子どもにどうやったら音楽を慣れ親しませることができるのだろう(親の勝手な期待)

弊息子タケが生後3ヶ月の頃から、しばらくの間ピアノの前で鍵盤を弾かせることをやっていた。英才教育のつもりはないが、右も左もわからないときから鍵盤を触っていれば何か彼の将来に良い影響があるんじゃないか?と思ったからだ。

でも今じゃ、やっていない。彼が鍵盤に興味を示さず、もっぱら楽譜に手を伸ばしてひっくり返すことや、電子ピアノのボリュームつまみを回したり操作ボタンを触るイタズラばっかりをするからだ。

まだ早すぎたらしい。

ミニサイズの鍵盤ではないし、ヘコヘコと柔らかい感触でもない。一応は本物のピアノの感触を模倣したものなので、0歳児からしたら相当に重たいボタンに違いない。で、これをまだまともに使えない「指」で押せ、という方が無理がある。

僕が学生時代に愛してやまなかった坂本龍一をはじめ、幼少期からピアノに親しみ、子どもの頃から作曲をしていたという逸話は大物作曲家に時々ある。

僕は音楽が好きだったけど、一緒にプレイする仲間や機会がなくなってしまい今ではほとんど楽器を弾くことがない。せいぜい時々ピアノを弾いたり、沖縄の三味線である三線を弾くくらいだ。中学高校と金管楽器のチューバを吹いていた、というマニアックな選択はまだいいとして、大学になってオーケストラに所属してトロンボーンを選択した、というのが一世一代の大失敗だった。なぜなら、オーケストラにおいてトロンボーンというのは出番が少ない楽器だからだ。クラシックが大して好きでもないくせに、オーケストラに入ったのは痛恨の極みだ。とはいえ、大学に入ってまでチューバを吹こうとも思わない。楽器を買うだけでも当時の物価で60万円近くしたし、あんなデカい楽器を家に置く場所なんてなかった。

一方、僕は幼稚園のときから小学校5年になるまでの6年間、ピアノを習ってきた。期間が長かった割には上達しなかったな、と今振り返ってみると気がつくが、そのピアノ体験は自分にとってとても良かったと思っている。タケにも、同じ体験をさせてやりたいと思っている。僕よりも、もう1ランク上に。

譜面通りピアノが弾ければ芸達者として便利だけど、それよりも巷にたくさんある様々な曲のコード進行の面白さやリズム、間といった要素を理解できるようになれればいい。

そんなわけで、貰い物のピアノのおもちゃを前に。

比較的彼にはこのサイズ感が気に入ったらしい。そして、鍵盤の上にずらっと並んだボタンを押せば、いろんな童謡が自動演奏されるというのもいいらしい。野望を抱く僕にとっては「こんなの、子どもだましだ。小さいうちから本物志向でいきたい」と思ってしまうけど、子どもはそんなこと知ったこっちゃねぇ。

知ったこっちゃねえついでに、彼はこの鍵盤を踏みつけてしまい、今となっては鍵盤を押しても「チチチチチ・・」と変な電子音が鳴るだけのものになってしまった。楽器・・・じゃないな、これだと。

(2022.03.23)

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