キャッシュレス決済ネイティブな世代

弊息子タケが、おままごとをやるようになった。保育園の同級生、特に女の子たちの影響だろう。

「お会計でーす」

と言うのだけど、その後のしぐさがいかにも21世紀を生きる子どもだと感じさせる。それは、大人のスマホを手に取り、「ピッ」と言いながら卓上のティッシュペーパーの箱などに押し当てるのだ。

かわりに、僕がお財布からお金を取り出す真似をして、彼に「じゃあ300円、どうぞ」と言うと、彼は困った顔をする。彼としては、「ピッ」とスマホをかざす動作をやりたいからだ。

「支払いはペイペイで」と言うと、彼はぱあっと嬉しそうな顔をする。そして、スマホを手に取り、「ピッ」とやる。どうも、NFCのタッチ決済とQRコード決済とを混同しているらしい。

たぶん、2歳児はまだ「お金」の概念をよく理解できていないだろうし、サービスや物には対価が発生し、支払わないといけないというこの世のルールもわかっていないだろう。それに加えて、さらに「電子マネー」という概念が加わると、ますますお金に対する理解が希薄になる気がする。

「電子マネーが普及すると、幼児が足し算・引き算を覚えるのが難しくなる」ということは10年以上前から言われていたことだ。それはその通りだと思うが、そのこと以上にお金のありがたさを学ぶ機会が損なわれる気がする。僕ら親は、ことあるたびに彼に対して、お金がいかに大事か、說明していかないといけない。

でないと将来、グレた弊息子が僕の服を引っ張り、「金くれよ!ジジイ!ケチケチすんなよ!」と罵り、「とっととこの形態にバリューを送金すればいいんだよ!ピッとボタンを押すだけだろ!早くしろ!」と蹴られるんじゃないかと真剣に怖い。そのお金を稼ぐのがどれだけ大変か、子どもにはわかっていない。なんなら、ネットで怪しい情報商材を買えばお金なんていくらでも手に入る、と勘違いするかもしれない。

ペイペイという言葉は子どもにとって喋りやすいようで、先日彼が鼻歌を歌っている際、ずっと「ペイペイ」を連呼していたのでびっくりした。

僕としては、早く「デジタル日本円」を日本銀行が発行してほしい。いっそのこと、日本全体がキャッシュレスになればいいのだけど、コスト面でまだ無理なのだろうか。

(2023.10.14)

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