そば処 留美庵

2012年05月06日
【店舗数:295】【そば食:501】
長野県上伊那郡箕輪町

赤そば

アワレみ隊の春季強化合宿のため、長野県は箕輪(みのわ)町にあるキャンプ場に2泊3日滞在。

天気が大荒れのゴールデンウィークで、雨にたたられるやら、強風でテントが倒れるわ、雷が間近でゴロゴロピシャーンというやら、いやモウとっても素敵な一時を過ごすことができた。アワレみ隊は、こういうハプニングを「おいしい」と思える感覚を持っているので、このような印象深いキャンプは大ごちそうだった。

でも、そんなごちそうをお見舞いされてもおなかはいっぱいにならない。何か飯、食わなくちゃ。

留美庵

調べてみると、箕輪町には「赤そばの里」という施設があり、赤そばを地元振興としてプッシュしているらしい。赤そばかぁ。どこかで食べられるのだろうか?

最近伊那谷のあちこちで「花が赤い蕎麦」が栽培されている、という話を聞いてはいたが、箕輪町が特にそうであるというのは知らなかった。

なぜ「花が赤い蕎麦」が売り文句になるかというと、ふつう一般の蕎麦は花が白いからだ。真っ白い蕎麦の花は9月前後に咲くが、その美しさはなかなかのもの。「雑穀」と呼ばれる蕎麦だが、その花は可憐にして心和む。しかし、伊那谷で栽培されている「高嶺(たかね)ルビー」という品種は、花が赤くて見慣れない、特殊なものだ。「真っ赤なお花のお蕎麦屋さんは・・・♪(赤鼻のトナカイのメロディで歌おう)」という歌は、ありそうでない。

そんな珍しい赤そばを食べさせてくれる店、発見。「赤そばの里」からさほど遠くないところに「留美庵」という蕎麦店があり、そこで赤そばが振る舞われているらしい。さっそく、現地に向かう。ちなみに「留美庵」という名前だが、「高嶺ルビー」の「ルビー」からとられた名前であることは明白だ。この気合の入り方がよい。楽しみじゃあないか諸君。

元祖赤そば

店頭には、「元祖赤そば」と書かれた看板が置いてあった。そうか、ここが「元祖」なのか。

赤そばってどんな外観なんだろう?花の色に倣って麺が赤かったりするのだろうか?いやいやちょっと待て、それだったら白い花の品種は蕎麦が白くなっていないとおかしい。ということは、出てくる蕎麦はありふれた色、ということなんだろうか。

店内

店内の様子。11時過ぎの来店、しかも外は雨という天候のため、お客さんは少なかった。

お品書き

メニューを開いたところ。

赤そばのメニューが4種類、普通の蕎麦のメニューが9種類あった。

暖かい蕎麦(かけそば等)は普通の白花の蕎麦でだけ提供されている。赤そばは、シンプルなもりそば系のメニューのみ。

普通の蕎麦は二八蕎麦だ。一方の赤そばは、全品十割蕎麦で提供。なぜ赤そばは二八でないのか、店員さんに聞けばよかった。聞くの、忘れちゃってた。

当然二人は赤そばを選択。おかでんは「赤ざる」1,100円、同行者のしぶちょおは「赤天ざる1,400円」。300円プラスで天ぷらが付くというのは魅力的だ。どんな天ぷらが出てくるのだろう。蕎麦屋で天ざるを頼むと、ざるそばと比べて値段が一気に倍になったりすることがあるが、その点ここはやたらと良心的な価格。

赤そばは希少価値からだろうか、白花二八そばの「ざる850円」より250円も値段が高い。ごてごてと具がついていないノーマル蕎麦で1,000円以上するのは、正直言って相当お値段が高い。何百食と蕎麦を食べてきたおかでんだが、1,000円越えの蕎麦というのは数える程度しか食べたことがない。どんな蕎麦なんだろう。楽しみだ。金粉が入っているんじゃあるまいか?

赤そば
赤そばアップ

やってきました赤そば1,100円。

外観はさすが貫禄の赤そば、真っ赤・・・なわけはなく、金粉が!ということもなく。ふつうの蕎麦に見える。

さっそく食べてみる。新蕎麦の季節からは半年ずれているので、絶品の香りが!という事はなかったが、しっかり蕎麦の香りが残っていた。味や香りが独特かと思ったが、あまりその違いは判らなかった。

後でwebで調べてみたところ、赤そばの特徴についてこういう記述があった。

「味は、普通のソバとかなり違い、少し癖があるのと、コシが強く、ゆでてすぐ食べないとソバがくっつきやすいです。」

味が普通の蕎麦とはかなり違う、ということだが、それに気付かなかったのはわれわれの舌が靴べら程度の俗物だったということだろうか。一応言い訳しておくと、朝食で、余っていたにんにく(しかも青森県産で臭いが強いやつ)全てを味噌汁の中に投入したから、味が分かりにくくなったのかもしれない。

コシが強い、というのは同意だった。固めにゆでたからこうなったのかな、と思ったが、もともとそういう性質の蕎麦粉だったらしい。つるんと食べることができ、これはこれでおいしかった。あと、そばがくっつきやすい、という点については、二人とも気づかず。くっつく前にあっという間にずるるっと食べてしまったから。

赤天ざる

しぶちょおが頼んだ赤天ざる。天ぷらの盛り合わせで、海老が2本も入っていた。これで300円増しというのは明らかにお得。1,400円という値段にビビらなければ、ぜひ頼んでおきたいメニューだ。

そば湯

蕎麦はおいしかった。しかし、味覚バカなためか、それとも最近蕎麦を食べていないため蕎麦センサーが鈍ったのか、ノーマルのそばと赤そばとの違いがよくわからなかったのは残念。比較対象としてノーマルそばも併せて注文しておけばよかった。

ただ、そうやって比較しないと、味の違いが判らない程度の味の差ではある。1,100円という、決して安くはないお金を払って食べるべきかどうかは思案のしどころ。850円のノーマル二八そばでも十分に満足いくうまさじゃあるまいか?と思える。とはいえ、まだまだ希少価値が高い赤嶺ルビーの蕎麦。機会があったら一度食べてみるとよいだろう。

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