いしが、テレビのニュース番組で保育園児たちが並んでテケテケ歩いている映像を見かけて「アチ!アチ!」と興奮して叫んでいる。
なんだそれ?
「かわいいよね、子どものアチ」
「アチって?」
「足!」
ああなるほど。可愛さあまって、言葉がなまって「アチ」になったらしい。たしかに、大人とくらべて遥かに胴長短足で、歩けるとはいえまだ必死さが伴う子どもの歩みを見ていると愛らしさを感じる。「アチ」と呼びたくなる気持ちはわかる。

「アチを閉じて膝がくっついている状態だと、キューピーちゃんみたいで特にかわいいですよ」
と言う。なるほど。
ほかにもいしは「オチリ!」という言葉もよく使っている。「オチリかわいい」を連呼する。
「オチリがかわいい、といってもおむつを履いているでしょ?おむつでふっくらしたシルエットがいいの?」
「いや、割れ目が可愛いの」
「割れ目!」
言っていることはわかるんだが、こうやって自分のLikeをバンバン言葉にする文化が僕にはないので、ただただびっくりする。確かにアチもオチリも良いものだと思う。おずおずと僕も同意する。
「ちなみにウデは?」
「ウデはあまり大したことない。あ、でも手のひらは可愛い」
なるほど。
(2022.06.01)
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