あまりに「ゾウ」と言うので実際にゾウを見に行った

上野動物園へ。

都心一等地にある動物園なので、気軽に訪れることができる。値段も安い。小学生まで無料だし、大人だって入場料は600円。

最近の弊息子タケは、「ゾウ!」とやたらと言う。自分が覚えた動物の名前を言いたくてしょうがないらしい。1歳児にとって、「ゾウ」というのは発音しやすいようだ。「ウマ」とか「イヌ」といった言葉はまだぜんぜん言えない。

ゾウという言葉を言いたいがために、動物図鑑のゾウのページを開いては、僕を見ながらゾウを指さして「ゾウ!」と叫ぶ。親としては「そうだね、ゾウだね」としか答えようがない自己主張だけど、微笑ましいものだ。

彼が熱心に動物図鑑を眺めているのは結構なことだけど、僕がその傍らで二次元の絵や写真を使って「これはトラだよ」「これはクジラ」と一生懸命教えているのはなんだか虚しかった。単語の丸暗記をさせているような気になったからだ。

動物に限った話じゃない。乗り物が好きな彼は、乗り物図鑑でヘリコプターという存在を学んだ。しかし彼はまだヘリコプターがプロペラをくるくる回しながらホバリングするという動作を全く知らない。図鑑でしか見たことがないからだ。頭でっかちに育つのはよくないので、いずれヘリコプターを見せに連れていきたい。

その第一歩として、まずはゾウだ。上野動物園なら、入り口入ってすぐのところにゾウがいる。

彼は過去に上野動物園を訪れた際、もちろんゾウを観察している。しかし今回、改めて「ゾウ!」という言葉を覚えて口にするようになった今、実物のゾウを見ていろいろ学んで欲しい。デカさとか、動きのスローモーさとか。なんなら、ウンチの大きさも。

わざわざ家から持ってきた、大きくて重たい図鑑のゾウと眼の前のゾウを見比べる。

タケは、最初若干困惑している様子だった。困惑、というのは大人目線での形容表現で、実際の1歳児にとっては単によくわからなかったのだろう。写真という二次元と、眼の前の三次元がイコールというのはピンとこなくて当然だ。

しかも、当たり前だけど目の前のゾウと写真に写っているゾウは、姿かたちがちょっと違う。大きくくくればゾウに違いないのだけど、ゾウにも個性がある。そういうのを全部腹落ちして、「なるほど、目の前にいるのもゾウ、図鑑に載っているのもゾウ」と理解するのにはちょっと時間がかかるのかもしれない。

彼にとっては、実際にノッシノッシと歩くゾウさんに価値があるとは思っていないようだ。

遠巻きに観察するしかない実物のゾウよりも、実際に触ることができるゾウの銅像のほうが気に入ったようだ。しきりに銅像をゾウ!と叫んでいた。我が息子よ、ゾウの像に対してゾウ!と声をかけるのはダブルミーニングでなかなか良いセンスだぞ。

図鑑に載っている動物の実物がここにはいる、ということを知ってからは、彼はずっと図鑑を手放さなくなった。園内を歩くときは、ずっとこの重たい図鑑を手にしていた。

可愛らしいといえるけれど、ときどき重さに疲れて、図鑑をボトッと地面に落とすのは勘弁してほしかった。なにせ図書館で借りてきた本だ。アスファルトの上に落とされると、ハードカバーの角が凹む。

パンダも見に行ったが、彼はいまいちピンと来ていないようだった。

遠くで笹をムシャムシャやっているパンダをうまく視認できなかったっぽい。

1歳児の視力が0.2、2歳児の視力がだいたい0.5と言われている。遠くにいる動物はぼやけていたんだろう。

今日は時間切れだったけど、次回はハシビロコウを見に行こう。ハシビロコウなら、じっと身動きしない鳥なので、じっと観察できるだろう。

(2022.11.13)

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