食事中、急にご機嫌がよくなった弊息子タケは、人差し指を突き立てて「イエーイ!」と叫んだ。
彼は麺料理が好きなので、この日僕が作ったビーフンを大変に気に入ったのかもしれない。だとしても、唐突だし、喜び方がとてもオーバーリアクションだ。
しばらく、人を指差しながら「イエーイ!」を連呼していた彼だが、一体どこでこの言葉とジェスチャーを覚えてきたのだろう?いや、それは愚問だ、「どこで」って、保育園に決まっている。我が家ではこんなご陽気は言葉も動作も、使っていないからだ。もっと厳粛なのがおかでん家だ。いやマジで。
今後しばらく、彼はこの言葉をお気に入りとして使い続けるのだろう・・・とその時は思った。やたらと「イエーイ!」を連呼していたからだ。しかしこの言葉は1日限りで、翌日以降は全く「イエーイ」という言葉を使わなくなった。一体彼の脳の中はどうなっているのか、親でもさっぱりわからない。
話は変わるが、彼の言葉はまだたどたどしく、あいうえおの発音は舌っ足らずだし呂律が回っていないことが多い。たとえば、彼は「ハーイ」と返事をするが、「ハ」がうまく発音できないので「ターイ」と言っている。または、「ツァーイ」と言う。また、「早く早く!」を「タラクタラク」と言う。
なので、彼が喋っている言葉をリスニングするのはそれなりに難易度が高い。彼が週に何度か通っている耳鼻科の先生でさえ、彼の言葉を聞き取るのが難しい。
一方で僕ら夫婦はある程度彼の言葉が理解できる。それは、彼が喋った謎の言葉を一端自分の脳の中に保存し、脳内再生しながら彼が何を言おうとしていたのか推理するスキルを身につけているからだ。
彼はまだボキャブラリーが限定的だし、複雑な思考回路を持ち合わせていない。そして性格は極めて素直だ。なので、彼の謎言葉を解析する際、無限に存在する日本語の中から絞り込む必要はなく、2歳児の彼が知っているレベルの言葉や事象の中から探せば良い。なので、だいたい言いたいことがわかる。
たとえ何を言っているかわからなくても、その場は「へえ、そうなんだ」「ふーん」と適当に相槌を打っていればいい。彼は夢中になって喋り続けるので、あとに続く言葉から、先ほどの謎言葉の正体を突き止めることもできる。
最近の彼は、保育園から帰宅するやいなや、玄関からリビングに向かって「アレクサ、ただいま」と声をかけている。そうすると家中の照明が点灯し、アレクサが今日のニュースを喋り始めることを知っているからだ。
ただし、現時点ではアレクサが正常に動作する率は2割程度だ。彼は「アレクタ、タライマ」と発音するので、アレクサに無視されることが多い。
(2024.01.19)
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