エビフライを鷲掴みで食べる

弊息子タケは食物アレルギーがあるので、僕が料理を作る際は食材選びに慎重だ。

子どもと親とで別の料理を用意して、子どもはアレルギー食材除去食、大人は通常の食事というやり方は可能だ。しかし、夫婦共働きで忙しい僕らにとって、あまり料理に時間をかけられない。なので、彼がアレルギー反応を示す食材は、僕ら大人も食べる機会がすっかり減ってしまった。

彼の場合は魚類の摂取で体が過剰反応を起こしがちなのだが、アレルギー症状が出るか出ないかは魚の種類によって異なる。そしてアレルギー検査自体が、すべての魚類を細かく網羅できるものではないので、どの魚がアウトでどの魚がセーフなのか、わからない。

ただ、一つ朗報だったのが、直近の検査で彼には甲殻類に対してのアレルギー反応はないことがわかったことだ。つまり、エビとカニは食べられるということだ。

とはいっても、手放しで喜べるわけではない。あと数年すれば彼が甲殻類を食べることでアレルギー反応が出るようになるかもしれないし、エビを食べても問題が出なくても、シャコならダメかもしれない。いずれにせよ、たんぱく質を含む食べ物を彼に与える際、親は常に慎重に彼の様子を観察しなければならない。

今日、彼はエビフライを初めて食べた。

実家から送られてきたもので、とても大ぶりな冷凍エビフライだ。僕が油で揚げて、サクサクの食感になっている。

初めて見る料理だが、彼はあまり警戒せずに手づかみでかぶりついた。せいぜい、「アッチイよ、これアッチイよ」と熱さに対して警戒していたくらいだ。どうやら、「この料理の外観はコロッケやトンカツと同じなので、きっと美味しいに違いない」と彼は判断したようだ。過去の経験の記憶が着実に蓄積されていることが、傍から見ていてよくわかる。

初めて見る料理に対しては警戒心を隠さない彼なのに、エビフライに関しては貪欲だった。あっという間に1本食べ、「多分食べないだろうけど、お皿の見栄えとして用意した」2本目のエビフライもすぐに食べてしまった。ああ、その2本目が食べ残されたら、親が食べようと思っていたのに。

さらには、空になったお皿を指差し、大きな声で「無いよ!?」と叫んだ。3本目を食べたい、という意思表示だ。さすがに3本目のエビフライを彼に渡すのはもったいないので、僕は「今日はここまでだよ」と彼を説得することになった。こんなにエビフライが好きだとは思わなかった。

よく考えると、レストランで提供される「お子さまランチ」って大抵エビフライが乗っている。エビフライが必須アイテムのようにお子様ランチに使われるのは、エビの見栄えが良いので飾りの意味合いが強いからだ、と僕は思っていた。でも、たぶん子どもって本当にエビが好きなんだろう。侮っていた。

じゃあ、「エビのチリソース炒め」を彼に与えたらどうなるのだろう。「辛い」と言って嫌がるのか、それとも「辛いけどおいしい」と食べ続け、また「無いよ!?」と叫ぶのか。今度、機会があったら試してみたい。できるだけ辛くならないように味付けには気をつけて。

(20232.03.28)

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