
干していた布団を片付けるのが遅れ、夜になってもリビングに弊息子タケの布団が置いてあった。
それを見たタケ、シーツを敷布団から剥がし、顔に被って「おばけだぞー」と言って大喜びしている。
時折、シーツをめくりあげ、「チラッ」と自ら効果音を口にし、僕がちゃんとタケの演技を見守っているかどうか確認する。ちゃんと親が自分の相手をしていないと、彼は文句を言う。
彼に「おばけって、何?」と聞いてみたが、ニコニコするだけでまともな回答が返ってこなかった。「おばけ」という言葉は知っているものの、それが何なのかまでは考えたことがないし、考える気もないらしい。
彼がおばけという概念を真っ先に知ったのは、絵本で「まっくらけーのけっけさん」という作品を読んだときだ。彼はなぜかこの話が好きで、よりによって寝る前に「けっけさん」の読み聞かせを何度も何度も親にねだったものだ。
その作品に出てくるおばけ(けっけさん)は、黒い。なので、彼にとっておばけというのは「白いもの」という概念はまだなかったはずだ。
しかし今では、「おばけ=白い」という理解で固定したようだ。白いシーツを頭からすっぽり被ったような姿かたちで、足がなくて空中に浮いている、というのが彼の「おばけ」像だ。
彼が絵本やお遊戯で知りえる「おばけ」というのは、そういう楽しげなものばかりだ。「死者の魂が・・・」とか、「怨霊が・・・」といった話は出てこない。なので、「おばけ怖い!」という発想はまだ出てこない。
いつ頃になると、おばけが怖くなってくるのだろう。彼の成長を見守りたい。
ちなみに僕は、中学生になっても夜中に起きてトイレに行くのが怖くてたまらなかった。高校生になると、オカルト雑誌「月刊ムー」とかを読むようになったせいかおばけ慣れしたが、その頃見たホラー映画「十三日の金曜日」があまりに怖く、夜中トイレに行くとチェーンソーを持ったジェイソンに襲われるんじゃないか、と違った怖さで身がすくんだものだ。
(2023.08.25)
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