好物はブルーハワイ

東京界隈の神社は、5月から6月にかけて例大祭が執り行われることが多いようだ。江戸時代から本格的に発達した町ということもあってか、秋に収穫祭のような形で行われるのではない。

祭りという話を聞いて、弊息子タケが言う。「ブルーハワイ、食べたい」と。

単に「ブルーハワイ」と言いたいだけちゃうんか、と思うが、彼は「ブルーハワイ」と言う。

「ブルーハワイって、何味だと思う?」と意地悪く彼に聞いてみたら、「ブルーハワイ味」と身も蓋もない答えが返ってきた。なるほど。

本当は、彼は縁日で一番興味を持っているのが「スーパーボールすくい」だ。色とりどりのスーパーボールがビニールプールに浮いているのを見て、いつも羨ましがっている。しかし、スーパーボールをもらって返っても困るので、我が家ではほとんど彼にスーパーボールすくいをやらせたことがない。

狭いマンションの部屋の中でスーパーボールを投げられても困るし、かといって屋外でスーパーボールを地面に叩きつけて遊ぶのもまずい。スーパーボールって、都会に住む人間としてはどうやって遊べばよいのだろう?

昔、ヒヨコを売る屋台があったものだが、それに匹敵する「持って帰っても困るもの」だ。

そんなスーパーボールを我が子に我慢させ、その反動でついブルーハワイを買い与えてしまった。気が緩んだ。

念のため、タケには「他の味も美味しいよ」と水を向けてみたが、彼はブルーハワイからブレなかった。味が美味しいから、というわけではないだろうから、単に青色が好きなのだろう。

(2025.05.17)

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