ビニールプールを買った。
トイザらスで、3,000円くらいだったと思う。デカければデカいだけ、子どもの楽しさは増すと思ったが、値段がどんどん高くなる。あと、かさばって置き場所に困る。なので、売り場に置いてあった「中くらい」のを買った。
家からそう遠くない公園に「じゃぶじゃぶ池」がある。夏の間、休日は毎日そこで水遊びだ!と当初は意気込んでいた。
なので、ビニールプールを買うなんてまったく想定していない展開だった。余計な出費になったなぁ、と思う。だって、プールのほかにも、空気入れを買わなくちゃいけない。地味にボディブローのように出費が積みあがる。
じゃぶじゃぶ池があるのにビニールプールを買ったのは、案外この子が病気がちだからだ。
1歳を過ぎて2歳にかけては、弊息子タケに限った話ではなくどの子も似たような状況らしい。母親から譲り受けた免疫力が低下し、ウイルスに対してガードが低くなる。一方で活動は活発になるので、あちこちで病原菌をもらってきてしまう。
まさにタケがその真っ最中で、ここ最近は毎月のように保育園を病欠している。RSウイルスにかかったりすると、だいたい一週間近くお休みとなるので、病人である子だけでなく親も大変だ。なにせ、病んでいる期間は短いけれど、病み上がりから本調子に戻るまでがずるずるとしぶといからだ。
そもそも、登園できるような体調になっても、鼻水を垂らしている状態だとじゃぶじゃぶ池に連れていくのはまずいだろう。周囲の子ども達に悪影響だ。
ほかにも、本人が元気なのに保育園がコロナ休園になったり、保育園からは「プール熱など感染症がはやっているのでじゃぶじゃぶ池の利用は注意してほしい」とやんわりと通知が出ている。あれれ、案外じゃぶじゃぶ池が使えないぞ。
親として困るのが、元気を持て余したタケが家の中で乱暴・ろうぜきに至ることだ。夫婦間では、真剣に「次にコロナ休園があったら、家の中に子供用のジャングルジムと鉄棒がセットになった大きなおもちゃを買おう」と議論したくらいだ。
結局ジャングルジムなんて買わなかったし、今思えば冗談のような笑い話だけど、当時は真剣にそんな話をしていた。それくらい、子どもを家の中でどうやって過ごさせるかは大変だ。
テレビを見せたり、YouTubeを見せるのは節度をもっておきたい。安易にそっちに流れると、不可逆的に動画の刺激になじんでしまう。かといって、タケに「一人おとなしく遊んでくれ、絵本でも読んでいてくれ」なんてのは無理だ。
そんなわけで買ったのが、「誰にも病気をうつさない・うつされない」ビニールプールだった。まさか自分が買うことになるとは思わなかったなぁ。
タケをプールに入れてみる。きょとんとしていて、さほど楽しそうではない。あれっ、そんなものか。
確かにそうかもしれない。風呂のサイズよりもちょっと大きいだけのプールで、風呂にあるものと同じ水鉄砲やひしゃく、アヒル人形などで遊ばせても目新しさがない。
「バルコニーから外の景色が楽しめて開放感があってよい」
なんて子どもは思わないだろう。これだったらお風呂で良かったのではないか感がある。
あれー、ビニールプールってこんなものだったっけ。もっとワクワクして楽しいものだと思ったのに。兄弟がいると楽しさが倍増するのかな。一人だったらそんなに楽しくないものだったっけ?
疑心暗鬼になりながら、タケとしばらくたわむれた。
(2022.07.23)
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