「大きくなったら5歳になる」

弊息子タケ2歳9ヶ月。まだ数を1から数えることができない。お風呂に入るとき、数字の勉強をやっているのだけど、なかんか身につかない。

その一方で、テレビから流れてくる音楽の歌詞はすぐに覚えて口ずさむ。どうも、「言葉」と「数字」は脳の中での整理の仕方が違うらしい。そして、数字の方が幼児にとって理解しづらいものだということがわかる。

彼に、「何歳?」と聞くと、2ヶ月前くらいまでは「ちょっと何を言っているのかわからない」という顔をして恥ずかしがって答えようとしなかった。それが今では、何を問われているのかは理解できるようになり、「2歳」と言おうと努力をするようになった。

しかし、まだ「2歳」という言葉がうまく言えないのと、手をピースサインにして「2」の数字を示すことができない。つい、手がパーの形になってしまう。その手の形につられてしまい、「5歳!」と彼は言うようになった。

おい、年齢詐称だ。

2歳なのに5歳を名乗る、というのは微笑ましい光景なのだが、ビュッフェレストランに行った際に店員さんに「何歳?」と聞かれて、「5歳!」と自信満々に答えるのはやめてほしい。3歳以上は子供料金、というお店が多いからだ。背伸びをしないで、ちゃんと自分の正しい年齢を店員さんに伝えてほしい。

彼が「自称5歳」で過ごしたのはだいたい1ヶ月ほどで、じきに2歳と言うことができるようになった。手は相変わらずパーの形のままだけど。

外出したとき、通りすがりの見知らぬ方から声をかけられることがある。特にご年配のマダムにとっては幼児というのはかわいくてちょっかいを出したい存在らしい。マダムからの声がけは、大抵「何歳?」という質問があるので、ここで正しい年齢を答えられるようになるとコミュ力が相当アップする。

こうして自分が2歳であるということを理解し、表現できるようになったタケ。そんな彼に、「大きくなったら何になりたい?」と聞いてみた。すると彼はこう言い放った。

「大きくなったら、5歳になる」

謙虚すぎる将来の夢だった。

(2023.12.09)

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