2019年09月03日
【店舗数:—】【そば食:717】
東京都荒川区西日暮里
そば普通 ジャンボゲソ天
久しぶりに、日暮里にある一由そばに行った。
日暮里は不思議な町だ。駅の東側に広がる平野部は、「東日暮里」と「西日暮里」という町名がつけられている。東と西があるのだけど、直球ストレートな「日暮里●丁目」という地名は存在しない。
そして、日暮里駅前にもかかわらず、町名が西日暮里だったりする。なので、町名だけを見て、「ははーん、最寄り駅は(JR山手線・京浜東北線の)西日暮里駅だな」と判断すると、ちょっと歩く羽目になる。
この地を訪れたのは、近くにあるクラフトビールの立ち飲みビアパブ、「CRAFT WORKS/S」に立ち寄って遅い夕飯を食べようと思ったからだ。
僕はお酒を飲まなくなったけど、このお店には時々出入りしている。もちろん、ウーロン茶しか飲んでいないけれど。
クラフトビールを飲む人たちは「そこそこお金を持っている、趣味人」だ。なにせお値段が高い飲み物なので、「安く酔いたい、酔えればいい」という騒がしい人が客にはいない(酔った勢いで、二次会利用として訪れる酔客はいるけれど)。
そういう客層のお店で、スタンディングで軽く食事を食べるのは気楽でいい。料理が美味しいというのもうれしい。
ただ、このお店が開店してから1年ちょっと、今やすっかり繁盛店になってしまった。お店の前まで行ってはみるものの、混んでいるので入店を諦めて素通り、というのが最近は続いている。酒を飲まない人が混んでいるお店にいるのは邪魔だろうし、そもそもお酒を飲まない僕にとって、酒飲みの人たちのテンションの中に混じるのは若干しんどいからだ。
23時近くにもなって夕飯を食べそこなった僕が日暮里駅まで歩いて向かっていると、一由そばの看板が見えた。そうだ、この立ち食い蕎麦屋は24時間営業だったっけ。
このお店は、以前訪れたことがある。お昼時だったっけ。
いつでも混んでいて感心させられるのだが、もちろん23時であっても客足はまったく途絶えていない。立ち食い蕎麦なんて、お店滞在時間はほんの数分のはず。それでもお店が常時お客さんでいっぱいなのだから、おそるべきお店だ。
昼時には、女性客もちらほら見えるお店。しかし、夜になると100%男の世界。
よし、ここで夕ご飯にしよう。たまには蕎麦の夕食もいい。
ジャンボゲソ天が売りのお店で、前回は素直にそれを食べた。
今回は違うものを、という気もしたけれど、やっぱりまたジャンボゲソ天が食べたい。食べたァ!という満足感を得るために、ジャンボでなくてはダメだ。
麺の量を指定できるのだけど、今回は普通にした。
こういう量選択があると、僕はたいていバカの一つ覚えのように「大盛り」を選んでしまう。大盛りにしないと死んじゃう病気にかかっているのかもしれない。で、食べた後、「大盛りにしなくても、案外よかったかもしれん」と気を取り直すことになる。
普通盛りで220円。
で、2玉の「メガ盛り」で440円、3玉の「キング盛り」で660円。
つまり、麺の量とお値段は正比例する。特に大口割引みたいなものはない。
こうなると、麺の量を増やす意欲があまり沸かなくなるなる。ここはおとなしく、普通盛りでいこう。
そば普通、ジャンボゲソ天。
久しぶりに立ち食い蕎麦独特の文法ともいえる、「濃い、甘辛いつゆ」をすする。ああ、これだよこれ、という気持ちになる。このわざとらしささえ感じる、濃いつゆは何か琴線に触れるんだよな。それが何なのかよくわからないけれど。
最近、自炊するにしろ外食するにしろ、味付けが薄いものを食べる機会が増えた。薄味であるほうが良い、薄味であるほうがうまい、という雰囲気が自分の周りにはある。なので、こういうガツンと濃い味は久しぶりだ。毎日これをずずずっと飲みたいとは思わないけれど、時々嘗め回したい、飲みたい味。それが立ち食い蕎麦のつゆの魅力。
ジャンボゲソ天は、食べていくうちにほぐれていく。ほぐれたゲソ天がどす黒くて透明度の低いつゆの底へと沈んでいく。
なので、食事の終盤が楽しい。箸でどんぶりの底をすくうと、ゲソのぶつ切りがざくざくと発掘されるからだ。「ああ、まだ残っていた」という喜びを感じる。
ほかのお客さんは、てんぷらを二種類トッピングする人が多かった。ゲソ天はジャンボにしないでノーマルサイズにしておいて、そのかわりにマイタケ天ぷら(60円)を追加トッピングするとか。なるほど、そういうやり方もあるか。
お値段、360円。安くて腹いっぱいになった。
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