リモコンを愛するなら電卓で勘弁してもらえないだろうか

どこの家庭でもそうだろうが、子供はやたらとリモコンを好む。スマホも大好きだ。

でも親としてはリモコンを死守したいわけで、日々攻防戦が繰り広げられている。

とはいっても、親である僕としてはとても心苦しく思っている。ああ、せっかく弊息子が興味を持ち、手に取ろうとしたものを眼前で取り上げるのか、と。彼の無限の好奇心からくる将来の可能性を一つ摘んだ気がして、申し訳ない気持ちになる。

やんちゃな子供に対して、いちいち申し訳ながっていたらきりがないのだけど、僕は日々そういうことで心を病んでいる。違った、心を痛めている。

そこで思いついたのが、リモコンの代わりに電卓を授ける、ということだ。

電卓なら、いくらカチャカチャいじっても照明が消えたりテレビがONになったりはしない。極めて安全なスタンドアロン家電だ。これだったら、ブン投げないかぎりは好きに使ってもらっていい。

試しに触らせてみたら、まあまあ悪くない感触だ。

後日、職場にあった「20年来使ってきてついに壊れた電卓」を家に持って帰り、彼専用おもちゃとして授けた。この電卓なら、キーを押すたびにカチャカチャと派手な音がなるし、最後に「=」ボタンをターンと押すと爽快だ。きっといいおもちゃになるに違いない。

・・・と思ったのだけど、大して興味を持ってもらえず、放置されてしまった。あれれ、そんな馬鹿な。

相変わらずリモコンは狙いすましている。リモコンを見ているときの目の色が違う。でも電卓を見る目は全く輝いていない。この差はなんなのだろう。

リモコンのようにスティック状の方が彼にとって握りやすいのか?とか、あれこれ考えてみたが、一つの結論に達した。ああそうだ、大人が真剣になっているかどうか、だ。

結局タケにとっては、リモコンをゲットすることそのものよりも、親たちが自分のところにすっ飛んできて構ってくれることに価値があるのだろう。

リモコンなら、僕は慌てる。でも、電卓は「どうぞ好きに遊んでいいよ」と余裕だ。親が余裕で相手してくれない状態だと、彼にとっては面白くないようだ。

1歳に満たない子供とはいえ、侮れない洞察力がある。

(2022.01.05)

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