因果関係を教えたい

自分が幼稚園の頃からピアノをはじめとして音楽に親しんできた環境にいたので、子供にも音楽を愛してほしいという気持ちがある。

音楽を好きになるかどうかはともかく、「叩けば、音が出る」「吹くと、鳴る」みたいな因果関係というのをどんどん彼に吸収していってほしいと考えている。

まだ彼にとっては、新聞紙をガサガサ鳴らしてみたり、空き箱を手にとって振り回してみたりすることも因果関係だらけで、全てが学びだろう。大いに結構だけど、父としてはそういう原始的な動作に加えて、音楽性を取り入れたい。

時間があれば、タケを電子ピアノの前に座らせて鍵盤を触らせるようにしている。しかし彼は、子供にとっては相当重たい鍵盤を押すことよりも、ボリュームつまみをぐいーんと回して大音量にしてみたり、楽譜を引っ張って落としてみたり、「音」にはまだ興味がないようだ。

子供のうちから坂本龍一の曲とか聴かせていれば、複雑なハーモニーに対する理解が深まるのではないか?とか、いやそれはやっぱり難しいだろうから、せめてEDMをかけてタテノリで楽しんでくれるだろうか?などと試行錯誤中。でも、どれもダメっぽい。さすがに0歳児の興味の対象ではないらしい。

結局、「聴かせよう」として聴かせているうちは、子供の身につかないだろう。「門前の小僧習わぬ経を読む」の格言どおり、親がふだんから聴いている曲をそれとなしに聴いているうちに身につく、ということはあるだろうけど。

でも、僕自身の音楽体験というのが、今やほぼ全てイヤホンの中で完結している。同じ曲をみんなで聞く、という体験が少なくなってしまった。これはタケが大きくなる前にどうにかしたい。

僕自身、全く興味がなかったけど、親が週末にコンポでかけていたクラシックを何度となく耳にし、それで少しはクラシックを知るようになったものだ。本棚もそう。親の本棚で子供は育つ。でも今の我が家には、本棚がない。あっても、レシピ本とか参考書が置いてある程度で、恐ろしく文化としては貧弱だ。

実家に、甥と姪が使っていたタイコのおもちゃがあったので貰ってきた。

電池式で、叩くと「タン!」と音が鳴ってLEDが光る。タイコの音色は変更ができるし、「崖の上のポニョ」をはじめとするいろいろな音楽がプリセットされている。音楽とともにタイコを叩くと楽しい。

タケを前に何度もお手本を見せて、「さあ、やってごらん」とタイコを渡してみたけれど、彼は何度か触っただけで大して興味を示さなかった。うーん、まだ早かったか。子供がどういうおもちゃに反応するか、出たとこ勝負だ。高い期待感を持って買ったおもちゃほどスルーされやすい、という傾向があるので、全く油断ならない。

(2022.01.03)

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