観世水

2012年10月04日
【店舗数:301】【そば食:517】
東京都港区赤坂

二色もり(せいろと田舎もり)

観世水

アワレみ隊OnTheBBSで、

「新蕎麦に餓えている模様とお見受けした。赤坂見附の、観世水という蕎麦屋ではもう出ているはずです」

という情報を得た。この時期、まだ新蕎麦を扱っていない蕎麦屋が多いので、こういう情報はありがたい。

新そばをゲットした蕎麦屋は、必ず店頭にその旨の掲示をすること・・・という法律とか条令、できないかなあ。この季節、店に入って、店内を見渡して、どこにも「新そば」の表示がないというのはなんとも「しまった!」感が強い。お店に入ってしまった以上、何も食べずに帰るわけにはいかないし。

いや、新蕎麦を導入しても、その旨の掲示は一切しないというポリシーの店もあるだろう。そうなると余計ややこしくなる。「新そば」の張り紙が無くてもやたら美味い蕎麦が出てくるぞ!なんてことになるからだ。ああ、大変だ。

そんなわけで、BBSでの有力情報に基づいて、昼時の赤坂にやってきた。

お店は、ビルの地下一階と二階に分かれていて、地下一階の方が「本館」、二階は「別庵 沙伽羅」という位置づけになっている。別庵の方は個室があって、接待なんぞに使ったりできるらしい。おかでんは「一人接待」の趣味はないので、地下一階を目指す。

新そばの掲示

地下一階に下りる階段のそばには、大きな張り紙が貼ってあった。

「新蕎麦 今年も、赤坂で一番早くお出しします 北海道 雨竜」

いいねえ。しみじみ、いいねえ。店に入る前から安心の新蕎麦宣言。新蕎麦を求めてわざわざ赤坂に来たのだから、こうでなくっちゃ始まらない。

「赤坂で一番早く」というのが気合い入りまくり。フライングスタートしてやったぜ、ざまあ、という心意気が素敵だ。

後で観世水のオフィシャルサイトで調べてみたら、8月21日に新蕎麦で蕎麦を打ち始めたことが判明した。8月!知らんかった、そんな早い時期に北海道の雨竜ってところでは蕎麦が収穫できるのか。フライングしすぎ。というか、秋収穫の蕎麦ではなく、夏収穫の蕎麦の品種なのかな?

石臼

店入口の脇に、電動石臼が設置されていた。今まさにぐいんぐいんと回転し、蕎麦粉をこしらえている最中。やっぱりこれも雨竜産の蕎麦なんだろうか。素敵!蕎麦粉と一緒にすり潰されたい!

店内

12時前に入店したので、まだ店内は空席があった。しかし、しばらくすると入口に行列ができるようになり、それなりに流行っていることがうかがえる。ちなみに並んでいる人は別庵の方に誘導されていたので、このお店のランチタイムにおけるキャパはそこそこありそう。

お盆が先にやってくる

注文は「二色もり」にした。このお店は、「せいろもり」「田舎もり」「変わりそば」の3種類の蕎麦を打っているので、そのうち二種類をチョイスしたものだ。おかでんは「せいろもり」と「田舎もり」の二色にした。お値段950円。

「三色もり」1,260円というのもあるのだが、こちらは選ばなかった。おかでんの性分として、「全種類食べてコンプリート」みたいなシチュエーションは大好きだ。だから、「三色もり」を頼んだ方がよさそうなものだが、あいにく「変わりそば」って興味ないんだわ。食わず嫌い、というか、その他の蕎麦と比べて優先順位が低いというか。ちなみにこの日の変わりそばは柚子切りだった。

注文すると、まず卓上にはお盆が届けられる。つゆ、薬味、おしぼりがお盆の上に載っている。もうすぐ蕎麦が届きますよ、と期待感をあおるシチュエーション。

せいろもり

まずは「せいろもり」(二八そば)が届けられた。二色もりなので、単品の蕎麦の量は少な目。

蕎麦を手繰ってみる。おお、これは素晴らしい。口に含んだ瞬間に蕎麦の香りが広がった。鼻から息を吐き出すと、鼻腔内に香りが広がり、しばらくふわーんと持続する。秋ですなあ。少ない蕎麦の量をいつくしみつつ食べ進んだ。

香りは素晴らしかったが、蕎麦が持つ甘味は若干物足りなく感じた。

田舎もり

せいろもりを食べ終わった後、よいタイミングでつぎの「田舎もり」が届けられた。粗挽き太打ちの蕎麦で、さっきとは全然様相が違う。色もどす黒い。

早速蕎麦を手繰ってみる。しかし、どうしたことか、こちらは蕎麦の香りがあまりしない。同じ蕎麦粉を使ったとは思えないのだが、不思議なことがあるものだ。太打ちの蕎麦だから、歯を使ってかみしめていると風味が立ってくるのではないか、と思ったが、特に変化なし。ふーむ。

確認してみたら、せいろと田舎で使っている蕎麦粉は産地がそれぞれ別なんだそうだ。ちなみにせいろは茨城・福井・北海道産。田舎は福井産。ただ、どちらも新蕎麦らしい。まあ、田舎は田舎でおいしいから特に文句はない。

蕎麦湯を飲んでお店を後にする。地下から地上に出ると、外の眩しさが特に際立つ。今日はまだまだ暑いな、これがもう少し涼しくなったら、あちこちの店で当たり前のように新蕎麦が出回るのだろう。そんな日が来るのが楽しみだ。

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