タケ便屋さん

いつも外出先からの帰りに集合玄関のポストに立ち寄り、郵便物を受け取る。

その間、弊息子タケはあちこちウロウロし、人んちのポストを触ってみたり、外に逆戻りしようとするので気が気じゃない。

そこで、「タケ便屋さん、これを家まで届けてください」と彼に郵便物を渡すことにした。

すると彼は嬉しそうにその紙を受け取り、それ以降は従順になる。渡した紙は不動産のチラシとか、水道トラブル迅速対応のマグネットでこの後すぐにゴミ箱行きとなるものばかりだけど。

最初は「これはいいアイディアだ」と思っていたのだけど、彼はあっという間に学習し、このミッションに飽きた。

今では嬉しそうに郵便物を受け取るものの、紙質を手触りで確認したらその後嬉しそうにポイ捨てするようになった。

おいやめろ、拾うのが面倒じゃないか。

そこで彼の成長を待って、今度は軽い荷物を持ってもらうことにした。もっぱらAmazonから届いた軽い箱だ。中には小さな荷物しか入っていないのに、箱だけ大きいやつ。

これが正解だった。本人は「タケ便屋さんの本領発揮!」とばかりに嬉しそうで、荷物を抱きかかえて家まで運んでくれるようになった。その間は両手がふさがっているので、悪さをしなくなった。これまではエレベーターのドアを触ろうとしたり、消火器を押し倒しそうになったり、ヒヤヒヤすることが多かったのだけど。

彼はだんだんお手伝いをしてくれるようになってきている。ただ、それは「親の負担を肩代わりしよう」という親孝行ではない。彼は「親に楽をさせたい」なんてこれっぽっちも考えておらず、単なる遊びの一貫だ。なので、飽きたら大人がびっくりするくらいポイッと責任を放棄する。タケ便屋さん!荷物を落とさないで!

(2022.06.22)

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