僕は普段、子どもとは別の部屋で寝ている。
寝る前、弊息子タケは絵本のよみきかせを必ず僕にねだり、3冊読むことが日課になっている。彼がチョイスする絵本が長尺のものだった場合、寝室に着いてから「じゃあ、おやすみ」という段取りになるまで30分近くかかってしまうことがある。
そのくせ、部屋の明かりが消えた途端に「あっち行って!」と冷たく僕を突き放す。「お母さんと寝るの!お父さんはあっちいって!」と断言する。
最初は冗談で言っているのかと思ったが、かれこれ1年以上このスタンスは一貫していて揺るがない。いしが懇親会等で不在にしていて、僕だけが彼の寝かしつけをしなければならないときは、彼は母親が帰ってくるまで号泣し続けるのだった。
子どもなりの変な拘り、というのは彼の行動様式を見ていると随所にある。なので僕が気に病む必要はないのだけど、おかげで彼が寝ている姿を見る機会というのはとても少ない。
彼自身、断固として僕とは寝ないというわけではなく、帰省した際や旅行の際には、すんなり親子3人が川の字になって寝る。ただし、いし不在では絶対に寝ないけれど。
今回、帰省した際に実家で彼の寝相を見る機会があった。母親であるいしにとっては日常茶飯事の光景なのだろうが、悲しいかな父親の僕にとっては、彼の寝相そのものが新鮮に見える。
彼は、まるで枕をオーバーヘッドキックするかのように、本来のポジションから180度回転して寝ていた。枕にしがみつくでもなく、タオルケットを体に巻きつけるでもない。現時点ではこの体制が彼にとってのベスポジらしい。端から見ていても、全然その理由がわからない。
寝相がダイナミックなのは、弊息子タケに限った話ではなくどの子どもも同じだ。子どもは大人と比べて平熱が高いので、体の冷却のためにゴロゴロ転がるのだろうか?それとも、別の理由があるのだろうか?
いずれにせよ、年を取るにつれて体は動かなくなってくる。しまいには、同じ姿勢で寝ていて背中に褥瘡(じょくそう)ができることを心配する有り様だ。
こんなにゴロゴロ転がっていたら大変だろう、とは思う。でも、転がっているうちが若い証なのだから、僕も寝ているときはどんどんゴロゴロしようと思う。3歳児に張り合っても意味はないのだけど。
ちなみに、普段の僕は寝る際にゴロゴロし放題だ。なにせ、いしはすっかりタケの添い寝に夢中であり、結婚当時に買ったダブルベッドは僕一人が寝るために使われているから。悲しい。こういう、よく耳にする「夫の悲哀」というのが我が家にも訪れていることが、本当に悲しい。
(2024.08.12)
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