早い段階から、弊息子には早く一人寝ができるようになってほしい、と思っていた。
僕が男だからだろうか、それとも高齢になってから家庭が増えたからだろうか、「子供の都合に大人たちが振り回されないようにしたい」という願いがあった。たぶん、長い独身生活を通じて一人で心地よい時間の過ごし方が身に染み付いてしまったからだろう。
もちろん育児放棄をするつもりはない。子供の面倒を見つつも、大人の時間が確保できる何かがないだろうか。
そう思ったとき、思いついたのが「見守りカメラ」だった。
子供がまだ小さいうちは、寝かしつけたあとも常に様子を見ていないといけない。うっかりうつ伏せになって窒息死する可能性があるし、それ以外でも「乳幼児突然死症候群(SIDS)」を発症する可能性がある。「子供が寝たから、親はリビングに戻ってテレビを見る」というわけには、なかなかいかない。
でも、見守りカメラを寝室に置いて、常に弊息子の様子をリビングから見ておけば安心だ。
昔は、専用のカメラと、専用のディスプレイをセットで買う必要があった。でも今は、びっくりするくらい廉価に買うことができる。カメラはUSB給電のもので、ディスプレイはスマホアプリで済むからだ。
スマホというのは、21世紀最大の発明かもしれない。この存在のおかげで、いちいちしょうもない専用リモコンやデバイス、家電のボタンが省略された。今や我が家のエアコンや洗濯機、風呂湯沸かし器などは全部スマホアプリで操作されているくらいだ。
とはいっても、インターネットを経由してカメラからスマホに映像が流れることになる。セキュリティは大丈夫なのか?という不安がある。Amazonで調べたら聞いたことがないメーカーのものを含めて、たくさんのカメラが売られている。「カメラを勝手に操作されてプライバシーを抜かれた」なんてことがあったら困る。
そうなると、安いからといってどこのメーカーでも良いわけではなく、ある程度信頼できるメーカーがよい。Panasonicはまさに赤ちゃんを意識した見守りカメラを出していて、ここならば安心できるけれど高すぎる。
当時、まだ仕事に復帰しておらず専業主婦状態だったいしは、このカメラの導入にあまり乗り気ではなかった。添い寝でいいじゃないか、という考えだった。
なので、僕としては「そんなにコストがかからないんだよ」「セキュリティもある程度信頼できるよ」「あると便利だよ」ということを強調して導入を推進する必要があった。
その結果、選ばれたのがこれ。
我が家は相当Anker製品だらけだけど、見守りカメラもAnkerを選んだ。モバイルバッテリーからはじまってロボット掃除機、そして今や家中のUSBケーブルをAnkerに置き換えつつあるほどAnker好きだけど、いよいよ見守りカメラまでAnkerだ。
Ankerは中国メーカーなので、中国に情報を抜かれる可能性は否定できない。しかし国家ぐるみで情報を盗られるというよりも、製造メーカーの想像の及ばない第三国の第三者が盗み見する可能性のほうが危ない。
なので、実際の運用では、「子供を寝かしつけて、寝たとき」から「いしが寝るために弊息子と添い寝をはじめるまで」の間だけ、電源ケーブルを刺す運用にしている。もし盗み見をされたとしても、単に弊息子のタケの寝姿が写っているだけだ。
もちろん、実は電源を抜かれても密かにカメラは動作していてデータを収集しているんだ、などという疑惑は否定できないけど、疑いだしたらきりがない。
僕がいつも言葉に気をつけているのは、うっかり「監視カメラ」と口走ってしまわないことだ。「見守りカメラ」という言い方を心がけている。子供を監視しているようなニュアンスになってしまうと、いしは導入に賛成してくれなかったかもしれない。
「監視カメラ」と「見守りカメラ」は、カメラの機能としては一緒だ。僕が買ったAnkerのカメラでも、両方に対応している。でも、設定が異なる。
「見守りカメラ」というのは、写っている被写体が動いたり泣いたりすると、それを検知して画面にポップアップウィンドウを出してくれる。つまり、被写体が画面内にいる、というのが前提になる。
一方、「監視カメラ」というのは、被写体が写っていないのが前提になる。で、何かが写り込んだら警告音を鳴らしたり、ポップアップを表示させることができる。
今回買ったカメラにはジオフェンシング機能がついていて、スマホのGPS機能を使ってカメラの「在宅時の挙動」と「外出時の挙動」を切り替えることができる。外出中は監視カメラとして使い、在宅中は見守りカメラとして使ったりするのを自動切り替えできる。
ただ僕らの場合、使う時だけ電源を入れ、見守りカメラ専用として使う。ジオフェンシング機能はOFFにした。みすみす、自分の居場所を詳細に把握されるのは嫌だ。
あと、うっかり間違えて監視カメラ状態でカメラを立ち上げてしまい、画面に子供が写ったら大音量で警告音が鳴り響いたことがある。子供がびっくりして泣いたので、それ以降は使っていない。
上の写真は、子供が保育園でRSウイルスをもらってきて、一週間ほど休園して自宅療養していたときのものだ。僕自身その間仕事を半日休みとかにして看病に当たったのだけど、感染症なのであまりベタベタ彼に近づくのもよくない。そんなわけで、昼間っから見守りカメラには活躍してもらった。
この当時はまだ幼く、午前と午後にしっかり2時間近くお昼寝をしてくれるので、看病はまだ楽だった。
夜になると、暗視カメラになる。なので真っ暗な中でも、子供の様子を確認できるので便利。
カメラの首は上下左右に動かせるので、子供の位置がズレても追随可能だ。とはいっても、子供がずれる、ということは布団から出ていて風邪を引く可能性があるので、カメラの向きをスマホ遠隔操作で調整するより、寝室に行って子供を調整したほうがいい。
ペット用のカメラとしても使うことを想定して作り込まれているため、「画面内で指定した枠より外に被写体が出たらアラーム」「その逆で、枠より中に被写体が入ってきたらアラーム」「被写体を自動追随して常に被写体を追いかける」という男心をくすぐる機能もある。でも、寝ている子供を見守るだけなら、そんな機能は何一つ必要なかった。単に映るだけで十分。
最近は夜泣きをするようになったので、泣くとリビングに置いてあるタブレットに「泣き声を検知しました」とポップアップが表示され、便利だ。今でこそ立派に成長あそばされたので、泣くときは大声を出す。ポップアップを待たずとも、声が寝室から聞こえてくるので困らない。でも、まだ幼いときは泣き声がか細かったので、このポップアップは便利だった。
こういうメカの導入で、子育てが楽しくなるならどんどん今後も導入していきたい。母親の深くて広い愛情はなかなか父親では真似できないものだ。ならばせめて、お父さんが大好きなメカニカルな分野で、子育てを盛り上げていければいいと思う。
(2021.01.15)
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