
最近の弊息子タケは、日本百名山の登り方を簡単に紹介しているガイドブックを手に取り、「ここ、行った?」と僕に聞くのが日課になっている。
「うん、行ったよ。ここは眺めが良かったよ。タケも今度行く?」
と言うと、彼は100%決まって「行きたいー」と答える。「行きたくない」という答えは彼に存在しない。
将来、親子で山登りができれば良いと思っている。子を持つ親なら誰しも思うことだが、自分の趣味を子どもが受け継いでくれるというのはとても嬉しいことだ。
でも、登山というツラい楽しみを現代っ子の彼がすぐに理解するとは思っていない。僕自身、高校時代まで山登りなんて拷問に近いと思っていた。でも、大学時代にカメラを買って、「せっかくカメラを買ったんだからちゃんと写真を撮れる場所に行きたいな」と思って行き始めたのが山だ。だから、彼が山好きになったとしても、僕が老いて山から足が遠のくのが先か、それともギリギリ僕が健在なうちに一緒に山に行けるか、どうなるかわからない。
期待はしていない。
彼は毎朝百名山の本を本棚から取り出し、「これはー?」と聞くことをやっていたが、しばらくして飽きてしまったらしい。もうそれ以降は忘れてしまったように何も聞いてこなくなった。単に僕と会話の壁打ちをするための道具として、百名山の本が使われていたらしい。
(2023.07.04)
コメント