電話、という概念をこの子は理解できるのだろうか?

公園の片隅に公衆電話の電話ボックスがあったので、「オー」と叫びながら弊息子タケは中に入ろうとした。何か透明な、変な箱だと思ったのだろう。

ガチャガチャ。

扉を開けようとするが、開かない。

日本の電話ボックスの扉はちょっと開け方が特殊だ。2歳児にとって、どうすれば開けられるのかが理解できないようだ。

僕が彼をフォローして、中に入る。

彼は受話器を持ちたがる。しかし手が届かないので、かわりに僕が受話器を手に取り、彼に渡してみた。

すると彼は、その受話器を耳に当てる。うん、使い方として正解だ。受話器というのはそういう使い方をするものだ。

どこで覚えたのだろう?

これから彼が育っていく世界では、「受話器」を見たり触ったりする機会は殆どないだろう。でも、彼の親である僕ら世代は、まだ「電話専用のデバイスで通話する」ということの記憶がある。その影響で、2歳児であっても「電話」という概念はなんとなく理解できるのかもしれない。日頃彼が見聞きする絵本などでも、電話機が登場する機会がある。

でも、「もしもし」と言いながら電話遊びをすることはできても、公衆電話に使う「テレホンカード」というものは何なのか?とか、プッシュホンって何のためにあるんだ?とか、彼には理解できないことがいっぱいあるだろう。

いずれ、彼がもう少し知性がついてきたら、「なぜチャットではなく、音声通話なんだ?」という質問を僕に投げかけてくるだろう。

そこで僕が気をつけないといけないのは、「僕が若い頃の電話は・・・」と昔語りを延々と続けることだ。それはみっともないし、たぶんタケには全く理解できない話だろう。僕は慎まないといけない。

(2023.05.12)

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