信州戸隠そば

2000年02月03日
【店舗数:—】【そば食:034】
自宅(東京都内某所)

信州戸隠そば

戸隠そば

お昼二軒のそば屋を新規開拓し、意気揚々と自宅に引き上げてきた。ここでほっと一息、「ああ今日もよくそばを食べたなあ」なんて一日を振り返る。

「さて、じゃあ夕食でそばを食べようか」

ここでまたそばを引っぱり出してくるあたり、悪のりの絶頂だ。それもこれも、1月のそば食数が28と、一日一食ペースに少々足りなかったという悔しさから来ている。いや、だからといって一日一食そばを食べていればそれで満足なのか、といえばそうではない。結果論として「一カ月で28食」という事実を見てしまうと、「なんだあと3食余計に食べていれば、一日一食達成だったわけか。ちぇっ、ちぇっ」と無性に悔しくなってしまう。

こんな不届きな気持ちでそばに対座したって、深淵なる蕎麦の味が分かるわけがない。故に、この日食べた、「戸隠そば」なる半生状のそば、うまかったのかまずかったのか記憶に残っていない。そばを食べたらその日の内にメモをとる習慣をつけているが、このそばの味については一切触れられていない。メモ帳には

「そば、3連ちゃんだ。それ故に、味は忘れた。さてどうだったっけ?

と、なんともはや蕎麦としては無念極まりないであろうコトバでコメントされていた。これでは胃袋の中で成仏したくてもできないだろう。申し訳ない。

ちなみにこの時、強く印象に残っているのはそばではなく、わさびだった。スーパーで生わさび一本を買ってきて、すり下ろしてみることに挑戦してみたのだ。しかし、鮫皮のおろし器みたいな気の利いたものを持っているはずが無く、手元にあるダイコンや山芋をすり下ろすヤツ(蓋の部分にでこぼこした穴が無数に空いていて、食材を擦ればすり下ろされたものが下の受け皿部分に貯まる)でごりごりとこすってみることにした。

うむ。出てきたわさびを見て考え込んでしまった。すり下ろされたわさびは当然穴から下の受け皿に落ちるのだが、大根おろしのようにさらさらしていないのが運の尽きだった。歯磨き粉がチューブから絞り出されたように、細長くにょろにょろと紐状にわさびが伸びていたのだ。風情も何もあったもんじゃない。

これは箸でかき集めてぐちゃぐちゃやれば、ちゃんと普通のわさびっぽくなるのだろうか?とか思案しながらそのひも状ぶつ切れわさびを眺めていたら、だんだんそいつが青虫に見えてきてしまった。こうなってくると、とても食欲がわくわけが無く、味云々を言う前にすっかりげっそりしてしまった。

わさび、高かったんですけど。親指ほどのサイズで、1本398円。それが「どうやっても食欲がわかない青虫の外観」になってしまったのだから悲しい。

教訓。高い食材を扱うときは、それなりの食器で対応してあげなくては食材が可哀想。

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