粘土は今どき流行らないらしい

弊息子タケには、あれこれ「創作」をしてほしいと思っている。ちゃんと、成果物がアウトプットできるような創作を、だ。

3歳8ヶ月になるタケは、家では椅子やらクッションを床に並べ、何やら自分の世界に浸って遊んでいる。なにをやっているのか聞いても、よくわからないことをやっている。

そういう「ごっこ遊び」は結構なことだ。どんどんやればいい。しかし、ちゃんとした成果物ができるような遊びをやらないと、ヌルくてボンヤリした世界にいるままで育ってしまいそうな気がする。

たとえば似顔絵を描くとか、レゴのようなおもちゃでなにかを模倣したものを作るとか。

頭でイメージしたものを、実際に具現化しようとするのはとてもむつかしいことだ。「あれ?ライオンの絵を描こうと思ったけど、たてがみってどんな感じだったっけ?」などと、自分の記憶の曖昧さを思い知ることになる。そして、模写をするとしても、目で見て、脳で理解して、手を動かして絵にするという一連の動きは熟練が必要だ。

だからこそ、そういうことを子どものうちからやってほしいと思っている。解像度が低いごっこ遊びをやるのではなく。

そういえば、彼が家で粘土遊びをすることがぜんぜんない。聞いてみると、「保育園にも粘土はあるんだけど、誰もやらない」のだそうだ。全く流行らない遊びらしい。

昔は子どもの学びと遊びのド定番だったのに、今の保育園じゃそういうのはやりたがらないのか。たまたま弊息子のクラスがそうなのか、現代日本の保育園児がそうなのかは、不明。

いずれにせよ粘土遊びはやってほしいので、100円ショップで粘土板、油粘土、粘土ケース、粘土用のヘラを買い与えて遊ばせてみた。

最初はコネコネしていたものの、あっという間に・・・実際は5分もかからなかっただろうか・・・飽きてしまい、放置してしまった。駄目だ、ちゃんと親がつきっきりになるか、適切なお題設定を与えないと、飽きる。

彼にタブレットでハニワの写真を見せ、「これ、作れる?」と聞いたら、「簡単だよ!」と言う。

なるほど、確かにぱきぱきと写真に似たものは粘土で作ってみせた。左右逆だけど。で、ここから彼が発奮して、「もっと違うお題を出してくれ」とか「お父さんも作ってくれ」などと粘土でひとしきり盛り上がればよいのだけど、彼はハニワを作った時点でもう興味を失っていた。

そしてまた、粘土で自分の世界にどっぷり浸った、謎の創造物の具象化をはじめていた。うーん。

彼を見ていて、専業主夫として自分が彼に寄り添えないのが惜しいと思う。もっと踏み込んで、彼にあれこれ課題やハードルを課してみたいのだけれど。

朝8時から18時近くまで保育園に行っているタケに、あれもこれもと親が教えるのは時間がない。どうしたものか、と僕はずっと考えている。

(2024.11.19)

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