
最近の弊息子タケは、スプーンを使えるようになってきた。一つまた成長していく。
子どもの成長というのは、親として喜ばしく思うものだと思っていた。でも僕は、結構冷静にその様子を見ている。
「すごいねー!!よくできたねー!」と激賞はする。しかしそれは彼のモチベーションを高めるためと、正しいことをやっているというフィードバックを彼に理解させるためだ。心底喜んでいるというわけではない。
このあたりは父親と母親で感覚は違うのだろうし、父親であっても人それぞれなのかもしれない。
僕は、「この子どもの成長にどう伴走するか。どうやって彼の興味・好奇心・運動能力を高められるか」ということの方が気になっていて、スプーンが使えるようになったというのはその1ステップにすぎない。
壮大なRPGにおける、主人公がレベルアップしてスキルや武器を手に入れいた程度の認識だ。
彼に対して、「こういう大人になって欲しい」という希望は特にない。ただ、親としてできることはしっかりやっておきたいと思っている。子どもの成長が目まぐるしいからこそ、「今できること、明日あさってにできそうなこと」をちゃんとフォローしたいと思っている。
なんでこんなに子育てに夢を持っていないのかというと、たぶん僕の年齢が関わっていると思う。なにせ47歳のときに生まれた命だ。彼が成人したときには、僕は年寄りだ。いくら長寿時代になったからといって、気力体力知力が彼と並び立つ時期なんて、ごく短い。彼の夢は僕の夢、という二人三脚感がほとんどないのだった。
じゃあ彼には良い学問や体験の機会を与えなくてもよいのではないか?という発想になりそうだけど、そうならないのが僕に染み付いた「親としてあるべき姿」価値観なのだろう。僕がもっと利己的に振る舞えば、チビ助のタケのことなんてどうでもよいはずなんだけど。
僕の人生、少なくとも健康寿命における人生はすでに後半に入っている。その後半をこうやって子育てで過ごしていくことになるとは予想だにしなかった。
(2022.04.03)
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