保育園ではいろいろなことをやっているようだ。時折、シールを張った紙とかクレヨンで殴り書きされた紙が連絡帳に同封されている。
お絵描きというのは、なかなか共働き家庭である我が家では自宅で取り組めない作業だ。目を離すと、床や壁に油性クレヨンで落書きをされそうだから親がつきっきりでないといけないからだ。だから保育園でお絵かきのカリキュラムがあるのはありがたいと思っている。
まだ彼は手首をうまく使って円を描く、ということはできていない。しかし、ジグザグな直線的な線しか描けていなかった数ヶ月前と比べると、だんだんと曲線を描けるようになってきている。
与えられた紙の中で線を収めようという努力が、出来上がった作品から少し見て取れる。それだけでも、ひとまずは進歩だ。
あと、進歩としては彼が自らの作品に執着するようになってきたことだ。「自分の作品である」ということを意識し、親に見せようとするようになった。これはちょっとした驚きをもって僕は受け止めた。というのは、これまでは成果物を「単なる落書き」程度にしか子どもは思っていなかったし、親の僕だって、「これは後でゴミ箱に捨てよう」としか思っていなかったからだ。
今回、彼は黒いオタマジャクシのような紙と、白い四角い紙を同時に保育園から持って帰った。壁に貼ったら、彼は熱心に僕らに解説をする。何を言っているのかよくわからない宇宙語を彼は喋るのだが、どうやら黒いオタマジャクシはフライパンで、白い四角はお皿だということがわかった。
そして、お皿に乗っている料理は何かというと、カレーだということもわかった。カレーなのか!
言われてみれば、茶色いクレヨンで線が描かれている。黄色い線も使われている。
我が家ではそんなにカレーを食べる機会がないので、きっと一緒にお絵描きをしていた誰か別のクラスメイトの影響を受けたのだろう。だとしても、この作品が彼に与えた影響はとても大きく、この日を境に何日も「カレー、食べたい」と繰り返し言い続けた。
(2023.07.04)
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