わざとソファの奥におもちゃを押し込む

弊息子タケは、貰い物の新幹線のおもちやが大好きだ。

レールを繋げてその上を走らせるよりも、床をゴロゴロ転がして新幹線を走らせるよりも、コレクションのようにずらりと車両を横に並べるのを好む。

子どもは2歳を過ぎてくると、独特のこだわりや美学が生まれてくるのだと思う。

そんな彼だけど、時々新幹線をわざとソファの奥に転がす。そして大きな声で「無いよー!?」と叫ぶ。最初、彼がうっかり力加減のミスでソファの下に新幹線が入ってしまったのだと思っていた。しかし、何度も「無いよー!?」が繰り返されるので、遠くから彼の様子を見ていたら、親の気をひこうとしてわざと新幹線をソファの下に転がしていることがわかった。

「無いよー!?」
「無いねぇ。新幹線、どこ?」
「こっち!」

と言って四つん這いになってソファの下を指差す。

彼はどれくらいの力加減で新幹線を転がせば、ちょうど壁際ギリギリのところに静止するかを学習済みだ。強く新幹線を転がすと壁に当たって跳ね返って戻ってきてしまう。しかし、壁際ギリギリだと、大人の僕でも手が届かない。レールを使って、なんとか新幹線を引っ張り出すことになる。

そんな僕の様子を見て、彼はとても満足そうな顔をしている。親が自分のために努力をしてくれている、という姿を見ることができて、嬉しいらしい。

タケよ、そんなことよりもあなたのお父さんとお母さんは毎日のご飯代や家賃のために頑張ってお仕事をしているんだ。お仕事をしていることにも感謝をして欲しい。でも、「親が仕事をしていること」に関してはなかなか理解してもらえないと思う。何しろ僕の場合、自宅テレワークでパソコンに向かって何かやっているだけだから。彼にとっては「仕事といっても、楽そうだ」ときっと思うだろう。

(2023.03.25)

コメント

コメントする

このサイトはスパムを低減するために Akismet を使っています。コメントデータの処理方法の詳細はこちらをご覧ください