クラシックのコンサートはまだ無理なので

サントリーホールでクラシック音楽のコンサートを聞く。

チケット2枚をいただいたので、家族でコンサートにでかけた。家族での外出の際、「ジャケットを羽織ろう」とか「かばんはもう少し良いものを」などとドレスコードを気にしたのは久しぶりだ。たまにはそういう体験が日常生活の中に必要だと改めて思った。でないと、どんどん服装が雑になる。

我々が訪れたのは「ストラディバリウスのバイオリンの音色を楽しむ」という趣旨のコンサートなので、当然子どもを中に入れるわけにはいかない。2歳児は野生動物と同じ生き物なので、5分もすれば飽きて声を上げたり椅子の下に潜り込んだり、やりたい放題だ。「やめなさい」といって話が通じる相手ではないので、外で待機させるしかない。

このため、コンサートの休憩時間を境に、前半は僕がコンサートを聴き、後半は入れ替わっていしがコンサートを聴くということにした。貰い物のチケット、しかも2枚という状況だからこそできる贅沢だ。

コンサート前半が終わり、20分の休憩時間となった合間にいしと入れ替わる。野生動物タケの相手交代だ。

この時点で、すでに1時間近くが経過している。彼はもう飽き飽きしていて、早くおうちに帰りたい、ネンネしたい、と思っているのではないか・・・と心配だった。ぐずって言うことをきかない、というのが一番困る。しかしどうだ、彼はお昼寝をしていないにもかかわらずまだ元気があり、サントリーホール前のモニュメントを周辺をひたすら走り回ったり、隙間に潜り込んだりと楽しんでいる。

その後も、彼はコンサート終了までの間のさらに1時間以上、元気いっぱいに遊び続けた。サントリーホールがある「アークヒルズ」は丘の傾斜沿いに作られている。そのアップダウンが彼にとっては探検のしがいがあるらしく、階段をどんどん登っていき、車道の坂道を通ってもとのところに戻る、ということをやっていた。そしてサントリーホール前の「カラヤン広場」ではフリーマーケットのようなものが開催されていて、それも彼にとっては空間として面白かったようだ。あっちこっち、うろうろし続けていた。僕は牧羊犬のように、彼をときにはけしかけたり、時には静止したりしながら彼についていくだけだ。

ということで、「子どもをサントリーホールに入れられないけど、コンサートが終わるまでの間どうしよう?」というシチュエーションがあってもたぶん大丈夫だ。空間全体で暇つぶしができる。少なくとも2歳半の子どもにとっては。

それでも飽きてくるようなら、ちょっと歩いてアメリカ大使館までお散歩してもいい。うっかり変な挙動をすると機動隊員に捕まるかもしれない、という緊張感がある空間だ。いや、でも大使館前の緊迫感は子どもにとって理解できないから、子どもは大して面白くないかもしれない。

(2023.09.24)

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