巨大なお年玉

いしの大学時代の友人が、弊息子に向けてお年玉を発送したという。遠方に住んでいる人なので、郵送だ。

しばらくしてそのブツが届けられたが、受け取りのために玄関に向かったいしが「えっ・・・!?えーーー」と困惑の声を上げているのが聞こえた。

何事かと思ったら、スーツケースよりも大きな箱が玄関に置いてあった。なんだこれは。

いしから時々聞く話だと、相当ユニークな発想の愉快な奴らしい。弊息子タケが産まれたときは、イギリスの沖にある自称独立国家・シーランド公国公認の「バロン(男爵)」の証明書が送られてきたりもした。

(なので、タケは本当に貴族だ。タケ男爵だ。ただしシーランド公国とは、遺棄された海上石油掘削いかだで、どこの国もこの公国を国として承認はしていない。切手やコインの発行、爵位の授与などを生業としている)

https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%B7%E3%83%BC%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%83%89%E5%85%AC%E5%9B%BD

それにしても、こんなデカい箱を送ってくるとは何事だ。

開けてみたら、バイクが出てきた。

ヒュウ、かっこいい。いしがうんうんうなりながらドライバー片手に組み立てること数十分で完成。

組み立てる前からわかっていたが、これって0歳児向けのおもちゃじゃないよな。よく見ると、「3歳児から」と箱に書いてった。おい!

これ、単なるバイクのおもちゃではない。れっきとしたEVだ。ライトが光るだけでなく、アクセルペダルを踏むとゆっくりと前に進むらしい。買ったら高そう。ありがとう、でもどうして?という謎は残る。

こういう「相手が困るかもしれない、デカいものとかすごいもの」を相手の都合を考えずに送りつけるという友情関係、好きだ。昔の僕もそういう性格があったので、なおさらよくわかる。一方、今この歳になってくると、「気に入ってもらえなかったらどうしよう?」とか、「廃棄するときに粗大ごみになるから申し訳ないな」などとあれこれ配慮が働いてしまい、エイヤーっと思い切ったことができない。

それは僕が成熟したから、というよりも、無茶な贈り物を贈り合ってハハハと笑いあえるほどの友人が減ってしまったからだろう。「お前、いい加減にしろよ」「いいじゃないか、これくらい」などと言い、むしろそういう出来事が武勇伝みたいな感じで後に語り継がれる、というのは羨ましいことだ。

タケへのプレゼントを見て、今の自分が可もなく不可もなしなキャラクターに収まりつつあることを再認識した。

なお、このバイクは補助輪がついているとはいえ、子供が押し倒したら危ない。部屋の隅でインテリアとして飾られている。タケも、これが自分にとってデカすぎるからか、おもちゃとしては認識できていないらしく、「インテリア」として受け入れているようだ。部屋を探検しまくっていても、このバイクにちょっかいを出すことはしていない。

あと2年くらいしたら、いよいよ出撃かな。

(2022.01.24)

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