長靴を偏愛する

弊息子タケは、長靴が大好きだ。

長靴に働くクルマの絵がプリントされているのが好きだから、という理由があるにせよ、とにかくいつでも長靴を履きたがる。

朝、忙しい中で保育園へ彼を送り届ける役を担っているいしは大変だ。毎朝、彼が出発間際になって「靴は?」と長靴を探し、シューズボックスを漁り、見つけられないとべそをかくからだ。結局、晴れの日でも長靴を履いていく日がここ最近は続いている。

我が子に限った、特殊な嗜好なのかと思ったが、ネットで調べてみたら世界的に多くの子どもが長靴を愛していることがわかった。なんだ、「育児あるある」だったのか。

なぜ子どもが長靴を好むのか?という考察が世間の大人によっていろいろなされているが、そのうちの一つに「自分ひとりでスルッと履くことができるのが快感だから」というものがあった。

なるほど、一般論としてその考え方は正しいと思う。しかし、我が家にある長靴は、彼にとってかなり窮屈だ。スリムなロングブーツを履くのに相当苦労する女性のように、この長靴を履くのには時間と腕力が必要だ。裸足のままでは皮膚の摩擦で長靴を履くことができないので、ソックスを履いて滑りをよくしてから、長靴を履くことになる。

サイズが小さい靴は子どもの足にとってよくないので、これは買い替えないといけないなあ、と僕が考えているのに、彼はそれでもなんとしてでもこのきつい靴を履いている。

この日は、泥まみれになった長靴を洗って干してあったものを発見したタケが、自ら頑張って長靴を履いてリビングに座り込んでいた。自分が履いた長靴を見て、うっとりしている。本当に子どもの趣味というのは不思議だ。

(2023.05.10)

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