江戸蕎麦手打處 あさだ

2013年10月12日
【店舗数:358】【そば食:593】
東京都台東区浅草橋

おろしせいろ

あさだ

浅草橋に用事があったので、かねてから訪問してみようと思っていた蕎麦屋、「あさだ」に行ってみることにした。

以前、浅草方面から蕎麦屋をハシゴしてこの店にたどり着こうとした事があったのだが、肝心の浅草の蕎麦屋が定休日だっっためにやる気が削がれ、計画が頓挫したんだっけな。それから1年越しくらいの念願叶って、ようやくの訪問と相成った。

・・・といっても、その1年間、ずっとこのお店の事は忘れていたんだけど。浅草橋行くー、って段になって、ようやく「ああそういえば浅草橋に未訪問の蕎麦屋があったっけな」と思い出した次第。

このお店、創業は安政元年というから150余年の歴史がある。やたらと古い。さすが蕎麦屋だ、探せばまだまだこういう「老舗中の老舗」っていうのはあちこちにあるんだな。

天かす取り放題

訪れたのは土曜日の14時過ぎだったのだが、客席はいっぱい。店内に待ち行列ができていたくらいだ。ほとんどのお客さんが2名以上の訪問であり、なおかつ昼間っから一献傾けてらっしゃる。隣に座っていたご夫婦は、生ビールで口を湿らせたのちに田酒を頼んでいた。「田酒っておいしいらしいよ。頼んでみようか」なんてメニューを二人でのぞき込みながら会話をしているのが微笑ましい。やっぱり、蕎麦屋で蕎麦前を嗜むってのは良い文化だと思う。

かくいうおかでんはお酒を飲まないので、お品書きをまっすぐ直視。これまでなら、「酒のページ」と「酒肴のページ」と「蕎麦のページ」を行ったり来たりしながら、全体構成を練りつつ注文を決めていったものだ。でも今はシンプルに、蕎麦あるのみ。

今回は、おろしせいろにしてみよう。やっぱり、ノーマルの蕎麦をそのまんま頼むのはなんだか心許ない。ちょっと一工夫されているものを食べたいものだ。そこで、おろしせいろ。

ちなみにこのお店は老舗だけど自家製粉石臼挽き、十割蕎麦を出すのが売りになっている。老舗故に、つきあいの長い製粉業者がいただろうに、それでも自家製粉という時代の流れには柔軟に対応したんだな。

卓上には壷があり、天かすがみっちりと入っていた。これをつゆに入れるとおいしいんだよな。さりげなくうれしいサービスだ。

おろしせいろ

近くのテーブルでは、母と娘と思われるペアが、お昼の定食を食べていた。このお店、昼間限定だが定食もある。刺身御膳、天ぷら御膳など。見ると結構なボリュームだ、刺身御膳はお造りにご飯、小せいろがついて1,050円。リーズナブルだと思う。でも、昼間っから食べるにはちょっと量が多い。この親子、結局最後は少し残していた。

さて、自分が頼んだおろしせいろが到着した。大根おろしが真ん中にでん、と構えていて頼もしい。でも、こういうのって時々「辛味大根だろう」と思って口にしてみたら、普通の青首大根といことがあって拍子抜けするんだよな。辛くても、辛くなくてもいいように心に遊びを持たせた状態でひとつまみ。・・・うん、辛い。これは辛味大根を使っているな。

蕎麦アップ

腹づもりができたところで、食べる。おろしせいろの場合、どういう食べ方がベストなのかはよくわからない。おかでんの場合は、蕎麦を普通につゆにつけて手繰り、その合間合間で辛味大根をお口直しとして食べた。蕎麦と辛味大根を同時に口にすると、蕎麦の味が薄れてしまうのではないかと気になったからだ。少なくとも今回このやり方は、悪くなかった。今後もこのやり方でいこうと思う。

このお店は15時から中休みなのだが、14時半を回っても待ち行列ができるくらいの繁盛っぷりだった。蕎麦屋でここまで人気があるとはすごいことだ。おかでんは「並んでまで食べるほどではない」と思ったが、中には並んででも食べたい、と思う人がいるらしい。新蕎麦シーズン真っ盛り、今こそ蕎麦を食べよう、ということなのかもしれない。

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