子どものために箸を買った

弊息子タケが、ときどき親の箸を奪ってご飯を食べるようになった。

彼からすると、単なる思いつきだし、面白半分の行為なのだろう。でも、親としては我が子が箸を使おうとしている、ということが嬉しいものだ。そんなわけで、彼のために箸を買った。

ピンセットのような形をしていて、2本の箸は根元の部分で繋がっている。

親指、人差し指、中指をはめるためのリングが箸についていて、そこに指を通すことで箸の持ち方を学ぶことができる、というものだ。

ただ、指をリングにはめるだけで簡単に箸を使えるというわけではないようだ。箸の先端に力が伝わり、食べ物をつまむというのはコツがいるようだ。

タケはそんなコツの習得には全く興味がない。なので、1分もしないうちにこの箸に飽きてしまった。まあいい、無理に今から箸を使う必要はない。

保育園の連絡帳に、「家で箸を使うことがある」と書いたら、先生から「箸よりもスプーンやフォークの使い方をちゃんと学ばせてほしい」と言われた。現在はスプーンを上から握りしめる形で食べることが多いが、まずはスプーンを持つ際、ペンを持つような手の形にしてほしい、とリクエストされた。

保育園への連絡は難しい。タケに関するちょっとしたエピソードを喋ったり、連絡帳に書くと、保育園から「それはちょっと・・・」と渋い顔をされ、僕ら夫婦が指導されるからだ。

たとえば、「彼が箸を手に取ってご飯を食べようとしたので、彼の自主性に任せる形ではあるが箸を使ってよいことにした」というだけの話なのに、保育園には「スプーンやフォークの使い方を学ばせることをすっ飛ばして、箸で食事をさせようとしている親」と語階される。

他にも、「公園から帰ろうと声をかけても全然帰ろうとしないので、公園の端から様子を見ていたら、彼は10分ほど一人で遊んでいた」というエピソードにも、「よくない」と言われた。僕としては、「親の助けを借りなくても公園で一人遊びができりうようになったのは、子どもの成長の証だ」という意味で書いたのだけど、保育園からすると、「子どもの一人遊びが成功体験となって、今後ますます親から離れたところで遊ぼうとするようになる。ちゃんと親が横についているべきだ」ということになる。

こういうやりとりが何度もあると、もう連絡帳には「今日は元気が良い」とか「ニコニコしている」といったことくらいしか書けないじゃないか、と思えてくる。

保育園と我が家とは今後も良い関係を続けていきたいが、どうしても子どもの安全を最大限に考えてしまう立場の保育園と、子の成長を喜ぶ親との間では価値観があわない部分があることを知った。

(2023.10.03)

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