モンテッソーリ教具をあれこれ作ってみる

4月から弊息子タケの保育園が変更になるのだが、その端境期にぽっかりと空白期間ができた。

3月31日でこれまでの園はおしまい。では4月1日から新しい園に通えるのかというと、そうではなかった。4月1日は今までいる園児たちの「進級式」なるものが行われているそうで、入園式は4月2日の土曜日に行いますよ、という。

つまり、タケの初登園は4月4日から。しかも最初は慣らし保育で40分だけの保育園滞在(親同伴)ということになっている。oh...仕事どうするんだ、状態。

そんなわけで、タケが家で退屈しないようにモンテッソーリ教具を用意してみた。

子ども向けの玩具売場にいけば、しっかりしたものが売られているのかもしれない。でも、子どものおもちゃなんて買いはじめるとキリがない。せっかく思い入れたっぷりに買ったのに、子どもが見向きもしない場合もあるし。なので、自作だ。

まずは、「とおす」の敏感期向けに用意したものだ。キッチンペーパーホルダーが家にはあるので、これを輪投げの棒に見立て、ゴムを棒に「とおす」お仕事をやってもらう。

ゴムは100円ショップで売ってたものだ。

キッチンペーパーをベリッと引きちぎるためにある細い棒なら、このゴムはすんなりと「とおる」。しかし、キッチンペーパーの芯を固定するための太い棒は、ゴムを両手で引っ張りながらでないと、通らない。

1歳の子にはまだ早いかな、と思ったけど、案の定まだ早かった。

「ゴムを棒に通して落とすと、なんかイイカンジっぽい」というのは子どもでもわかるようだ。僕がお手本を見せたことによって、自分でもやってみようとする。しかし、よせばいいのに太い棒のほうにゴムを通そうとするので、まだ両手を使って複合的な動きができないタケは失敗を繰り返す。

「太い方じゃなくて、細い方がいいよ」

と何度教えても、彼は太い棒しか興味を示さない。どうやら、一攫千金のギャンブラー気質らしい。なんだかなぁ。

で、結果的にかんしゃくを起こして、ゴムをバーンと投げつける。ほぉー、面白いものだ、1歳児でも「やってられっか!」という気持ちってあるんだな。

最終的には、キッチンペーパーホルダーを「棒倒し」の遊びということに発想を切り替えて、何度も何度も押し倒していた。趣旨が違うけど、本人が楽しんでいるならまあいいか。

時期を見てまた改めてやってみよう。まだちょっと早かったようだ。

子どもの「あるある」で、ティッシュペーパーをどんどんむしられてしまう、という事がある。我が家もまたしかり。

慌てて止めに入り、今じゃ彼の手が届くところにティッシュは置かれていない。でも一方で、せっかく彼が興味を持ったものを隠したという申し訳ない気持ちもある。

そこで、疑似ティッシュペーパーを作ってみた。

モンテッソーリ教育でいうところの「つまむ・引き出す」の敏感期向けだ。

100円ショップで、化粧用脱脂綿やマスクなどを入れておくのに使う穴あきケースを買った。この中に、ティッシュを模して小さく切ったダスターでも入れておこう・・・と思っていたのだけど、もっと良いものを見つけた。キッチン排水溝用の生ゴミネットだ。これをケースいっぱいに詰めてみた。

白いので、見た目はティッシュっぽい。そして、これならいくらタケが引っ張り出しても、再利用ができる。何度でも遊べる。

さっそく与えてみたら、しばらくタケは面白がって遊んでくれた。その様子を見ていて感心したが、なるほどこの動作は「指でつまむ」という行為だ。こういう作業を小さいうちから繰り返していると、脳の発達には良さそうだ。

「子どもの思うままに、公園を走らせて遊ばせてればいい」という考え方が一般的だと思うけど、モンテッソーリ教育はもっと繊細だ。指先や知性を要求する。遊びを「お仕事」という言い方にしているのも、納得だ。

この疑似ティッシュ、企画としては大成功だと思ったが、二週間程度で飽きられてしまった。指でつまむ敏感期が終わってしまったのではない。たぶん、生ゴミネットが微妙にほつれて、爪にひっかかったりチクチクするので不快だったんだろう。

これはちょっとした工作を伴った教具。味噌を入れる容器の蓋に十文字の穴を開け、そこにチェーンを通したもの。チェーンの末端には腰からぶら下げるハンドタオルホルダーをくくりつけ、穴からチェーンが全部抜けきらないようにしてある。

「引っ張る・出す」の敏感期向け教具。

家をハイハイするようになった生後9ヶ月前後から、タケは目に留まるケーブル類を引っ張るようになった。そして、歩けるようになると、窓際のバーチカルブラインドを握りしめて引っ張るようになった。

電源ケーブルは退避できるけど、バーチカルブラインドは勘弁してほしい。ポリエステル製で、一度シワができるとシュッとした直線のデザインが崩れて直らなくなるんだ。

新居入居の際、家のリフォームを手伝ってくれた一級建築士さんから「バーチカルブラインドはおすすめしませんよ。私も好きなんですけれど、子どもがいると難しいです」と言われていた。その想定が今まさに目の前に。

タケのバーチカルブラインド引っ張りたい欲を緩和させるためにも、代替手段を用意しなくちゃ・・・そんな危機感から作ったのが、このチェーンだ。

チェーンを引っ張ると、狭い穴をゴトゴトと通過するので手にその細かい振動が伝わってきて楽しい。そして、長さが2メートルあるので引っ張りたい放題だ。彼はこれをいたく気に入ったようだ。今回の3品の中ではもっとも受け入れてもらえた。

僕が筒を逆さに吊り下げて、彼がチェーンを引きずり下ろしてみたり、僕がチェーンを持った状態で彼が筒を引っ張ったり、いろいろなバリエーションが生まれた。

ただ、こういう遊具は「持続性の強度」がやっぱり足りない。市販のおもちゃと比べて、飽きられるスピードが早い。市販のおもちゃはさすがによく考えられていて、一ヶ月でも二ヶ月でも遊べるものがある一方、こういう自作おもちゃはシンプルゆえに半月が限界だ。

また、このチェーンのおもちゃは大人が近くで見ていないと、うっかりするとチェーンを首に巻きつけて窒息するなんていう事案が発生しかねない。安全配慮は大事だ。

モンテッソーリ教育という概念を完全コミットする予定は今のところないけれど、折に触れてこの手の教具を自作してみようと思う。

(2022.04.01)

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