「ドドンに行きたいよぅ」

2023年の夏は、あっちに盆踊りがあると知ればあっちに行き、こっちに盆踊りがあると聞けばこっちに行くという日々だった。恐るべきは東京で、その気になれば一日に何か所も盆踊り大会をハシゴすることができた。そんなに盆踊りって好きなのか、日本人は。

あともう一つ驚くべきは、そうやって盆踊り大会をハシゴする僕らが行く先々で、同じ政治家のセンセイと秘書をお見かけしたことだ。しかも国会議員。大変だなぁ。

盆踊り大会に行くと、2歳児の弊息子タケも心がおどるらしい。非日常的な空間と、腹にズシンと響く太鼓の音が楽しいようで、朝から「今日、ドドン行くの?」と僕に聞いてくる。「ドドン」とは、盆踊りのことだ。まだ彼は「盆踊り」という言葉がうまく喋れないので、幼児語として「ドドン」という言葉を使っている。

「ドドン行く。ドドン行きたいよぅ。ドドン行きたかった」

としきりに言う。彼は自らの欲求を親に伝えるため、めきめきと言語能力を高めている。この1ヶ月の語彙力は親がびっくりするレベルだ。そして親と十分会話ができるようになってきた。

なにしろ、「ドドン行きたかった」という過去形まで使えるようになってきた。この言葉を分解すると、「盆踊りに行きたいと過去に思っていたが、結局行くことが実現できなかった。現在でもそれを残念に思っている」ということになる。それを端的に語ることができるのだから、2歳児の発達というのはすごい。

この時に英語を習っていれば、ぐいーっと英語力も身につくのかもしれない。ただ、親である僕らが彼のスピークイングリッシュに対応できないので、やっぱりなかなかバイリンガル教育は難しいだろう。

それはともかく、彼がドドンを愛しているのは、踊りたいからではない。

夜、本来なら家にいる時間帯なのに外に繰り出しているというドキドキ感と、夜なのに公園で遊べる!という喜びが彼を突き動かしている。

そのため、踊りの輪に加わることはほとんどせず、すぐに盆踊り会場脇の遊具に向かい、そこで遊び始める。

こうなると、親も弊息子につきっきりにならないといけない。結局、盆踊りを楽しみに来たというより、子どもの夜遊びの付き添いという立場になってしまい、何をやっているんだ?と自問自答してしまう。

(2023.08.19)

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