フラップ付き帽子を何故か逆向きに被る

弊息子タケが外出する際には、帽子が欠かせない。

10年ほど前、僕の義姉が「娘が外出するときには帽子と日焼け止めクリームが欠かせない、それでも日に焼けて真っ黒になる」と言っているのを聞いてびっくりしたものだ。えっ、子どもにも日焼け止めクリームを塗るの?と。

でも今、弊息子タケには日焼け止めクリームを塗るようにしている。さすがにこの夏の暑さと日差しの強さは拷問だ。ツラの皮がまだ大人ほど厚くはない子どもにとって、あまりにも紫外線が強すぎる。

いつの間にか、「夏は子どもが外で遊びまくり、真っ黒に日焼けするものだ」という世界観が過去のものになっていた。昭和の時代の話ですかそれは?というレベル。令和の今、真っ黒に日焼けするまで子を外で遊ばせるというのは結構たいへんなことだ。子どももキツいし、子どもに同伴する親はもっとキツい。

そんなタケには、外出する際に必ず帽子を被らせている。最初は猛烈に抵抗していたが、諦めずに無理やり帽子をかぶらせ続けていたら今じゃ率先して帽子を被る子になった。というのも、「帽子を被るということは、外で遊べる!」という法則性に彼が気がついたからだ。そんな簡単なことでさえ、2歳児が理解するのにはしばらく時間がかかる。

彼の帽子は、耳から後頭部にかけて日除けの布がぶら下がっている。一般的に「フラップ」と呼ぶらしいが、日本語における正式名称は「しころ」と言うそうだ。

僕らはこの手の帽子を「ケロロ軍曹の帽子」という呼び方をしていたが、改めてケロロ軍曹の姿を確認してみたら、ケロロ軍曹の帽子は後頭部が布で覆われておらず、両耳あたりを覆う形になっていた。僕らの勘違いだ。

タケがこの帽子を自ら被ると、なぜか前後が逆になることが多い。どうやら、彼は帽子の正しい向きは理解しているのの、わざと着崩すことがかっこいいと思っているっぽい。フラップ部分を前にして、帽子のつばを後頭部に向けて被ってご満悦だ。

間抜けな光景と言ってしまえばそれまでだが、ピンク色の帽子+2歳児ということでとても可愛らしい。つくづく、帽子をピンク色にしてよかったね、と僕ら夫婦は話している。

ジェンダーについて意識向上が図られつつある21世紀の世の中だが、相変わらず大人に染み付いた「男の子らしさ」の概念から抜け出せていない。たとえば、服を選ぶ際はどうしても「男の子っぽい色、女の子っぽい色」を意識してしまう。また、その親の判断に即呼応するかたちで、タケも「旧来から脈々と続く、男の子っぽい色のもの」を好む。具体的には青い色が彼のお気に入りだ。

なので、こうやってピンク色の帽子を被っているのを見ると、親ながらちょっとめずらしい気持ちになるし、今だからこそこういう色の帽子を被ってもらえるんだろうな、と思う。あと数年すると、「ピンク色なんて女の子が着る色だから、やだ」と言うようになるだろう。令和生まれの子どもでも、そういうジェンダーバイアスは大なり小なり持つと思う。

今のうちに、彼にかわいい系の色や柄の服を着せておきたいものだ。かわいい、といっても女の子が着るような服を着せたいという意味ではなく、くまのぬいぐるみが着ていそうな服とか、子供服ならではの楽しい柄が描かれた服とかを着せたい。1歳ころまではそういう服が結構あったのだが、2歳になってくると服のかわいらしさがだんだん減ってくる。やばい、今のうちになんとかしなくては。

(2023.08.13)

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