち並んだために隠れてしまったに過ぎない。

狭い人工島に何千人もの人が住むために、密集した高層マンションが建ち並び、その様が遠くから見ると軍艦のようだったので「軍艦島」。

視界は悪い

14:04
船は軍艦島に向け定刻出航。

・・・しかし、景色がやっぱり見えない。

ガイドさんがあれこれ周囲の景色について解説をしているのだけど、スピーカーが我々のいる通路には設置されていないため、あまり聞こえない。かろうじて聞こえる一部の単語を頼りに、右を見たり左を見たり。

かがんで外を見る蛋白質

14:05
というわけで、かろうじて風景を見ている蛋白質。

ベンチ席のすぐ隣には別の方も座っている。なので、身を乗り出して景色を見ようとすると邪魔だ。なので、「見たいけど、タラップの隙間からしか見えない。身を乗り出したいけど、隣の人の邪魔になる」という状況に悶悶とし、縮こまって外を眺めている図。

(つづく)

ソーシャルリンク

広告