弊息子タケは、僕が山に出かけるのを見るたびに「山に行きたーい」と言う。また、登山ガイド本をペラペラめくり、僕に「この山、行った?」とあれこれ聞いてくる。
僕としても、息子が山に興味を持つことは嬉しいことだ。いずれは、親子で登山ができればよいと思っている。そのためにも、3歳になった頃から少しずつ山道を歩かせることを始めようと思っていた。
実際、2歳になってから高尾山を歩くことは始めていて、ケーブルカー乗り場から薬王院までなら歩くようになっている。
しかし一方で、彼はまだ面倒くさくなったら「抱っこ!」とせがむクセが抜けきっていない。また、無防備に走り出したりよそ見をして歩いたり、とにかく安全性に難がある。
山で怪我をされたら大変だ。怪我そのものも大変だけど、16キロ近い彼を抱きかかえて下界まで運び下ろすのは親の責任で、今度は親にも負担と身の危険が迫ってくる。なので、彼がちゃんと自覚を持って安全確保できるようになるまでは、安易に山には連れていけないと思っている。
弊息子タケの山歩きシリーズ第一弾として選んだのは、首都圏における登山初心者がよく登頂する、房総半島の鋸山だった。
鋸山といっても、山の上の駐車場まで車で行き、そこから展望台までのほんの僅かな距離を歩いただけだ。観光地として有名な石切り場の絶壁には、雨が振り始めたのでいかなかった。
そのほんの僅かな距離だったけど、タケは大股で階段を下りようとして親の言うことを聞かない。一度に二段の階段を下りようとするので、「小さく歩きなさい」と注意をしても、「やだよ。大きく歩く」と言って聞かない。
親が手を引いていても危ない状態だったので、彼を鉄拳制裁し、強制的に無理な歩き方をやめさせた。山に関しては、冗談のつもりでいたらあとの祭り、ということが起きうる。怪我してから反省するのでは間に合わず、命の危険もある。
いしが「お父さんに山に連れて行ってもらえなくなるよ?」とタケに言うと、タケは泣きながら「いいもん。山にはいかない」と何度も言い張った。よしわかった、そこまで言うならお前はもう山には連れて行かない。
危険をコントロールする気がないなら、山に足を踏み入れるべきではない。子どもでも、そう。
これから先、春先は親子登山をしようと低山ハイクをいくつか予定していたのだが、その予定をぜんぶカレンダーから削除した。さて、僕一人の孤高の登山計画を立て直さなければ。
(2024.03.20)
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