国立近代美術館で開催されている展覧会、「パリ ポンピドゥーセンター キュビスム展―美の革命 ピカソ、ブラックからドローネー、シャガールへ」に弊息子タケを連れて行った。
美術館に2歳児を連れて行くことに、さほど意味はない。英才教育のつもりは全くない。どうせ翌日には何もかも忘れてしまうだろうし。
せいぜい、彼には「美術というのは敷居が高いものではないよ」ということを知って貰えれば良い。その程度の期待で、ぼくは彼を美術館に連れて行っている。
こういうことができるのは、彼が無料で電車に乗ることができて、無料で美術館に入ることができる今のうちだけだ。お金がかかるようになったら、もちろん行く頻度は低くなるはずだ。内容を吟味した上で、「これなら子どもに見せる価値がある」と思ったものだけ、見せることになるだろう。
その点、この「キュビズム展」というのは2歳児にとっては難しすぎる内容だった。
印象派の絵なら、まだ彼なりに理解ができたかもしれない。しかし、デフォルメが相当キツく描かれているキュビズムの作品となると、彼は理解不能だ。元々何をモチーフにしたもので、それがどのようにデフォルメされてこの絵になっているのか、元とその結果が理解できない。
「これなに?」と僕に聞いてくることもあったが、僕が説明しても彼は納得していない様子だった。そもそも、「これなに?」と彼に聞かれても、僕自身が答えられない絵が多かった。
この体験も何か彼の成長の糧になる、ということはなさそうだ。本当に、翌日にはすべてを忘れているだろう。
(2023.10.06)
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