緩衝材はいつの時代も子どもの良きおもちゃ

Amazonから届いた段ボールの中に入っていた、空気が入ったビニール袋の緩衝材。

弊息子タケがそれを発見し、段ボールの中から引っ張り出してきた。

うっかり彼が自分の首を締めて窒息する危険性があるので、僕はちょっと離れたところで彼の様子を観察した。

すると、彼はビニール袋を踏み潰し、袋をポン!ポン!と割り始めた。これはこれで彼の足がぐにゃっと曲がって捻挫するのではないかと僕は心配だが、彼はすぐにコツを掴んだようだ。

それを見て、僕が子どもの頃に愛した緩衝材、通称「プチプチ」を思い出した。プチプチを親から譲り受け、全部の膨らみを自分の爪で潰して遊んでいたものだ。今では「プチプチ」を見かける機会は減り、おそらくタケは延々とプチプチを潰し続ける楽しみ、というのを体験する機会が少ないまま大人になっていくのだろう。

オンラインショッピング市場が巨大化し、お店は荷物個別のサイズごとに最適な箱を選んだり梱包したりする、ということが減った。一回り大きな箱に商品を詰め、商品と箱との隙間を大きい緩衝材で埋める、というのが一般的になった。それにより、「プチプチ」のような小さなサイズの緩衝材は出番が減ってしまった。

では、今後もその傾向が続くのか?というと、それは違うと思う。

日本の物流業界は慢性的に人手不足であり、2024年以降はさらに人手不足に拍車がかかると言われている。BtoBであってもBtoCであっても、どのように物流を効率化するか・またはサービスレベルの低下を受容するかというのが物流・流通業界の喫緊の課題となっている。

そんな中、「商品のサイズに不釣り合いな大きな箱に商品を入れて運ぶ」という非効率性が問題になる可能性はある。少なくとも最近の大手ECサイトは、昔と比べて随分様々なサイズの段ボールや封筒を駆使して配送の省スペース化を実現しているが、もっとそれが進化する可能性があるかもしれない。そうなると、未来の緩衝材は違う形になっているかもしれない。

究極的には、緩衝材が袋である必要性すらなくなり、箱に空気を充満させ、空気圧で商品が箱の中で動かないように固定するようになるかもしれない。

年齢が若い我が子を見ていると、「この子が大人になる頃に、世の中はどう変わっていくのだろう?」と考えることが増えた。未来に向けて目を向ける、という思考回路を作れたのは、子育てをやったからこそのことだ。

(2023.04.28)

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